空前の腸内環境美化ブーム! 腸内環境を整えて、免疫を上げよう!腸内細菌を増やそう!って、テレビで取り上げられているのを見たことがある方も多いでしょう。 しかし、一生懸命高いヨーグルトを食べたり、ビオフェルミンを飲んだりして乳酸菌を増やして、腸内に免疫細胞(マクロファージやNK細胞)を増やしても、その子たちが全身に行きわたらなければ身体の免疫は上がりません。 腸の周りでウロウロしていも井の中の蛙、宝の持ち腐れ状態です。 いつまでもベンチを温めていないで、広いグランドに行って活躍してもらわなければ免疫は上がらないのです。 今回は、免疫力を上げるために、腸内環境を整えるだけでは不十分は理由、そして具体的な改善方法についてお話ししていきたいと思います。 免疫細胞を身体に行きわたらせるには 免疫力を上げるために免疫細胞を全身に運ぶのは、「血液」。そこで、『血流』がとても大事になります。 かの野口英世もこう言っています。 「人間の病気や体内の痛みは、細胞が酸素欠乏で死んでしまうから起こるものだ」と。 酸素は血液が運びます。血流が悪くて酸欠状態になる…これが病気の元だと考えたのです。 血流というと「心臓」ですが、その前に大事なのは「肺」です。 肺でガス交換して呼吸によって新鮮な血液が心臓に送り込まれます。 心臓ももちろん大事ですが、血流で大事なのはその前に「横隔膜(ハラミ)」なのです。 ここで大事なのはもう一つ、身体に溜まった血液を送りだすポンプ。 その代表が、第2の心臓と言われる「ふくらはぎ」です。 心臓とふくらはぎ、そして横隔膜。 この3つを上手に鍛えて動かすと血流は良くなり、免疫細胞が全身に届くわけです。 「瘀血」という考え 東洋医学では、はるか昔から「血液」が一番重要だとしています。 血流の滞り、今で言えば鬱血などの血流障害を指しますが、これを『瘀血』と呼び、万病の元とされてきました。 だから昔は瘀血の部分の血を出したり(刺絡)、もっと過激だとヒルに吸わせたりしたのです。 血と気が充実していれば免疫が高く病気にならない、これが東洋医学の考えです。 現代病 現代は、昔と違い飽食の時代となりました。 血流にのって必要のない栄養が次から次に細胞に届きます。もういっぱいいっぱいで受け取り手もない状態です。おまけに運動不足で静脈のポンプが故障状態。栄養の大渋滞です。だから途中で栄養を捨てていくのです。粥状動脈硬化や脂肪肝ですね。 動脈のポンプがしっかりしていても、このような栄養過多状態ではかえって病気になってしまうのです。 生活が便利で豊かになった分、心や身体が以前よりも弱くなり免疫も下がってきました。 インフルエンザだって熱中症だって昔からありますが、現在は罹患する数が桁違いです。 食べ過ぎ、飲み過ぎ、動かな過ぎ、働き過ぎ、ストレス溜め過ぎ……身に覚えありませんか? ではどうするか まずは、栄養の供給を一時やめて渋滞を解消しましょう。それが断食、1日でOKです。 1日であれば復食とか気にしなくても大丈夫、ミネラル分の入った水分だけは補給しましょう。 渋滞が取れたら、渋滞が起こらない様にしましょう。 食事は腹8分目、糖分の摂り過ぎはNG(炭水化物やお菓子)。 大人は朝食を抜くのが良いでしょう、ブドウ糖は体内で作られますので余計な心配は無用です。 そうしたら、血流改善のために運動します。 横隔膜とふくらはぎです。 深呼吸(腹式呼吸)を常に心がけましょう。これはいつでもできますね。 ふくらはぎは歩くのが一番ですが、カーフレイズ運動が良いでしょう。 両足同時につま先立ちして戻す、を繰り返す動きです。会社の昼休みや家で歯を磨くときなど、ルーティンにすることをオススメいたします。 さいごに いかがでしたでしょうか? 医学の祖、ヒポクラテス(紀元前の古代ギリシャの医者)の言葉を最後にご紹介します。 「歩く事は人間にとって最良の薬である」 「満腹が原因の病気は空腹によって治る」 「筋肉を充分に使っている人は病気に罹りにくく、いつまでも若々しい」 東洋医学にしろ、ヒポクラテスにしろ、紀元前の時に「病気にならない方法」は分かっていたのです。 私たちが、自分の身体のためにちょっと気を付ければできることばかりです。 それをしないで、病気になったら病院に行って薬をもらって症状を抑えてしまう…… 家族や大事な人のため、そして何より自分のためにもっと身体を大切にしてあげましょう。 筆者プロフィール 矢崎 宏典 リラクゼーションマッサージ鍼灸整体院『ビヤンネートル』オーナー院長鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)、カイロプラクター K-cloud japan 事務局長、食養生コーディネーター 中央大学法学部卒業後、一般企業に就職し治療業界に転身。33歳まで社会人リーグでアメフトをプレイ。 治療のみならず、東洋医学の神髄でもある「養生」に着眼し、食生活を踏まえた『マスコミに騙されないホントの健康な身体作り』を指導。自らも、乳酸菌を自作し味噌や納豆作りをする発酵生活実践者。
筆者プロフィール
矢崎 宏典
リラクゼーションマッサージ鍼灸整体院『ビヤンネートル』オーナー院長
鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)、カイロプラクター
K-cloud japan 事務局長、食養生コーディネーター
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