肩が凝ったなあ・・・ そんな時、あなたはどうしますか? こうなると多くの人が、肩揉みをするか、してもらうかだと思います。 このように、肩こりは肩を揉めば良くなる、と思っている方が多いのではないでしょうか 。 しかし、肩揉みは一時の改善策であり、その状況を維持するのはなかなか難しいですよね。 しかも、それだけで改善されないことがほとんどではありませんか? そう、それもそのはず。 実は、肩こりの原因は身体の他の部分にも潜んでいるのです。 では、どうしたら肩こりが改善されるの? とお悩みの方のために、今回は、肩こりの原因とその対策をご紹介したいと思います。 ぜひ、今後のご参考にしてください。 肩こりを引き起こす原因は筋肉の硬化? まず、どんな時に肩こりを感じるのかを思い浮かべてみてください。 デスクワーク、携帯を操作している時、緊張を強いられている場面・・・ どちらかというとじっとしている時のほうが感じやすく、肩を使っているから違和感が生じているわけではないですよね。 むしろ、何か動いている時は痛みを忘れていることの方が多いのではないでしょうか。 例えば、歩くという動作をしている場合。 腕を振る動作をしている割に、肩への痛みはあまり感じることはありませんよね。 このように、身体が活動をしている時は肩こりは感じづらいかと思います。 以上の点に着目すると、このような原因が見えてくるのではないでしょうか。 肩こりの原因は、血流不足などからくる筋肉の硬化なのではないか、と。 手や手首の使い過ぎが肩こりを招くことも それだけではなく、筋肉が一定の同じ動作を繰り返し続けることで、不調をきたしている可能性も考えられます。 パソコンを例に挙げると、指は同じような繰り返し動作、手首はやや上に屈曲した状態で固定されてしまいます。 そもそも人間の手首は、そのような動作をよくすると想定されて作られていません。 むしろ、物をつかんで口に運ぶなどの動作で屈筋群(指を曲げる・手首を曲げるなど)を優位に使うようにできています。 よって、パソコンによる手の使い過ぎや手首の固定は、当然ながら身体を酷使している状態となるでしょう。 しかも、近年はパソコンなどの電子媒体が急速に普及した為、デスクワークをする方も多くなりました。 そのように考えると、肩こりの原因の一つは、手や手首の使い過ぎ若しくは固定状態での勤続疲労と考えられます。 では、どうしたら手や手首の疲れを改善できるのでしょうか。 次の項目では、その改善方法をご紹介します。 肩こり改善法その1:手の緊張をとる 筋肉はメインとなる筋肉が収縮、反対側の筋肉が伸長をして活動を行っています。 筋肉は伸びても縮んでも、緊張をしてしまうものなのです。 そこで、オススメしたい方法が「ストレッチや筋肉アプローチ」 ストレッチや筋肉アプローチは、縮んだ筋肉に対して伸ばすことでその緊張を和らげる方法です。 1.指1本1本を動かしてもみほぐす 指1本1本をゆっくり大きく反らせる。 これだけでも、指の屈筋群の効果と指の関節の可動域を広げる効果にもなります。 また、筋肉の緊張は血流不足からも引き起こってしまいます。 特に末端にある毛細血管は血液の促進がされにくく、それに伴い全体の血流の悪化にも繋がりかねません。 そうならないためにも、指と指の間の付け根や、根元から指先にかけてをよくもみほぐすことが大切です。 もみほぐす際には、指全体をやさしく包み込むようにして行うのがポイント。 実は、筋肉は身体の中央方向に向けて縮む性質があります。 その逆の遠位方向(体の末端方向)に向けて刺激を送ることにより、筋肉の緊張を和らげることができるのです。 さて次の項目では、手首から腕にかけてのアプローチの方法をご紹介します。 2.腕から指先方向に向けてマッサージ 指や手首を曲げたり伸ばしたりする動きは、肘付近から前腕にある筋肉が担っています。 ということは手の緊張を解くには、前腕(肘より先の腕の筋肉)をマッサージしていくことも有効になってきます。 前腕には二本の骨があり、その周りを筋肉が覆っています。 1本は、小指側の骨(尺骨)。もう1本が親指側の骨(とう骨)。この2本が並列しています。 前腕は、その尺骨を軸に、とう骨が回転の運動をするようことによって機能をなしています。 その2本の骨沿いの硬くなっている部分を少し強めにもみほぐしてみてください。 その後全体をやさしく指先方向にマッサージすると、楽になりますよ。 また、手首と前腕を繋ぐ関節の動きが悪くなると、肩への負担も大きくなってしまいます。 ストレッチで伸ばしたり、定期的に手首を動かして、可動域の減少を防いであげましょう。 次の項目では、慢性的な肩こりを改善する方法をご紹介します。 肩こり改善法その2:深部の筋肉を刺激する 長い時間をかけてつくられた痛みや違和感はその部分だけでなく、広範囲かつ深部の筋肉にまで影響を及ぼします。 そうなってしまうと、表面からのマッサージだけでは筋肉へ刺激が到達しません。 そこで、その部分に影響を与える方法を2つご紹介します。 1.首が凝っているときのアプローチ 20~30秒ほど、ゆっくり時間をかけて行うストレッチがオススメ。 奥の筋肉まで伸びていることを感じながら伸ばしていくといいでしょう。 例えば、首がこっている場合。 僧帽筋(肩の上の筋肉)をつまんで上に持ち上げて首を回すと楽に感じることがあります。 そうしたらその状態で2~3回首を回すと、やる前よりも軽くなっているはずです。 これは関節の性質を利用した深部にある筋肉へのストレッチ法。 関節は、楽な動きを認識し、深部にある筋肉をその状態にしようとする性質を元から持っています。 もともと身体は良い方向を知っているわけでその気づきを与えるようなものになります。 腕を動かすとき、肩甲骨・鎖骨が連動して滑らかな大きな動きができるようになっています。 この部分の可動が少ないと使われる筋肉が少なく、ある筋肉ばかり使って、ある筋肉はほとんど使わないという二極化を生み、不調をつくる原因となってしまいます。 少し痛いですが、鎖骨の下をマッサージしたり、鎖骨を軽くつかんで腕を回すのもこれらを動かす運動になります。 また、肩甲骨の動きをつくる方法は当院のホームページでもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。 2.脇から肋間(ろっかん)への硬直を緩和するアプローチ 肩こりや肩の痛みなどを抱えている方のほとんどが、脇から肋間(ろっかん)への硬直が見られます。 「猫背」の方は肋間が硬直するだけではなく、胸郭の体積が小さくなって自発呼吸を浅くしてしまう恐れがあります。 そんな肋間のこりに対するアプローチもありますので、ご紹介します。 腕を下にリラックスして落として、反対側の手で行うアプローチです。 脇腹の筋肉を下にひくようにもみほぐしたり、肋間を下にさするようにしてほぐしたりしてみましょう。 反対側の手でひじを支えて上に挙げ、肋間を伸ばすアプローチを行うのも有効です。 その後、大きく腕を回してたくさんの筋肉を動かしてみてください。 痛い部分だけにフォーカスしない 腰痛や膝痛など全てにおいて言えることですが、長く患っているものはその部分だけをしつこく調整していっても改善が見られないことが多々あります。 それは、身体のいろいろな部分の不完全が、動きや筋肉の収集不良などの“代償として”その部分に痛みや違和感が出ていることが多いからです。 当院では、特別な場合を除き、痛みが出ている部分の調整は一番後回しにする調整方法で結果が出ています。 今までご紹介したとおり、肩ではなく、肩に関するいろいろな部分の不具合の総合的な結果として肩に現れているからです。 特に肩こりの場合は、関節の可動域を確保し、積極的に動かしていくことで快方に向かう場合が多いです。 もちろん、同じ姿勢でずっといないことなども予防策として有用な要因になりますが、デスクワークの方などは一時間くらいを目安に立ち上がって屈伸をしたり肩を回したりするだけでも様子が違ってくると思います。 まとめ さて、いかがでしたでしょうか。 今回は、肩こりの原因とその対策をご紹介しました。 痛みや違和感は、身体が「今よくない状態だから何とかして」と訴えているもの。 いたわってあげて、何かアプローチをしていくことが大切であると思います。 筆者プロフィール 堀野 明宏 あき整体院 院長 日本古来の古武術から生まれた療法を中心に、筋膜の連携を重視した筋肉調整で 身体を調整していく療術です。 整形外科で異常なしと言われても、痛みや不具合が残っているような症状は 筋肉由来のものであることが多いです。 異常な部分を視診や動診、筋肉の触診によって診断し、優しく筋肉にアプローチをして改善を促していきます。 また、改善後も再発防止のために身体に合ったストレッチやセルフケア方法を お伝えし、より短時間、少ない回数のご来院で改善ができるよう努めております。 部活動で忙しい学生さんにも、多くご来院いただいております。 特にスポーツをしていて、痛みがあっても中々休めない環境にいる「がんばる子」が 多くいらっしゃいます。 基本的にはやりながらなおしていく方法を選択していきます。 また、柔軟性や脱力、身体の使い方を身につけて、パフォーマンスアップに 繋げていくこともできます。
筆者プロフィール
堀野 明宏
あき整体院 院長
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