妊娠後のからだはどう変化するの？マタニティ整体って何？

「出産は命がけ」体に大きな負担がかかります マタニティ整体とは直訳で妊婦さんのための整体。 女性の体は妊娠することで大きく変化し、筋肉・骨格には甚大な影響を与えます。 これが、妊娠中だけかと思えば、決してそうではありません。 妊娠の次には出産があり、出産の後には育児が待っています。 「出産は命がけ」というほど、体に負担のかかるものなのです。 産後は、妊娠期の疲労と出産時の息みの影響をそのまま引きずり 産後直後からママ業が始まり全く休憩もない状況で不眠不休がスタートします。 産後の「筋肉が無くなった」感覚・・・カラダで何が起きているの？ 産後ママの声でよく「筋肉が無くなった」と聞きますが、これは腹部・臀部・骨盤底筋群が妊娠したことと出産したことで伸びたままだからです。 筋肉はゴムの性質によく似ています。ゴムもずっと掛けていると伸び伸びになり本来のゴムの性質は衰え使い物にならなくなります。 ただ、筋肉もすべての筋肉が無くなったわけではなく、かえって強くなった筋肉もあるため、産後ママの体はこの筋肉によりアンバランスになりがちです。 顕著に現れるのが、腹部より下の下半身です。 これが骨盤の歪みや開きという感じにつながりが出てきます。 また妊娠時の体の変化として「リラキシンホルモン」の分泌が活発になります。 リラキシンホルモンとは別名「関節靭帯弛緩ホルモン」。 出産の際に赤ちゃんが出やすくするための柔軟剤となります。 ただ、このホルモンは出産時だけに集中して分泌されるかというと実はそうではなく、 妊娠中からずっと分泌量が多くなるのです。 妊娠後の筋肉の使い方は氷の上に立っているときのような状態 妊娠したことで関節が緩くなりますから関節を取り巻く筋肉が一層負担を強いられます。 分かりやすく説明すると、地面の上を普通に立っている時と、氷の上で立っている時の違いです。 地面のようであれば何も疲れませんが、氷上になると滑りやすくなるため、しっかり立とうとして足に力が余計に入ったりバランスを取ろうと筋肉を使い続けます。 この様な状況が妊娠中ずっと続きます。 妊娠前に質の良い筋肉で筋力があれば、妊娠10か月間は耐えることができますが、そうでない場合は直ぐに疲労するため筋肉や関節は悲鳴を上げます。 しかし、関節が壊れてしまっては生活に支障が起きる為、壊れる前に痛みとして指令を出すのです。 つまり痛みとは危険信号。体の防衛反応です。 一連のカラダの変化が考慮されたマタニティ整体 妊娠時の痛みは我慢するものではありません。 少しでも違和感を感じたら直ぐに改善をして下さい。 妊娠時の影響は出産時や産後に必ず影響が出ることを知っておいてください。 この様に、妊娠だけ・出産だけ・産後だけと区切りで考えるのでなく、 一連の流れと考え、妊娠・出産するための身体を維持しなければなりません。 マタニティ整体はその一連の流れに基づいてプログラムされています。 産前・産後の筋肉&骨盤ケア 著者：山田 守寿 出版社：現代書林 筆者プロフィール 山田 守寿 NPO法人日本マタニティ整体協会代表理事 マタニティ整体スクール代表 山田整体院（幸田町）/マタニティ整体名古屋店　院長 愛知県蒲郡市生まれ、愛知県額田郡幸田町在住。 妻の妊娠を機に、当時誰も行っていなかった妊婦整体を始める。 独自の「マタニティ整体」を開発し、産前・産後のママさんたちに安心・安全な技術や知識を提供すべく、痛みの改善「マタニティセラピスト」を育成している。