こんにちは。豊橋市の伝馬町鍼灸院 院長の川添です。 5月は気温も温かくなり、1年で最も過ごしやすい季節ですね。 でもこの時期は、北からの冷たい空気と南にからの暖かい空気がぶつかり合う時期で天気が急激に変わる季節もあります。 1日の気温の変化も大きく日中は、半袖で過ごしていて汗ばむ陽気でも、夕方には急に冷えて、長袖を用意しておけばよかったと後悔してしまうこともありますよね。 特に冷え性の方にとっては、自律神経の働きが低下しているため、気温の急激な変化に体が順応しきれず、冷え感がかえって強く感じるばかりでなく、体のコリ感や頭痛を始め、風邪を引いてしまうこともあり、日常生活に支障が出てしまうことがありますよね。 そこで、この時期にお湯をつかった体を温める3つの対策をお伝えします。 1.白湯を飲む 白湯を飲むことは、体の中から熱を補う方法の一つです。 なぜ白湯が良いかというと、まずは手間がかかりません。やかんでお湯を沸かすか、保温したポットからカップにお湯を注ぎ少しさました後、飲むだけですぐに体を温めることができます。 第2に、体に与えるダメージがほとんどありません。 たとえば、コーヒーやお茶にはカフェインが含まれていて、カフェインは交感神経を刺激し、血管を縮めます。 白湯は、水以外に余分な成分が含まれず、胃腸にも負担がかかりません。 第3に、胃腸を直接温めます。胃腸は東洋医学で五行でいう「脾」と深い関係があり、胃腸を温めることにより、消化、吸収力があがり食事による熱の産出力が高まります。 水道水の塩素やトリハロメタンが気になる方は、一晩冷蔵庫に入れておくか、市販されている水を利用してください。 一日の内でいつ飲むかは、朝が最適ですが、いつでも構いません。 白湯が冷えにいいから大量に飲む方が効果的と思われる方もいるかと思いますが、体の水分の滞りは体を冷やす元凶の一つなので無理に飲まないようにしましょう。 2.湯たんぽ 湯たんぽは、体の外から熱を補う方法の一つです。 湯たんぽは、熱量が大きく、体を温めるには、最適なグッズの一つです。70℃ぐらいに沸かしたお湯を湯たんぽにカバーまたはタオルを巻いて使用します。 湯たんぽを当てる体の部分は、太腿、腰とお腹です。まずは太腿。 太腿は、筋肉が多く血管も発達し、血液量も豊富。多くの血液を温めることによって全身に熱が巡ります。 次に腰。腰は東洋医学では五行でいう「腎」と深い関係があり、「腎」は両親から受け継いだ先天的な生命力を蓄える場所で、熱を作り出す原動力になる所です。 また体の水液の調節をして、体の熱の調節しますので、腰を温めることは、「腎」の働きを高めます。 お腹は、特に右側の肋骨の下端あたりを温めます。 その場所は肝臓のあるあたりで、肝臓を温める事とにより、基礎代謝を上げ熱の産出力を促します。 湯たんぽを持っていない方には、ペットボトルに50~60℃のお湯を入れタオルを巻いて温めると良いでしょう。 お湯を注ぐときには火傷や同じ個所での暖め過ぎによる低温やけどには注意しましょう。 3.足湯 足湯は、素足を直接お湯で温める方法で熱を外から補います。 入浴と違い、心臓への負担が少なく、服を脱ぐ手間も省け、多量のお湯を使わず節約することができます。 足先は、心臓から最も遠く、筋肉が少なく、また地面と直接接地するため身体の中で最も冷えの影響を受けやすい場所です。 足先を温めると、副交感神経が刺激され、足先の血管が広がり、全身の熱の循環が促進されます。 用意するものは、椅子、大きめのごみ袋、バケツ、40~42℃のお湯、温度の高めのお湯を入れたポット、バスタオルです。 大きめのごみ袋の中にバケツを入れ、40~42℃のお湯を入れます。 足首の周りにはたくさんのツボがありますので足首が浸かるぐらいの量を入れます。 椅子に座り、両足をお湯の入ったバケツに入れます。ゴミ袋の入り口を膝のあたりで手で絞めるようにするとお湯の保温効果が高まります。 途中、お湯がぬるく感じましたら一度足をバケツから取り出し、足をバスタオルにのせ、たし湯をして、温度を手で確認してから再度足を温めます。15分から20分ぐらい行います。 長く足を浸していると血管の収縮が遅くなり、逆に冷えてしまいますので注意が必要です。 まとめ いかがでしたか。 5月は1年で最も過ごしやすい季節でもありますが、天候も変化しやすく、冷え性の方には、気温の変化についてゆけず、冷え感を感じるだけではなく、体調を崩しやすい季節です。 体調を整えるため、白湯を飲む、湯たんぽを使う、足湯をするというお湯を使った3つのセルフケアをお伝えしました。 お湯の熱を体の内側、外側から取り入れることで、体の熱の産出力や循環力に働きかけ冷えから体を守りましょう。 筆者プロフィール 川添 登 伝馬町鍼灸院院長はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師 平成5年に国家資格を取得して以来、臨床歴22年以上。「冷え」を体調不良の根本的な原因として捉え、鍼灸でツボを刺激して、体を温め、自律神経のバランスが回復する施術を行っています。一人治療院として、個々の患者さんに丁寧な施術、安心感を持っていただけるよう心がけています。当院では、施術を受けていただくだけではなく、自宅でできるお灸や呼吸法、自律訓練法、運動法などのセルフケアも指導しています。
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筆者プロフィール
川添 登
伝馬町鍼灸院院長
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師
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