世の中に溢れる商品は、大量生産により、その価格も安くなり、私たちはその恩恵を受けています。しかしその反面、見かけや利便性を重視して、本来のものとはかけ離れた商品が製造されていることをご存知ですか? 実はそのように見かけや利便性を重視した商品が私たちの身近にあふれていることと、「生活習慣病」が増加していることは、少なからず関係があります。 生活で使うものを全て自然なものに変えていくことは難しいですが、まずは毎日使うもの、特に「身体に入れるもの」にスポットを当ててみましょう。 どんな料理を作るのにも「調味料」は使うはずですので、今回は調味料の「さしすせそ」に話を絞り、お話ししていこうと思います。 まずは身近でよく使用するものから、自然なもの・良質なものに変えてみてはいかがですか? 調味料「さしすせそ」を見直そう! 「さ」砂糖 現代は「糖質の摂り過ぎと」言われています。 朝昼晩、ご飯やパンやラーメンやパスタを食べているのに、さらにスイーツやフルーツ、ジュースまで飲む…。 特に白い精製糖は、体にとっては害以外の何物でもありません。 精製糖は、私達消費者がよく利用する上白糖やグラニュー糖など、原料となる砂糖を加工したものをいいます。 脳に非常に強い幸福感(多幸感)を与え、依存性が出ます。幸せに感じる一方で、身体には悪影響が出ています。 余分な糖分は、活性酸素が普段より多く精製される原因になります。 この余分な糖分は、体の中で古いたんぱく質とくっつくことで「AGE」という物質を生成します。 このAGEは肌のシミ・シワや老化の原因にもなっており、血管に蓄積すると動脈硬化などの弊害が出てきます。 砂糖を使いたいようであれば、せめて良質な「黒砂糖」や「三温糖」を使用しましょう。 糖質を多く含む白米や白い小麦も、雑穀米や全粒粉に替えてみましょう。 「し」塩 昭和46年に「イオン交換膜製塩」ができてから爆発的に精製塩が製造されはじめました。 これはもはや塩ではなく、塩化ナトリウムというしょっぱい粉です。 通常自然塩では、カリウムやマグネシウムなどという、大事なミネラル分を補給できます。 しかし、精製塩ではこれらのミネラル分が失われ、血圧を狂わしてしまったのです。 日本人は元々高血圧傾向なので、海に囲まれた国土を生かし良質な塩を摂取して、血圧を自然にコントロールしてきました。 製塩法の変化により、塩を摂れば摂るほど血圧に身体に悪い、という図式ができてしまったのです。 塩は自然塩、綺麗な海水を使用した天日干し製法の塩を使いましょう。 もちろん、それでも過度に摂り過ぎてはいけません。 「す」酢 酢の原料は様々ですが、よく見かけるのは米酢や黒酢、りんご酢、バルサミコ酢などでしょう。 穀物や果実などの糖分を含んだものからお酒を作り、酢酸菌を加え発酵させていきます。 発酵させるので、熟成期間が必要な調味料になります。 米酢で言えば、1リットル当たり40グラム以上のお米を使用すること、と定義されています。 なので、安価なものではそれ以外のものが入っている可能性が高いです。 また、お酒を作る過程が長いので、醸造アルコールで代用する場合も多いです。 アルコールを入れてチャチャッと酢酸発酵させよう、という感じです。 ですから、自分が選んだお酢の原料以外のもが入っていないものを選びましょう。 (米酢であれば、米以外のコーンやサトウキビなどが入っていないもの) 「せ」醤油 日本人には欠かせない醤油。まずは醤油の裏面のラベルをチェック。 醤油の原料は、大豆・小麦・塩だけです。それ以外は添加物ということです。 醤油は普通、熟成させるために1年以上の期間が完成までにかかります。 大手企業ではこの期間を短縮するために、添加物を入れていきます。悪く言えば醤油もどきです。 自信を持って販売している所では、原料の産地や塩の種類も書いてあります。 しっかりチェックして、自分好みの本物の醤油を探し出してみてください。 「そ」味噌 これも日本人には欠かせません。 味噌の原料は大豆と塩です。麹に麦か米か豆を使うかで、種類が違ってきます。それ以外は添加物です。 昔は各家庭で作っており、それぞれの家庭の味が楽しめ「手前味噌」という言葉も生まれました。 醤油同様、原料をチェックして、しっかり熟成された味噌を使ってみましょう。 発酵食品は万能薬。毎日摂り入れるのが理想的 以上、料理の「さしすせそ」をもとに、身体にいい商品を選ぶヒントを書いてきました。 特に味噌は、アメリカも驚く万能食品として認知されています。 お味噌汁や野菜スティックにつけたりして、毎日摂ることを心がけてください。 お鍋にして沸騰すると、大事な菌が死んでしまいますので調理の際は気を付けましょう! 調味料は毎日使いますが、大量に使うものではありません。 良質なものを選んで食卓に加えてあげましょう。 最後に いかがでしたでしょうか? 日本の調味料は発酵するものが多く、先人たちの腸を整え、免疫を上げてきました。 しかし近年、製造過程が工業化することで余計なものが入り、菌は殺菌され、味だけがするものになってしまい、その分我々の免疫力が下がってしまいました。 世の中が便利になればなるほど、健康が失われていくことも事実です。 着るものの繊維、それを洗う洗剤・・・。 偽物の調味料、品種改良され続ける果物や穀物、農薬だらけの土壌と野菜・・・。 通気性のない家、オール電化での電磁波、エアコン使用での冷え性増加・・・。 現代医学の祖、ヒポクラテスの言葉です。 「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく 」 外食ばかりの方は、体調管理に十分気を付けてください。 無理なく、出来る範囲のことから始めてみましょう。 筆者プロフィール 矢崎 宏典 リラクゼーションマッサージ鍼灸整体院『ビヤンネートル』オーナー院長鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)、カイロプラクター K-cloud japan 事務局長、食養生コーディネーター 中央大学法学部卒業後、一般企業に就職し治療業界に転身。33歳まで社会人リーグでアメフトをプレイ。 治療のみならず、東洋医学の神髄でもある「養生」に着眼し、食生活を踏まえた『マスコミに騙されないホントの健康な身体作り』を指導。自らも、乳酸菌を自作し味噌や納豆作りをする発酵生活実践者。
1964
筆者プロフィール
矢崎 宏典
リラクゼーションマッサージ鍼灸整体院『ビヤンネートル』オーナー院長
鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)、カイロプラクター
K-cloud japan 事務局長、食養生コーディネーター
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