軽度の顎関節症なら、自宅でストレッチをするだけで症状を緩和できることもあります。 症状が軽いからといって、何もしないで顎関節症を放置してはいけません。 口が開けられない、といった重い症状になる前にできることからやっていくことがいいでしょう。 口を開けるときに顎の関節が音を立てるようになることで、顎関節症だと気づくことが多いでしょう。 また、ものを噛むときに顎や頬の筋肉に違和感を感じたり、首周辺の筋肉に慢性的なコリを感じたりするようになって、顎関節症だと気づく人もいます。 初期の軽い症状のうちにストレッチなど何らかの対策を行い、改善していくよう努力していくことが大切です。 顎関節症の原因とは? 顎関節症とは、下顎と頭蓋の側頭骨とをつなぐ関節にある、クッションのような軟骨がずれてしまう症状です。 軟骨が本来の位置にないことで、顎の開閉がスムーズにできなくなったりします。 軟骨がずれる原因はいくつかあると考えられています。もっとも大きな原因は、歯にかかる不必要な力です。 噛み合わせの悪い歯を放置していたり、歯の食いしばりや歯軋りなどの生活習慣があったりすると、顎関節の軟骨に負担がかかってずれやすくなるといいます。 顎関節症に効く口のストレッチ 口を開くときに音がなる程度の軽い顎関節症なら、顎関節と周辺の筋肉のストレッチで症状を緩和できるかもしれません。 顔を正面に向け、痛みを感じない程度に口をできるだけ大きく開けます。その状態を15秒間キープします。次に口を軽く開いたまま、下顎を前方へできるだけ突き出し、その姿勢を15秒間保ちます。次に下顎をできるだけ手前に引き、その姿勢を15秒間キープします。 顔は正面を向いたままで、口を閉じ、下顎を右側へできるだけスライドさせます。痛みのないところで止め、その状態を15秒間保ちます。次に下顎を反対側の左側へスライドさせ、同じように15秒間キープします。 動作はゆっくりと行うことがこのストレッチのポイントです。1日3回行いましょう。痛みのでない範囲でこのストレッチを続けていると、顎関節とその周辺の筋肉を次第に柔軟にすることができます。 顎関節症に効く首のストレッチ 顎関節症の患者さんの多くは、首にコリを感じます。頭蓋は頚骨という首の骨につながっているため、顎を開閉するたびに首の筋肉にまで負担をかけるからです。人によっては首から肩にまで筋肉の緊張が伝わり、肩こりをおこすこともあります。 首と肩の筋肉を伸ばすには、首の横と後ろのストレッチが効果的です。 正面を向いて立ち、頭を右側に倒して30秒間キープします。頭をおこし、反対側の左側に倒してまた30秒間キープします。正面を向き、頭を前方へ倒して30秒間キープします。それぞれの動作で首の左、右、後ろの筋肉がきもちよく伸びている状態を意識しましょう。 蒸しタオルを首や肩、顔のえらから下顎周辺にあてゆっくり温めることも、顎関節症の症状緩和に効果的です。 顎関節症を悪化させないために気をつけること ストレッチでいくら顎周辺と首の筋肉を伸ばしても、顎に負担をかける生活を続けていては、顎関節症は改善しません。 顎と歯にストレスをなるべくかけない生活を送ることが、顎関節症の悪化を防ぐポイントです。 歯軋りや食いしばりの癖のある人は、意識して口元の力を抜くようにしましょう。寝ている間に歯軋りをしてしまう人は、専用マウスピースをつけると、就寝中でも歯や顎への負担を減らすことができます。 頬杖をついたり、左右どちらかの歯でものを噛んだりするなどの習慣も改めましょう。 ストレッチを続け、顎に負担のかかる生活習慣を改め、顎関節症の症状を緩和していきましょう。
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