三大栄養素とは、糖質・脂質・タンパク質ですが、脂質と糖質は過剰な摂取で太るというのは定説となっています。 では、タンパク質はどうでしょうか? ・肉類 ・魚介類 ・卵類 ・大豆製品 ・乳製品など タンパク質含有量が多い食品類としては食べ過ぎでも太らないというのは本当なのでしょうか? 今日はこの疑問について、タンパク質と体脂肪の関係性を解説しながらお答えしていきます。 その1、摂取しすぎたらタンパク質も糖質同様に体脂肪に変わってしまうの?? タンパク質と糖質の違いとは何でしょうか?それは、食後の血糖値の上昇の違いが大きく作用します。糖質を摂取すれば血糖値が上昇しますが、タンパク質の摂取では血糖値の上昇は起こりにくいという事です。 最新の研究では、食事の摂取により、血糖値を上昇させるのは糖質のみという事が明らかになりました。そして、血糖値の上昇に伴うインスリンの分泌によって「太る」という影響を受けます。 ただし、健常者の場合での話となります。 それでは、次にインスリンの役割について解説します。 「インスリンの役割」 インスリンは膵臓から分泌されるホルモンの一種です。インスリンは、血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギー源として利用します。そして、血糖を肝臓や筋肉に運んでエネルギー源(グリコーゲン)として貯蔵します。 ただし、肝臓や筋肉にストックできる血糖の量は1500キロカロリー程度と言われています。この量を超えて過剰となった血糖は中性脂肪に作り変えられるので、それが体脂肪となって太る訳です。 一方、タンパク質の摂取で血糖値は上昇しないので、インスリンの分泌は起こらないという事になります。ところが、タンパク質の摂取によってもインスリンの分泌が高まるという見解もあります。ただし、血糖値を上げないタンパク質の摂取が、直接的にインスリンの分泌を引き起こしている訳ではありません。 今、流行りの糖質制限では、糖質の摂取を減らすほどにタンパク質の摂取量が増加します。それでは高血糖は起こりにくいのですが、逆に低血糖になってしまう恐れがあります。血糖値は上がり過ぎても下がり過ぎても身体に影響がでてしまいます。 そこで、低血糖の状態になるとグルカゴンと呼ばれるホルモンが分泌され、血糖値の上昇が起こるのです。 すると、当然の事ながらインスリンが分泌される事になります。グルカゴンとインスリンは真逆の働きをしながら血糖値を一定に保っているのです。 しかし、低血糖を回避する為に生成された血糖が、脂肪に変わって身体に溜まるとは考えにくいと言えます。 これらからも、たんぱく質は食べ過ぎても糖質のようには太らない栄養素という事になります。 その2、摂取し過ぎたタンパク質は脂肪になって太る? タンパク質は消化されるとアミノ酸に分解され、筋肉や皮膚などの材料となり、筋肉のエネルギーとしても利用されます。 さらに、余剰となったアミノ酸は体外に排出されやすい上に、アミノ酸そのものは簡単に脂肪に変わる訳ではありません。 その3 タンパク質は食事誘発性熱産生が高いので太らない? 食べ物を摂取すると消化吸収作用が起こり、その際に内臓器官はエネルギーが必要となります。食事をするということは、同時にカロリーを使用するわけです。 これを食事誘発性熱産生と言い、その割合はタンパク質が約30%、糖質が約6%、脂質は約4%あると言われています。例えば赤身のステーキを200キロカロリー摂取したとすれば、その30%に当たる60キロカロリーが消費されるという事です。 これに対し、糖質や脂質というのは、消化吸収に伴う消費カロリーが非常に低いという事が分かります。 まとめ いかがでしたでしょうか。 ここまでのところをまとめるとこのようになります。 (1)同じカロリーを摂取しても、栄養素の種類で太る、太らないの程度が変わってきます。 (2)タンパク質の余剰分は、糖質や脂質のようにそのまま体脂肪に変わる訳ではありません。 (3)タンパク質は身体にストックされにくので、過剰分が体外に排出されやすい傾向にあります。 残念ながら、いまだ解明されていない点もありますので、今回の内容は一つの見解として参考にして頂ければと思います。 筆者プロフィール 市之瀬 法彦 株式会社いちのグループ代表 全国規模の有名整骨院で部長職、千葉県有数の整骨院グループで院長に赴任するも、理想の治療院を作る為に、東京の激戦区である板橋に「いちの整骨院・整体院」を10年前に開院。 当院卒業生で開業したスタッフ多数。「楽になったよ。ありがとう」の声を聞きたくて日々奮闘中!!
6858
筆者プロフィール
市之瀬 法彦
株式会社いちのグループ代表
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします