松縄骨法院のほねほね先生です。
実は「ほねほね先生」と言う名前は、アトピーで来られた当時5歳くらいのお子さんが骨から治す施術で症状が緩和され気持ちよくなって「またほねほね先生の処に行きたい」と言ったということをお母さんから聞き、そのネーミングが気に入って、それ以来『ほねほね先生』と名乗らせていただいております。
さてヘルニアに関するご質問ですが、私もヘルニアで苦しんだ経験があります。私の場合は頸椎ヘルニアで、頸椎の5番目と6番目の間の軟骨が飛び出て神経を圧迫し、痛みがひどく、腕や手や指に力が入らない、字が書けない、同じ姿勢を保つのが苦痛になるという状態になりました。整形外科では「ヘルニアは一生治らないからあなたは長いお付き合いをしてください」と言われ2年半外科治療に通いましたが、全く改善はしませんでした。
治療を初めて2年経った時に「来週MRIを撮りましょう」と言われ、MRIで確認したら、骨の状況は全く変わっていませんでした。それを見た外科医からは「ほら、治っていないでしょう、あなたは死にまで通って来なさい」と念を押されました。全く治っていないことの確認のためのMRIだったのです。
「くそ~、何か治る方法はあるはずだ!」と悔しい思いをしながら通院していましたが、ある時、家内の勧めで行った外国の某療法に3年間通ってヘルニアの自覚症状はなくなりました。自覚症状だけでは不確かなので、以前の整形外科に行き「先生は治らないと言われましたが、他の療法でどうも治ったような気がします。気だけではわかりませんからレントゲンで確認してください」といってレントゲンを撮ってもらうと、飛び出ていた軟骨がなくなっていました。
それを見た外科医は『おかしい、ヘルニアは医学では治らないことになっております。あなた本当にヘルニアと言われましたか?』と言うのです。自分がヘルニアだから一生治りませんと言っておきながら、おかしなことを言うもんだと内心は思っていました。さらに外科医はヘルニアはレントゲンではわかりません。MRIで確認しましょうと言ってMRIを撮りました。
すると、レントゲンで確認したのと同じで飛び出た骨はなく、きれいな状態になっていました。
そこで私は「先生、私は〇〇という療法で3年で治りました。だからヘルニアで悩んでいる大勢の方はこの方法で治りますよ」とおせっかいというか今から思えば余計なことを言ったのです。「外科医も一生懸命治そうとしてくれているけど、治し方が間違っているから治らないのだ、だから教えてあげたら喜んでくれるだろう」というこんな思いで熱く語りました。すると外科医は『あれは外国のお灸のようなものです。現代医学では認められていません。邪道です。』こう言って聞き入れてもらえませんでした。
「いえ、先生、こういう原理で治っていくんです。皆さんが助かるんです」というと、次第に不機嫌になり『わたくしにどうしろとおっしゃるのですか?』と開き直ってきました。どうもこうも、患者がよくなったのだから『良かったね』くらいは言うかと思っていましたが、逆に嫌がられました。その時の応対から考えて(あっ、この先生は本心は治す気がないな!これ以上言ったら喧嘩になるぞ)と思って黙って帰ってきました。
その後に師匠に弟子入りした私は「医者が絶対に治らないといったヘルニアが3年で治りました。凄いでしょう」と自慢しました。すると師匠は『あんた、3年もかけたの!悠長なこと言ってるね、うちなら4~5回で治すよ』と笑われました。
上には上があるものだと感心した記憶がありますが、その時の師匠の説明は『ヘルニアは柔らかい軟骨が出て神経を押しているもので、ちょうどチーズバーガーのチーズがベロンと出ているようなものだから出たチーズを押し戻すイメージだな』と言われ、つまり飛び出た軟骨を押し戻せということでした。
「そんな目に見えないものをどうやって押し戻すんですか」と訊くと『やり方はいつも教えているだろう(後は自分で考えろ)』ということでした。「ヘルニアのへの字も習っていないけどなぁ」と思いながらその場はそれで終わっていました。
実はその時に詳しく訊きたかったのですが、職人気質な師匠ですから訊くと嫌がるのです。
機嫌のいい時にさりげなく訊くと答えてくれますが、根堀り葉堀り訊くとはぐらかされるのです。
例えば稲の収穫の後で、稲田に落ちた稲穂を拾っていくように、師匠がポロっと漏らす言葉を漏らさず聞き集めて知識を溜めていく、そんな状況でしたから、ヘルニアの治し方として教わったことはありませんでした。
その後歳月が流れて独立し、あるヘルニアの患者さんを治す場面に遭遇しました。
師匠はヘルニアは押し戻せと言ったな、やり方は教えているとも言ったぞ。ヒントはこれだけでした。
しかし目の前でヘルニアで痛がっている患者さんがいて、治さないといけない、困ったものだが何かやるしかない。こうしていつもの練習でやっていた方法で患部を擦りました。
痛がるから強くはできません。出物腫れ物に触るように、ヨシヨシと子供の頭を撫でるように、ひたすらさすりました。
「このやり方が間違っていたら明日の朝までやっても治らないだろう、でも、これしか知らない。こんな不安を胸にただ擦っていました。
延々と続けること2時間。掌に感じていたヘルニアの出っ張りが感じられなくなりました。すると患者さんが『もう痛くないです。気持ちがいいです。』こう言ってくれました。「あーあ、よかった。このやり方で正しかったんだ」・・・これが初めてヘルニアを治した時の心境です。
治ってしまえば強いもので「なんや!ヘルニアは簡単やな。擦ったらええんや」こんな印象を受けたことを今も記憶しています。
体験談が長くなりました。さて質問の回答ですが、ヘルニアは手術以外で治ります。手術でリスクを負うよりずっと安全で確実、誰でもできます。やり方は、今説明した通り、出た軟骨をさすって押し戻せばいいのです。
初めてだと不安ですが、一回経験すると、自信がつきます。もっと複雑な症状でも余裕をもって治せます。
腰痛の治し方と同じだと考えてください。ただ痛がるから弱めに押すという点が異なります。
家族の間で試してみてください。