日常生活に大きな弊害をもたらす困った症状に関してはまず病院で診てもらうという方が非常に多いと思います。 病院は検査機関としては優秀です。 何カ所かの病院で意見をもらって原因を特定するのは大事なことだと思います。 しかし、いざ原因がみつかってどうするかといったときに、手術という形をとらざるを得ないのが、西洋医学・特に整形外科の分野の特徴といえるでしょう。 たとえば、下肢静脈瘤であるとか子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、 甲状腺障害、花粉症、仮性近視(最近なりたての近視)、外反母趾 こういったものを、意外なほど効率よく改善できてしまうという技術が古い整体の技術には多く残されています。 もちろん、単なるマッサージ的な整体では時間がかかって仕方がないでしょうが、症状に合わせた特殊な整体法が古くからの民間療法の中にひっそりと伝承されているのです。 特殊な整体法で症状は改善するの?と疑問を持った方もいるでしょう。 今回は、当院で行っている碓井流活法と呼ばれる方法を例にあげて、お話ししていきたいと思います。 下肢静脈瘤の改善法 静脈瘤は、静脈の弁が反対方向にひっくり返ってしまい本来の血流の流れを、せき止めてしまっていることが原因で起こる症状です。 そのためその弁を、もとの方向にひっくり返すための施術を行うことで症状の改善を目指します。 メカニズムは単純で、ポンプ作用によって、故障してしまっている弁の下部に向かって静脈血をどんどんせき止めて、内圧を高めます。 (といっても、体の自発的なメカニズムを利用しているので、血圧が高くなりすぎるのでは?というような大げさなものではありません。) 十分に内圧がたかまったところでせき止めた状態を、ぱっと解放します。 これを適度な回数行うことで(10分もかかりません)まずは、弁の故障を改善します。 さらに、ご自宅に戻られて以降も改善した状態が安定するように、テーピングを行い、皮膚の表面を、目に見えないレベルで浮き上がらせ血管を解放させます。 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、甲状腺障害の改善法 これらは、血流、リンパ液の流れをよくし、人間が本来持っている自己治癒力の働きを高めることで改善を目指します。 気持ちよさではなく、症状の改善を目的としますのでむしろ、痛覚を刺激することで、一層、血流、リンパの流れを改善します。 痛覚が残留することで、体の意識がそちらに向かい、効果がはっきりと表れるという仕組みです。 子宮、卵巣の症状に関しては、腫瘍の大きさが触診ではっきりとわかるほどの状態にまで成長してしまっている場合には、自己治癒力だけでの改善は見込めないこともあります。 その場合は、手術を行うことがベストということもあります。 花粉症の改善法 直接鼻の粘膜にアプローチすることはできませんので顔面の骨格的なゆがみと花粉などの異物によって、過敏に反応しやすくなっている神経の興奮を抑えるというメカニズムで改善していきます。 仮性近視の改善法 眼筋の衰えに対して、効果的にアプローチすることで近視から回復することができます。 施術内容としては、頭蓋骨のゆがみによる左右の不均等を整えるとともに、眼筋を適切にコントロールするための補助付きのトレーニングを行い約3カ月で改善を目指すものです。 ただし、眼鏡を着用している場合はそれを使わずに生活をする決意が必要です。 (生活に支障をきたすようなら、せめて眼鏡の度を弱いものに変えることが必要) 外反母趾 整体で回復できるのは、靭帯や筋肉の緊張による骨格のゆがみだけです。 ですから、外反母趾といっても、「仮骨性」といわれる、骨そのものが太くなって出っ張っていることに対してはアプローチすることができません。 しかし、多くの場合外反母趾の原因は、仮骨性ではなく骨格の歪みが起因しています。その場合は、整体で改善する余地があるのです。 重要なことは、筋肉が、正しい骨格の形状を、キープできるようになること。 そのために、筋力トレーニングは必要ありません。 筋肉に正しい状態を教えてあげれば、脳がそれを認識し、その状態のままでキープできるようになります。 そのため施術としては、筋肉に対してマッサージのようなものを施すのではなく筋肉自身に動き方を教え込むような調整を行います。 と、同時に、指の回旋によるねじれと足裏のアーチ構造(土踏まずなど)を整えることを行います。 まとめ いかがでしたでしょうか? 意外なことで、体にメスを入れない方法が世の中にはあるものなんですね。 整体などの施術を受けて改善するメリットとしては、手術に比べ、恐怖感や不安感がないこと、そして後遺症のようなもの(傷跡の癒着など)の心配がないことがあげられると思います。 今後、体の不調を治す際に、「整体」というものもひとつの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか? 筆者プロフィール 村山 俊介 中真整体院院長 1975年9月17日広島生まれ。 東大在学中に演劇の世界に傾倒し卒業後も芝居を続けるために、塾講師で生計を立てる。 しかし、そのころ慢性的に腰痛が悪化していき、自らの腰痛の悩みを解決するため、治療院を渡り歩いているうちに、自分で学んだほうが早いのでは?と、 整体を学ぶことを志す。縁あって碓井流活法創始者、碓井誠先生のもとにたどり着き、2011年入門。現在も週一回亀有で研鑽を続けている。
筆者プロフィール
村山 俊介
中真整体院院長
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