肩こりと腰痛でかなりお辛そうですね。
腰痛にしても肩こりにしても、筋肉の引っ張り合いで痛みが生じます。
腰の痛みの場合、足など下半身から引っ張られる場合と、肩など上半身から引っ張られる場合がありますが、ご投稿の内容からは上半身から引っ張られている可能性があるかと思います。
腰と肩が引っ張り合いをしているんですね。もちろん、引っ張られているところに痛みが生じます。
肩甲骨周辺は腰から引っ張られることで、フォークを刺したくなるような痛みになっているのでしょう。
猫背の背中の曲がりのてっぺんが肩甲骨あたりにあるのかと思われます。
定期的にマッサージや鍼を打ちに行っておられるということは、その際の施術が原因にアプローチがされていない可能性があるかと思います。
また、デスクワークなどの際の姿勢が変わらなければ、いくら肩をケアをしてもまたぶり返してしまいます。
ですので、ケアについては原因にアプローチしたものを、姿勢についても今までとは変える必要があります。
まず原因からですが、同じ姿勢を続けると、肩や背中、後頭部など体の後ろの部分がずっと「引っ張られる」状態が続きます。
そうすると、体の後ろの部分の筋肉は引っ張られ過ぎないようにずっとこらえている状態が続きます。
このような緊張が続きますと、まず血流が悪くなることから、筋肉や筋膜が固まりやすくなってしまいます。
引っ張られた状態で固まってしまうと、常に引っ張られているという状態をセンサーである神経が感知し続けますので、脳へ緊急信号を送り続けることになり、それが痛みととして認識されてしまいます。
しかも、それが常態化すると、今度は脳はそれが通常の状態であると誤解して常に痛いものと認識してしまい、慢性的に痛みを感じるようにうようになってしまうわけです。
だとしたらこれを取り除くには、引っ張られて固まっているところをほぐせばいいように思いますが、そうは行きません。
「引っ張って」いる体の前の部分、胸や腕、さらにはお腹の部分などでも、引っ張った状態での緊張が続き、血流悪化からこれも固まってしまっています。
ですので、「引っ張られて」いる部分をほぐしてもまたすぐ「引っ張られる」状態が復活しますので、慢性的な痛みはなかなかとれないということになります。
辛い部分だけをほぐしてもなかなか改善しないのはこのような理屈からです。
では、その対応策ですが、2つご紹介します。
原因から考えた場合にどこを狙えばいいのかということですが、今まで辛い部分である肩から背中は狙っておられたと思うのですが、胸や腕は狙ってみられましたか。
最初に書いた原因からすると、胸や腕まで狙う必要がありますよね。
特に、胸ですと、鎖骨の下の部分、そこから肩に行った骨のコリコリがある部分です。ここの奥に膜があります、ここを押してみるとかなり痛い場所があると思うので、そこをやさしく緩めてあげてください。
腕ですと、肘周辺と手首周辺です。肘については、肘の肩側と手首側それぞれ痛みがあるかと思います。
また、吐き気まで感じるということは、胸だけでなくお腹にも緊張があり胃を圧迫している可能性もあります。
もうひとつは、姿勢を変える方法です。
デスクワークの際、パソコンに対する態勢を少し変えれば、使う筋肉が少し変化し筋肉の緊張が変わります。
気の長い話に思えますが、実は結構即効性があります。やるとすぐに実感できるものです。
姿勢を変えるには、環境を変えるのが早いかと思います。
ディスプレイの高さは、目の高さより下になっていませんか。
これでは首がどうしても前に出ますので、目の高さまで上げてみてください。
キーボードの位置は、すぐ手前まで来ていますか。
キーボードが遠いとこれも首が前に出てしまいます。
ですので、ノート型だと結構きついですよね。
ディスプレイとキーボードは外付けにしてみるのもひとつの方法です。
そして、どうしても座っている時、背中が丸くなってしまいます。
こうなると、骨盤が後ろに倒れてしまいます。
これを意識的に立てようとすると仕事になりません。
そこで、ヒザをベルトでくっつけるように固定してください。
ベルトは100均あたりの腰ベルトのようなもので充分です。
座っている時ヒザをつけると足が内側を向く(内旋する)せいで、テンセグリティ的な影響から骨盤が自然と立ってきます。
骨盤が立つと、背骨の前後のカーブが減り、首の前のめりが少なくなることから肩こりや首コリが楽になります。
これは、当院へお越しの肩こりの方にも勧めて、ベルトも差し上げているのですが、結構好評です。
以上、原因から考えれば特別なストレッチやマッサージは必要ありません。問題は攻めるポイントにあります。攻めるポイントが的確であればラジオ体操程度でも充分効果は表れます。
試してみてください。
それと、マッサージや鍼については、原因にアプローチしてくれるところを探すといいかもしれませんね。