みなさんの中には、関節、特に膝や足首などに水がたまって困っている・・・そういったお悩みを持つ方はいらっしゃいますか? 痛みを伴うことも多く、対処に困っている方も多いのではないでしょうか。 今回はこの関節に水が溜まる「関節水腫」について書きたいと思います。 水がたまるとは、関節液が増えること 一般的に「水がたまる」と言われますが、正確には「関節液が増える」と言った方が正しいと思われます。 骨と骨のつなぎ目を関節と呼びますが、これは関節包という膜で包まれ、内部は関節液という液体で満たされています。 関節液は潤滑剤として働きますが、潤滑剤の役割には衝撃を分散させたり、内部を洗浄したり、骨と骨のクリアランスを安定させたり、内部を冷却したりすることが求められます。 車のエンジンオイルと変わりません。 人体を構成する蛋白や脂肪は高温に耐えられません。40℃を超えると蛋白は不可逆性の凝固を始め、脂肪は大げさに言うと融け始めます。 人間は汗をかくことや呼吸をすること、排せつをすることなどで一定以上体温が上がらないようコントロールしていますが、関節など、局所的には潤滑がその役割を担っています。 水が溜まるのは、関節を冷却するため 関節機構上のトラブルや、免疫的機序等によって潤滑作用が落ちた場合、関節内部の温度が上昇します。 分かりやすく言うと摩擦熱が発生するのです。 「これはマズい!」ということで液体成分を関節内に貯留させ、冷却作用を高めます。これが水腫の本態です。 この時の液体はもちろん関節液ですが、通常より粘性が少なく、熱を奪うのに適した性状のものになっています。 関節内圧を減らし、痛みを緩和させるためこの水腫を抜いてしまうドクターもいらっしゃいますが、抜いてもまた同じように水がたまることの方が多いです。 たまる必要があってたまっているのだから当たり前です。そこに水がないと関節が熱破壊(変形)を起こしてしまうのです。 対処法は、徹底的に冷やす 関節水腫への正しい対処はまずは徹底的に冷やすことです。 0℃~4℃の範囲で冷やすのが効果的なことが分かっているので冷却剤には氷が一番適しています。 それも表面がつるつるして融けかかっている氷が最適です。 それだけで水腫がひいてしまうこともありますが、根本的に治すにはやはり、仙腸関節の整復が必要と思います。 蛇足ですが、プロ野球中継などを観ていると投げ終わったピッチャーが肩や肘を氷でアイシングしているシーンを目にすることがあります。これも潤滑を補うという意味では考え方は同じで関節を長持ちさせるには必要なことなのです。 筆者プロフィール 吉川良介 柔道整復師 吉川整体院長 昭和41年2月 東京生まれ 平成11年3月 「梅ヶ丘よしかわ整骨院」開院 平成17年8月 同院閉院 平成17年10月 東急世田谷線上町駅前にて「吉川整体」開院 現在、都内を中心に東北や、関西方面からも訪れて頂く患者さんの施術に忙しい日々 を送っている。
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筆者プロフィール
吉川良介
柔道整復師
吉川整体院長
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