首肩の痛みに多くの人が悩まされている 「腰痛」とともに今や国民病ともいわれる「肩こり」。 多くの方が首の痛みや肩こりに悩まされています。 病気やけが等の自覚症状の状況 厚生労働省が実施する「国民生活基礎調査」の中で、病気やけが等の自覚症状の状況を発表していますが、性別にみた有訴者率の上位5症状をみると、 [男性] 第1位:腰痛 第2位:肩こり 第3位:鼻がつまる・鼻汁が出る 第4位:せきやたんが出る 第5位:手足の関節が痛む [女性] 第1位:肩こり 第2位:腰痛 第3位:手足の関節が痛む 第4位:体がだるい 第5位:頭痛 ※「平成 25 年 国民生活基礎調査の概況 - 厚生労働省」より引用 男女ともに肩こりが自覚症状の上位に 肩こりを訴える人の割合は、男性では第2位、女性では第1位となっています。 なお、実際の肩こりは、文字どおりの肩の部分だけでなく、首から肩にかけてや、肩甲骨周辺を含めた広い範囲でこりや痛みが起こります。 肩こりの原因は姿勢・体の使い方・眼精疲労など ではなぜ、首の痛みや肩こりを訴える人がこれほどまでに多いのでしょうか? ここではその原因について説明していきます。 1.悪い姿勢 私たちの頭は、成人でおよそ5キロ前後の重さがあります。 その重さを頭よりはるかに細い首で支えているのですが、頭の位置が前に突き出た姿勢になると、頭を支えるための負担は一気に増加してしまいます。 頭を前に突き出す姿勢になるにつれ、約5キロの頭の重さが数倍にもなってしまいます。 このときに首、肩から背中周辺の特定の筋肉を緊張させることで姿勢を維持しているのですが、この状態が続くことで筋肉の緊張がリセットできなくなり「こり」ができます。さらに悪化すると骨の変形や、神経を圧迫して強い痛みやしびれ等の深刻な症状を招きます。 悪い姿勢になりがちな姿勢としては… ・デスクワークやパソコン作業 ・携帯電話、スマートフォンの使用 ・編み物などの手芸 ・あぐら、体育座り、長座など床に座る などの姿勢は、正しい姿勢の維持が難しく、長時間行うと肩こりや首の痛みを引き起こします。 また、歯の噛み合わせや骨盤、足首などに問題があって姿勢が崩れる場合もあります。 2.体の動かし方や使い方 首や肩がこった時にあなたは首をグルグル回していませんか? 実はこの動きは首を痛めてしまう動きです。首の骨は7つの骨で構成されていますが、関節の構造がグルグル回すようにできていないため、かえって首や肩の筋肉を緊張させ、骨や椎間板などの組織に負担をかけてしまうため、結果として肩こりや首の痛みがひどくなってしまいます。 また、首を自分で勢いよく捻って骨を鳴らす肩もいますが、これも危険な動きです。関節に負担をかけるのはもちろんですが、神経や血管を傷つけて重大な障害を引き起こす場合もあります。 他にも、バッグを持つ時にいつも同じ側の肩にかけたり、イスに腰掛ける時に同じ側の足を組んだりするのも左右の筋肉の緊張のバランスが崩れて肩こりや首の痛みを招きます。 3.眼精疲労 眼球を動かす筋肉と首の深い部分にある筋肉は、神経学的に密接な関係しています。そのため眼精疲労になると、ドライアイや目の奥の痛みだけでなく首や肩周辺の筋肉疲労が蓄積され、肩こりや首の痛みを起こすことがあります。 長時間のパソコン、テレビ、スマートフォン、読書や編み物などで酷使したり、度数の合っていないメガネやコンタクトレンズを使用したりすることで眼精疲労が起こります。 4.その他 他にも「身体の冷え」や「ストレス」、「内臓の病気」が肩こりや首の痛みなどを引き起こす場合があります。 最後に このように肩こりや首の痛みといっても、それを引き起こす原因はさまざまです。 中には放置しておくと非常に危険なものもあります。 ひどい肩こりや首の痛みが続くようであればそのままにせず、専門家に相談しましょう。 筆者プロフィール 浅見 仁 「はり・きゅう・マッサージJIN治療院」院長 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 頚椎症、頚椎ヘルニア、ムチウチなど首の症状でお悩みの方が数多く来院し、痛みやしびれ、頭痛などの改善を得意としている。 腰や膝の痛みなどの一般的な症状はもちろんのこと、内臓の不調や婦人科系のトラブルなども幅広く対応している。 施術だけでなく、日常の姿勢や動作、食事や運動など、健康に近づくためのトータル的な視点からとらえたアドバイスを心がけている。
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筆者プロフィール
浅見 仁
「はり・きゅう・マッサージJIN治療院」院長
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
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