こんにちは。豊橋市の伝馬町鍼灸院 院長の川添です。 街路樹や公園にある木の葉っぱが赤色や黄色に染まり、私たちの目を楽しませてくれる時期になりましたね。 紅葉は、日中の天気が良い事、日中と夜の気温の差が大きい事、空気中に適度な湿度がある事などの条件が揃うことで起きる現象ですが、これからの季節、冷え性の方にとって手足の冷え感が一段と感じやすい時期となりますね。 気温が低くなると、私たちの体は、一般的に深部体温を維持するために、皮膚からの熱の放出を減らし内臓の機能を守ることを優先します。そのために手足の末端は冷えやすくなります。 特に足の末端は、筋肉が少ない事、心臓から最も遠い所にあること、血管が細いこと、地面と接地して地面からの冷気の影響を受けるため、末端が冷える冷え性の方にとってつらいシーズンを迎えることになり、気分も憂うつになりますよね。 そこで今回は、足の末端冷え性でお悩みの方におすすめする3つの対策を、「熱」を「作り出す」、「体の外側から補う」、「逃がさない」観点からお伝えします。 1.熱を作り出す=前後のスワイショウ 中国の気功体操の一つであるスワイショウによる筋肉の熱産生が効果的です。特に足の末端冷え症の方には、腕を前後に振るスワイショウがおすすめです。 冷え性改善におすすめ!スワイショウ ①脚を肩幅ぐらいに広げ、肩の力を抜いて両腕を胴体の横に添え、目は正面を向き、体の中心線を意識して立ちます。 ②両腕を体の前に肩の高さまで平行に持ち上げると同時に重心を踵へ移動させます。 ③両腕を自然に落下させるように降ろしながらその勢いで自然に体の後ろへと振り上げます。その間に重心をつま先に移動させます。 ④2と3の動作をただ繰り返します。 つま先と踵への重心の移動をリズムよく行うことで足の指の筋肉を収縮、弛緩させ、熱の産生を促すだけではなく、ふくらはぎや腿の筋肉などの抗重力筋も刺激されて効率よく熱の産生が行われることにより、体全体が温まります。 2.熱を体の外側から補う=お灸 お灸は、熱を体の外側から補うためには、最適な方法の一つです。足の末端冷え症に効果的なツボは「気端(きたん)」です。 気端は、それぞれの足の指の先端にあります。 東洋医学では足の指は、各経絡の終始点であり気血の巡りに影響を与える重要なツボがあり、また足先の刺激は自律神経を整えることができます。足の先端から熱を直接補うことで末端の冷えを解消することができます。 台座のついたお灸は薬局でも、インターネットでも購入することができますので一度試してみて下さい。 3.熱を逃がさない=靴下の重ね履き 東洋思想の陰陽観から地面は陰、天空は陽とします。冷は陰、熱は陽とすると、地面は熱を奪い、冷やす働きがありますので、地面と接地する足の末端は熱を奪われやすい体の部分です。 足の末端から熱を奪われないようにするには、靴下の重ね履きが有効です。足の皮膚に直接触れる靴下は、絹でできた5本指の靴下にします。その上に綿の靴下を重ね履きします。あまり何枚も重ね履きしますと足を締め付けることで血流が悪くなったり、汗が出やすくなりその汗で冷える事になりますので注意が必要です。 天然の素材の靴下は保温性にすぐれていますが、タイツなどの化繊は、体の熱の巡りを妨げてしまいますので、靴下は天然の素材のものを選びましょう。 さいごに さて、いかかでしたでしょうか?足の末端は、筋肉が少ない事、心臓から最も遠い所にあること、血管が細いこと、地面と接地して地面からの冷気の影響を受けるため、末端冷え症の方にとってこれからのシーズンはつらい時期になります。 スワイショウで足指を刺激しながら熱を作り出し、気端にお灸をすることで熱を補い、靴下の重ね履きで熱を逃がさないようにすることで、これからの寒いシーズンを乗り越えてゆきましょう。 筆者プロフィール 川添 登 伝馬町鍼灸院院長はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師 平成5年に国家資格を取得して以来、臨床歴22年以上。「冷え」を体調不良の根本的な原因として捉え、鍼灸でツボを刺激して、体を温め、自律神経のバランスが回復する施術を行っています。一人治療院として、個々の患者さんに丁寧な施術、安心感を持っていただけるよう心がけています。当院では、施術を受けていただくだけではなく、自宅でできるお灸や呼吸法、自律訓練法、運動法などのセルフケアも指導しています。
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筆者プロフィール
川添 登
伝馬町鍼灸院院長
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師
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