病院で、「安静に、重い腰痛と言われる「だけ」です」とのことですが、その「だけ」がとても重要です。
要するにヘルニアや狭窄症などの大変な原因があるわけではないというお墨付きをもらえたことはとても重要なことですし、喜んでいいと思います。
あとは筋肉の問題なのでそれなりの対応が可能です。
お医者さんの診断からすると要するに左右の筋肉のアンバランスの問題のようですね。
ゴルフのスイングで痛みが出るということは、スイングする方向の背中に大きな緊張があると思われます。
お医者さんでは、それを矯正するために反対側も筋肉を付けろということなのでしょう。
ただ、筋肉のアンバランスの原因を考える必要があると思います。
筋肉のアンバランスがあるということは、動きに偏りがあるということだと思います。
どちらが利き手か分かりませんが、一応右利きと想定しますと、スイングは右から左へ振るわけですから、おそらく左の背中の筋肉が盛り上がっているのではないかと想像します。
よく、骨盤が歪んでいるという話がありますが、これは卵が先か鶏が先かの問題で、偏った動きがクセになっていて、それが骨盤の高さであったり背中の筋肉であったりに偏りが出てしまっているわけです。
ちなみに、骨盤に関しては高さの左右差というよりは、体がどちらかに向いてしまっているというねじれが同時に起きていて、こちらの方が修正しやすいですし、同時に高さの調整にもなります。
となりますと、筋肉をつけるのもいいですが、まず動きの偏りを修正した方が簡単かと思います。
同じ方向の動作を繰り返すことで、筋肉がその方向が通常の状態と勘違いして固まってしまっていますので、反対もあることを教えるために、反対の動作をするのが一番簡単かとおもいます。
つまり、ある方向にクセがついているのであれば、その反対に動けばいいだけです。
ゴルフのスイングで痛くなるのであれば、反対にねじる運動をしてみてください。
反対方向、右利きであれば左へのスイングがふつうですので、逆の右方向へ体をねじる体操をしてみてください。
右へ、グーっとひねって10数えて戻します。
これを5回程度続けます。
これを一日に3回程度、また痛みが出たときなどにも行ってください。
勢いをつけるのではなく、ゆっくり、じっくりひねります。
痛みが出るようであれば中止して下さい。
また、ゴルフの練習をする場合は、1振りごとに、かならず反対にもスイングしてください。理屈は同じです。同じ方向にクセをつけないためです。
ゴルフに限らずスポーツ障害を防止するにはこれが一番簡単で効果的です。
私のお客様も初めは打ちっぱなしで30球も打てなかったのが、この方法で打てる数がどんどん増えたと言って喜んでくださっています。
もうひとつ気をつけたいのが姿勢です。
身体が動いて腰に負担が生じる際に、それを受け止めるようにしっかり作られているのが骨盤です。ところが、姿勢であったり動く時のフォームが効率的な動きになっていないと、負担が骨盤でなく別の個所に行ってしまい、そこに支障が生じてしまいます。
重いものを持ち上げたり、スイングしたりするとき、骨盤に負担が集中するよう効率的な姿勢や動きをする必要があります。
効率的な動きをするための姿勢は、骨盤が後に倒れていない姿勢です。
動物が何かに飛び掛かる直前の骨盤の形でもあります。
骨盤が前傾気味であれば、身体の中でも特にしっかり作られている骨盤が負担を担ってくれますので、他の部位への負担が小さくなりますし、すばやく動けますので、パフォーマンスの向上にもつながると思います。
筋肉については、量の問題もさることながら、筋肉の柔軟性を確保することも大事になります。
冬に着込んで動きが悪くなると腰を引っ張って痛みが出ることがあるのと同じで、筋肉の一部に異様な固さがあると他の部分を引っ張って、引っ張られたところに痛みが出ます。
それを予防するためにも、筋肉の柔軟性を確保することが必要になります。
これについては、体が固い、前屈がきついから腰痛になるというわけではなく、その人にあった固さの中で、固さにアンバランスがある場合に支障が出やすいので、他の人と同じような固さにすることを目指すのではなく、本人の中で固いところを見つけてそれを伸ばすようにします。
固いところが見つかったら、そもままマッサージしてもかまいませんが、筋肉の柔軟性の確保にはストレッチが手っ取り早いです。
伸ばすのは、腰につながりのある足や背中だけでなく、反対側から腰を引っ張っているお腹や脇腹、胸についても柔軟性を確保する。
自分の中での筋肉の固さは、さわると異様に固く痛みがある部分があるので、そこをターゲットに伸ばします。
意外と脇腹などはさわってみると痛みがあるので、それを伸ばすような側屈などを行うといいと思います。
これも、先ほどの逆ねじりと同じで勢いをつけるよりは、ゆっくり、じっくり伸ばす方が危険もありませんし、効果もあるかと思います。
とりあえず、病院からいいお墨付きをもらえているので、心配せずにいろいろ工夫してみてください。