この時期に悩まされる代表的な症状の1つ「冷え性」。 特に女性は、手足などの身体の末端部で感じることが多いです。 そんな冷え性を改善したり、軽減したりする方法がいくつかあります。 冷え性の原因を解説しながら、対策をご紹介したいと思います。 体温は筋肉で生み出される 人間のすべての運動は、筋肉が生み出しています。 それは、歩いたり跳んだりといった運動だけではありません。 呼吸も消化も循環も、全て筋肉が生み出しています。 筋肉というと、力こぶや腹筋、脚の筋肉などを思い浮かべると思いますが、呼吸や消化、循環などの働きをする心臓、肺、胃などこれらも全て筋肉で構成されています。 その筋肉ではエネルギーを使って運動を生み出しています。 エネルギーから運動に変えられていく過程で、副産物として熱が生まれます。 この熱が、体から生まれる熱、つまり「体温」となります。 例として、寒い場所に行くと身体が自然と震えてきます。 これは、筋肉を小刻みに動かして、震えさせることによって筋肉を働かせ、熱を生み出そうとしているのです。 冷え性が女性に多いのは筋肉量が少ないから 筋肉の量が少なければ熱は生み出しにくく、筋肉が使われていなければ熱は生まれて来ません。 冷え性を訴えるのが女性に多いのは、筋肉の絶対量が女性に比べ男性の方が多いからです。 男性の中でも、筋肉がしっかりした男性を思い浮かべると、寒い時期でも比較的涼しい恰好していることが多いです。 筋肉量が多いと、生み出す熱量が多いため、涼しい格好でも身体が温かいのです。 また、末端の部分で冷えが起こる理由の1つとして、手先や足先は、数多くの細くて小さな筋肉で構成されています。 そのため、全ての筋肉を使用できていなかったり、筋肉が働いていても、熱を産み出す量が少なかったりします。 つまり、筋肉のコンディションが冷えに大きく影響します。 冷え性対策1.足先を使う筋トレを行う 筋肉の量を増やしたり、使えていない筋肉を使ってあげたりすることが、冷えの改善になります。 一般的に言われている筋トレ、中でも「普段使われていない部位の筋肉」を使ってあげることが大切です。 特に足先は、普段靴や靴下などを履いているため、細かい筋肉まで使えてなく、眠っている筋肉が非常に多いです。 そのため、足先を使う動作を伴った筋トレがおススメです。 足底が地面に着いたまま行う筋トレのスクワットや、立ったままバランスを取る片脚立ちを伴った運動です。 冷え性対策2.脚の付け根などをマッサージする 熱を生み出す筋肉を動かす時には、エネルギーを運搬する血液循環も大切です。 特に足先や手先は、血液の流れの発端となっている心臓から遠い場所にあります。 そのため、筋肉が熱を産み出す時に使うエネルギーを運ぶ血液が届きにくい場所です。 血液の流れが滞りやすい、鼠蹊部(そけいぶ)と呼ばれる脚の付け根や、脇の下の緊張や硬さを、ストレッチやマッサージなどでほぐしてあげることも大切です。 自分に合った筋トレで、冷え性改善を目指しましょう 冷え性改善には、全身の血液の流れをよくして、使っていない筋肉を動かしてあげたり、熱を生み出す筋肉量を増やすための筋トレを行ってあげたりすることが大切です。 普段使えていない筋肉をしっかりと把握したり、ご自分の身体のコンディションに合った、冷え性対策の筋トレをちゃんと知りたい場合は、お近くの専門家の方々のサポートを受けながら、ぜひ取り組んでみてください。 筋膜ボディセラピー著者:大久保圭祐 出版社:三栄書房 筆者プロフィール 大久保圭祐 全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト 米国Rolf InstituteR卒業し、世界三大ボディワークのロルフィングRを修得する。トレーニングやエクササイズ、ランニング等の運動処方、ストレッチングや筋膜リリース等の手技を使って、クライアントの要望に応える。各種メディアにてボディメークの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活躍中。
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筆者プロフィール
大久保圭祐
全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
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