肥満は股関節にも悪影響を与えます。
股関節に痛みを感じて整形外科を受診すると「関節に負担を掛け過ぎないように少し減量した方が良いですよ。」とドクターにアドバイスされたことはありませんか。肥満は股関節痛を誘発する要因の一部だと耳にしますが、それはどうしてだかご存知ですか。
股関節とはどのような構造でどんな働きを担っている部位なのか、を理解されると肥満が股関節に与える影響が分かると思います。その点に焦点を当て股関節痛と肥満の因果関係をご紹介します。
股関節の仕組み
関節は滑膜と線維膜で構成されている関節包と言われる組織に覆われ、骨と骨の隙間を滑液が埋めています。滑液とは骨の継ぎ目のクッションとなる軟骨に栄養を運び、スムーズな関節の動きを手助けしている液体です。
骨と骨を連結した場所
骨盤の丸いくぼみの寛骨臼(臼蓋)と大腿骨の骨の先端部分が丸く突起した大腿骨頭を連結した部分が股関節です。胴体と下肢の接合部分です。
連結の構造
骨盤の寛骨臼には広いぼみがあり、そのくぼんだ部分に大腿骨の大腿骨頭がカチッと納まっている状態で接合しています。
接合部分はそれぞれ関節軟骨と言われる組織で包まれているため円を描くようななめらかな動きが出来るのです。関節軟骨には衝撃を吸収するクッションのような働きがあります。
股関節の役割
股関節は身体の中で一番大きな関節ですが、日常生活においてどのような役割を持った関節なのでしょう。
体重を支える
膝関節や足関節と共に下肢で立位時の体を支えています。
球関節(可動関節)です。
・屈曲と伸展 足を上げる、降ろす
・内転と外転 足を前後左右に閉じる・開く
・外旋と内旋 つま先を外側、内側に向ける
股関節と肥満の因果関係
股関節は身体を支えながら立位や歩行、昇降、方向転換など日常の基本動作を行う重要な関節です。肥満によって体重が増えるとそれだけ股関節に過度な負担をかけてしまうことになります。
それに伴い骨の接合部分のクッション的役割を担っていた関節軟骨はすり減りクッション性を失ってしまうため、骨と骨がぶつかり合い、痛みが発生する、と言う訳です。
まとめ
痛いからと言って全く動かずにいると股関節周囲の筋肉が固くなり股関節が硬縮してますます動かしにくくなってしまいます。筋力低下などの悪影響も与えてしまうのです。
私達は身体の中心点で身体を支えています。その身体の中心がぶれないよう、左右均等な身体の状態を意識してゆっくりとした動作で股関節に無理な負荷をかけないように日常生活を送りましょう
。また歩行時は痛みを感じたら無理をせずに休憩しましょう。
重い荷物は身体の左右バランスを保つために両手に分けて持つと股関節への負担が軽減します。
すり減った関節軟骨は自己生成しにくいので肥満体型と認知された体重分を減量し、日常動作に支障をきたすことがないよう股関節の負担を軽減してあげましょう。
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