リハビリしてもよくなる人とよくならない人がいる 私は足や膝、腰の悩みなどを抱えた方に、足指の機能を取り戻す訓練を取り入れることで、治療に当たる理学療法士。 もう手術するしかないと言われた方が、痛みもなく歩けるようになった場面に立ち会うたびに無上の喜びを感じます。 でも、最初からこんな治療をしていたわけではありません。リハビリテーション専門学校を卒業後、ある療養型病院に就職しました。そして2年が過ぎたころ、同じリハビリをしても良くなる方と良くならない方がいることに気付きました。 ただ、違いを探しても答えは見つかりません。 妻のO脚を1週間で改善させた1足の靴下との出会い 結局5年目に志半ばで退職しました。それからしばらくして、なるべく薬や手術に頼らず、体の使い方を人間本来のものに戻すことで病気を治す「みらいクリニック」院長で内科医の今井一彰さんと出会ったのです。 今井さんから渡されたのが、特殊な加工を施した5本指の靴下。履いた瞬間、足の踏ん張る力が変わったことが分かりました。 これはと思い、小学生のころからひどいO脚に悩まされ、膝痛と股関節痛があった妻にも履かせると「小指が地面に着いて足の内側に力が入る」。早速、妻の脚の写真を撮り、1週間後と比べると、O脚が改善していたのです。膝と股の痛みも消えていました。 たったこれだけで改善するなんて…。これを追究していけば、志半ばにして挫折してしまったリハビリでたくさんの人々を救えるかもしれない、とわくわくしたのを覚えています。 足指の機能についての勉強の日々 みらいクリニックへ就職した私は、必死に足指の機能について勉強を始めました。でも、教科書に載っていない未知の分野だったので文献もありません。それでも答えは患者さんの足にあると思い、足を見て、触り続けました。そのうちに足指を真っすぐに伸ばすだけで体が安定する人が続出したのです。 これからの連載について この連載では、いろんな症例を基に、足元から健康になる話を展開していきます。お楽しみに。 一生元気でいたければ足指を広げなさい 著者名:湯浅慶朗 出版社:あさ出版 著者プロフィール: 湯浅慶朗(ゆあさよしろう) 理学療法士 みらいクリニック付属フットケアセンター長 西日本新聞で22回連載 NHK放送 「サキどり」に2回出演 フットケアセンターでの足腰の悩みに取り組む他、専門家向けの講演で全国のみならず、海外でも講演会を行い、世界各地を飛び回わる傍ら、独自ブランドの足指を矯正する靴下ゆびのばソックスの開発や研究も行い、活動は多岐にわたる。 Anan、日経ヘルス、クロワッサンなど多くの雑誌にも掲載。 あさ出版「一生元気でいたければ足指を伸ばしなさい」など著書多数。
著者プロフィール:
湯浅慶朗(ゆあさよしろう)
理学療法士
みらいクリニック付属フットケアセンター長
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