こんにちは、国際中医師の梶村です。 みなさんは腱鞘炎で悩んだことはありませんか? 腱鞘炎の原因は手の使い過ぎだと思っている方が多いかと思いますが、実はそれ以外にも原因があることをご存知ですか? 今回は腱鞘炎について詳しく説明していきます。 痛みに耐え続けると手術になるケースもある 物を持ったり掴んだりするときに、筋肉が収縮して関節が屈曲伸展しますが、筋肉は骨に付着する前に腱になり、腱鞘というトンネルの中を通っています。 その腱と腱鞘の間に炎症が起こったものを腱鞘炎と言います。 当院にも腱鞘炎でお困りの方が多く来院されます。 腱鞘炎を単なる使い過ぎと考えて鎮痛薬等を服用して、痛いのを我慢して使い続けると、手を使うときは勿論痛く、手を使っていない時でもザクザク痛くて、ついには鎮痛薬も効かなくなり、夜も眠れないほどの激痛に耐えられなくて、手術におよぶケースも珍しくありません。 腱鞘炎が治りにくい理由の一つは、手の使い過ぎ。 痛いのを我慢して、仕事や家事などでどうしても日常的に手を使わなければならない人は、重症化していく傾向にあります。 腱鞘炎には女性ホルモンが関係している!? 腱鞘炎の原因は手の使い過ぎだけではありません。 実は、腱鞘炎は圧倒的に女性に多い疾患なのです。 女性は手が小さく指の力も弱いので、男性に比べて腱鞘炎のリスクが高いことは言うまでもありませんが、実は女性ホルモンが関係していると考えられます。 その証拠に、腱鞘炎は50代以上の女性と20代の出産直後のお母さんに多くみられます。 妊娠・出産・更年期のタイミングで腱鞘炎のリスクが高まる 妊娠・出産の際に多く分泌されるプロゲステロンは、腱鞘を収縮させる作用があるため、育児で手を酷使することにより、腱と腱鞘の間で摩擦がおきて腱鞘が熱をもち、腱鞘炎の発症リスクが高まります。 更年期を迎えると、エストロゲンの分泌が急激に減少します。 エストロゲンには腱や腱鞘の弾力性を保持する働きがあり、このエストロゲンが減少するため、腱鞘炎の発症リスクが高まります。 ですからこの年代の女性は腱と腱鞘の弾力性が落ちていて、手を使い過ぎると簡単に腱鞘炎になり、手を安静にできないでいると、急速に悪化してしまうのです。 しかも一番痛い指を手術しても、次から次へ腱鞘炎になっていき、順番に手術しているうちに、一番初めに手術した指が再び腱鞘炎をおこすケースもあります。 重症化した腱鞘炎を治すのは難しい 産後のお母さんや更年期の女性の重症化した腱鞘炎を治すのは本当に並大抵ではありません。 炎症がおこっている局所に対して鍼灸治療を施し、固定して安静を保ち、炎症を抑える治療をするのは当然ですが、当院ではそういった局所治療とともに、全身の臓腑経絡の気血の巡りを良くして、女性ホルモンのバランスを整えるツボを使って根本的な治療をします。 こうすることでホルモンバランスが整い、本来持っている自然治癒力が最大限に発揮されるので、非常に効果的に腱鞘炎が治っていくのです。 腱鞘炎におすすめのツボ 女性ホルモンを整えて腱鞘炎を効果的に改善させるためのツボを紹介しましょう。 照海(しょうかい) 内くるぶしの親指一本分下にとります。 公孫(こうそん) 足の親指と外くるぶしの中間にあるくぼみにとります。 腱鞘炎がなかなか治らなくてお悩みの方は、毎日これらのツボにお灸をすえると効果的ですので、是非ご家庭でのセルフケアにお役立てください。 筆者プロフィール 梶村英男 梶村鍼灸整骨院院長国際中医師、鍼灸師、柔道整復師、ケアマネージャー、 チャイルドボディーワークセラピスト 高校時代に部活動の軟式テニスで腰痛症になり、整骨院へ通院した経験から治療家を志し、卒業後に行岡柔道整復専門学校へ進学、大阪鍼灸専門学校卒業時に大阪府知事表彰受賞し、平成2年に現在の大阪府藤井寺市に梶村鍼灸整骨院を開設。 25年にわたり地域医療に根ざした治療活動を展開。現在では中医鍼灸治療と極細鍼治療の普及活動を精力的に行っており、業界誌『鍼灸ジャーナル』に「心に残る症例」、『医道の日本』に「5分の置鍼で治った五十肩の症例と仮説」が掲載され論文やコラム多数執筆。2016年度版「腰痛解消!神の手を持つ16人」(現代書林)に、ゴッドハンドとして紹介されている。
筆者プロフィール
梶村英男
梶村鍼灸整骨院院長
国際中医師、鍼灸師、柔道整復師、ケアマネージャー、
チャイルドボディーワークセラピスト
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