片頭痛は健康寿命に悪影響を与える 健康寿命とは、心も体も自立していて、健康的に生活ができる期間とされています。 世界保健機関(WHO)では、さまざまな病気の障害生存年数を発表していますが、それによりますと、片頭痛は第19位になっています。 また、女性に限れば第12位です。 障害の重症度の片頭痛のクラス7に分類される また、障害の重症度はクラス1~7の7段階に階層化されています。 クラス6以上の思い病気は以下のようになっています。 ・クラス6:認知症、全盲 ・クラス7:重症うつ病、四肢麻痺、がんの終末期 そして、重症の片頭痛は、なんと、クラス7に分類されています。 このクラスに分類されているのは、世界各国にて健康調査における慢性片頭痛患者さんの「生活の質」が、著しく阻害されていることによるようです。 片頭痛によって生活の質が著しく阻害されている 片頭痛は発作性で、発作がない時には、あまり問題がないとされていましたが、これらの調査により、健康な人に比べて、生活の質が悪く、また、強い心的ストレスを受けていることが分かってきました。 また、片頭痛の発作を起こす回数と生活の質の悪化には、強い相関関係が見られています。 繰り返される頭痛により、抑うつ傾向になりやすく、片頭痛とうつ病がともにある患者さんが多いこともわかってきました。 生活の質は、それぞれの国において文化や生活様式は異なるように、国ごとに違ったものになりますが、日本を含め、各国で同じ結果になっています。 片頭痛は様々な病気と同時に起こる 片頭痛は、それ単独で起こることが少なく、何等かの病気と関連して起こることが多いとされています。 そのパターンには、以下のようなものがあります。 1.偶発的に一緒に存在する 2.一緒に存在する病気が片頭痛を引き起こす 3.片頭痛が一緒に存在する病気を引き起こす 4.共通のリスク因子により片頭痛あるいは共存する病気が起こる 5.ある遺伝的要因と環境要因が脳の状態を興奮させ、これにより片頭痛や共存する病気が起こる 片頭痛と同時に起こる代表的な病気 片頭痛と一緒に存在する病気の代表的なものには、以下のような病気があります。 ・僧房弁逸脱症 ・虚血性心疾患 ・不整脈 ・脳血管障害、特に、虚血性脳血管障害 ・大うつ病 ・双極性障害 ・不安障害 ・てんかん ・下肢静止不能症候群 ・喘息 ・アレルギー性疾患 ・自己免疫疾患 ・メニエール病 ・子宮内膜症 ・胆道疾患 ・腎結石 ・甲状腺疾患 ・線維筋痛症 ・慢性疲労症候群 このように、さまざまな病気が片頭痛と一緒に起こるとされていますが、現在のところ、確実な根拠は見つかっていません。 この点も、片頭痛が複雑でよく分からない病気であるということを示しているといえます。 まとめ いかがでしたでしょうか。 片頭痛が、重症うつ病、四肢麻痺、がんの終末期などと同じ障害の重症度に分類されている事実に驚いた方は多いのではないでしょうか? 著しく生活の質を下げる片頭痛。 悩んでいる人は、生活習慣の改善や専門家への相談などを通して、少しでも改善できるようにしていきましょう。 また、家族や仕事場で片頭痛に悩んでいる人がいたら、その大変さを少しでも理解してあげるといいでしょう。 筆者プロフィール 夘野 裕樹 鍼灸院 天空院長(ポラリス株式会社 代表)資格:鍼灸師 所属学会:全日本鍼灸学会(認定鍼灸師)/日本線維筋痛症学会 鍼灸師になり30年以上が経ちました。 20代で一度、開業しましたが、阪神淡路大震災で閉院しました。 その後、整形外科や整骨院に勤務していました。 あなたが思っている以上に鍼灸はいろいろな病気に効果があります。 この鍼灸の良さをもっと広く社会に知ってもらいたいと思い、改めて、鍼灸専門の治療院を開業しました。 毎日、鍼灸治療と後進の育成に励んでいます。
筆者プロフィール
夘野 裕樹
鍼灸院 天空院長(ポラリス株式会社 代表)
資格:鍼灸師
所属学会:全日本鍼灸学会(認定鍼灸師)/日本線維筋痛症学会
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