目が覚めて朝起きた時から、目を閉じて寝るまで、目はずっと働いています。五感と言われる感覚の中でも、目に入って来る視覚からの情報が圧倒的に多いと言われています。 その目の使い方は、1点を見つめる「集中視野」と、ぼんやりと辺りを見渡す「周辺視野」の2種類の視野があると言われています。 この2つの視野、どちらを使うかで、歩き方や表情、心にまで変化をもたらすことをご存知でしょうか? 今回はこの2つの視野についてお話ししたいと思います。 集中視野・周辺視野 2つの違い 1点を見つめる「集中視野」 視野の使い方は、頭の状態とリンクしています。何か情報を得ようとしている時、つまり頭の中が「What(あれ何?)」になっている時、視野は集中視野になります。テレビを観たり、本を読んだり、忙しい現代社会ですと朝起きてすぐに情報があちらこちらからやって来て、1日中、何か情報を得ている状態になっています。 それは、視野が1点に集まり、集中視野になる傾向があります。 ぼんやりと辺りを見渡す「周辺視野」 それに対して、音に意識を向けたり、広い景色を見たり、空間の気配や感触に意識を向けている時、頭の中は「How(どんな?)」になり、それに伴って視野は周辺視野になります。 視野は心と身体に影響する 2つの視野は、心と体に影響しています。集中視野になっていると、心は活性し、体は良くも悪くも緊張します。寝る前に本など活字を読むと眠れなくなってしまうのは、集中視野になり、心が活性してしまうからです。 現代社会は、集中視野になる環境が多いので、それは常々心を活性させ、体を緊張させてしまうことになります。それに対して、周辺視野になると、心はリラックスし、体はゆるまります。仕事や勉強に集中していて、ふと一息つこうとするとき、天井を見上げたり、辺りをぼんやりと見渡したりするかと思います。そうすることで、視野の使い方が周辺視野になり、心がリラックスし、身体が緩まります。 視野は歩き方にも影響が! 視野は歩きや顔の表情にも影響すると言われています。身体の感覚や変化に敏感の方は実際に試してみてください。 集中視野のまま歩くのと、周辺視野のまま歩くのを比較します。 集中視野で歩くと目が強く働いているので、上半身が先行して歩き、少し跳ねる様な歩きになります。 それに比べて、周辺視野で歩くと、下半身の骨盤やお腹の辺りが先行して歩き、足音が立たず、ずっしりとした歩きになります。 表情も視野で変わる もし前に鏡があるなら、歩いている時に顔の表情もチェックしてみてください。(集中視野になってしまいますが・・・)。よく見ると、集中視野で歩いている時は、少し顔がシュッとします。それに対して、周辺視野で歩いている時は、顔の表情がフワッと柔らかく感じます。 さいごに いかがでしょうか。 今回お話しさせていただきました通り、目の使い方1つで、心と体に影響し、歩き方や顔の表情まで変化します。 現代社会で生活していると、集中視野になってばかりで、周辺視野になる機会が少ないです。視野の働きが2種類あることを知って、ふとした時に周辺視野にしてもらうだけでも、心と身体が緩まって、体に優しい時間を作ることができます。 意識してやってみてください。 筋膜ボディセラピー著者:大久保圭祐 出版社:三栄書房 筆者プロフィール 大久保圭祐 全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト 米国Rolf InstituteR卒業し、世界三大ボディワークのロルフィングRを修得する。トレーニングやエクササイズ、ランニング等の運動処方、ストレッチングや筋膜リリース等の手技を使って、クライアントの要望に応える。各種メディアにてボディメークの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活躍中。
筆者プロフィール
大久保圭祐
全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
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