・しっかり寝たのに疲れが取れない ・身体がだるい ・目がいつも痛い ・頭痛がする ・病院で診てもらったけど、はっきりと病名が分からなかった そのつらさ、もしかしたらVDT症候群かも知れません。 今回は、そんな『VDT症候群』についてお話ししようと思います。 VDT症候群ってなに? VDTとは、『Visual Display Terminal』の略で、パソコンやスマートフォンのディスプレイなどの表示機器の総称です。 また、VDT症候群(テクノストレス症候群)とは、VDTを長時間使用する作業を行うことによって、心身にさまざまな不調をきたす健康障害のことをいいます。 症状として、以下のような不調が現れます。 ・身体的症状:首、肩の痛みやこり感・頭痛・腰痛・身体のだるさなど ・目の症状:眼精疲労・ドライアイ・目の痛み・視力低下など ・精神的な症状:イライラ・不安・不眠・うつ症状など VDT症候群がもたらす不調とは ちょっと古いデータですが、厚生労働省では「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を2002年に策定しています。 厚労省のデータを抜粋しますと、全国で事務、販売などに従事する約16,000人を対象に行った2009年の調査では、「VDT作業でストレスを感じる」と答えた人の割合は全体の34.6%、「VDT作業で身体的な疲労や症状がある」と答えた人は68.6%にものぼっています。 これを症状の内容別にみると、 「目の疲れ・痛み」(90.8%) 「首、肩のこり・痛み」(74.8%) 「腰の疲れ・痛み」(26.9%) 「頭痛」(23.3%) 「背中の疲れ・痛み」(22.9%) と続きます。 また、労働1日当たりの平均VDT作業時間との関連性についても、「身体的な疲労や症状を感じている」と答えた人の割合は「4時間以上6時間未満」が81.7%、「6時間以上」が84.9%と8割を超えており、1日あたりのVDT作業時間が長くなるほど、身体的な不調を感じている人の割合が高いことがわかりました。 VDTテクノストレス度チェック とはいえ現代社会では、パソコンやスマホでの作業をやめることは不可能に近いといえます。 しかし、「しょうがないから」と放置することも危険です。 以下に、チャックリストと悪化予防法を記載するので、ぜひお試しください。 VDTテクノストレス度チェック ■パソコン環境チェック □ パソコンの利用時間が1時間を超える □ パソコン画面に直射日光や照明が映りこんでいる □ パソコン作業の時、室内の明るさと手元の明るさに差がある □ パソコンの作業スペースにゆとりがない □ 不自然な姿勢でパソコンを利用している □ いくつもの作業を同時に取り扱うことがある ■VDT症状チェック □ 目:疲れる・ぼやける・乾く・充血する □ 頭:重い・頭痛がある □ 胃腸:食欲がない・調子が悪い □ 肩、首、背中:重い・痛い □ 腰・足:だるい・冷たい □ その他:翌朝まで疲れがとれない・熟睡感がない・意欲がわかない等 合計7点以上は要注意! 症状がひどくなったり、長期に続くようでしたら、症状に応じて、専門の科を受診していただくことをオススメします。 (参照 株式会社ドクタートラスト 産業保健部) VDT症候群の予防方法 VDT症候群は、きちんと対処をすれば予防することができます。 以下の点を日常生活に取り入れ、しっかり予防していきましょう! 適度な休憩 作業時は目と画面の距離を50〜80センチ程度離し、1時間に1回は画面から離れるようにして休息時間を取ってください。 デイスプレイの光量を抑え、ディスプレイ画面の上側(端)の水平線より下の位置に目線が来るよう(画面を見下ろす感じに)調整しましょう。 体操 長時間作業を続けるときは、軽い運動で身体をほぐしたり、遠くの景色を眺めたりして、気分転換を図りましょう。 眼鏡 眼鏡やコンタクトが合っていないと疲れ目になりやすいため、使用年数がたっている場合は、一度眼科で診てもらいましょう。 ドライアイ 過度なVDT作業で悪化する危険性がありますので注意しましょう。 冷房や暖房が効きすぎた場所ではドライアイになりやすいため、空調の風が直接当たらないようにし、室内の乾燥に注意しましょう。 早期発見 異常を感じたら、早めに受診しましょう。 さいごに いかがでしたでしょうか? VDT症候群は、自覚しにくい症状なため放置している方がほとんどなのではないでしょうか。 悪化しないためにも、今回お伝えした点を少しでも実践して頂けたらと思います。 筆者プロフィール 市之瀬 法彦 株式会社いちのグループ代表 全国規模の有名整骨院で部長職、千葉県有数の整骨院グループで院長に赴任するも、理想の治療院を作る為に、東京の激戦区である板橋に「いちの整骨院・整体院」を10年前に開院。 当院卒業生で開業したスタッフ多数。「楽になったよ。ありがとう」の声を聞きたくて日々奮闘中!!
筆者プロフィール
市之瀬 法彦
株式会社いちのグループ代表
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