Vol.2『症状だけを説明していませんか?』 治療家を本気させるコツとは? 皆様こんにちは、u-balからだ塾の上原です。 『治療家を本気にさせるための「患者力』養成シリーズ』、第2回目の今回は「症状説明」についてお話しいたします。 病院・治療院に行く時、当たり前ですが、自分の症状についてお話すると思います。 これは「カウンセリング」と言って、治療側にとっても、病名を判断するための貴重な情報源になるものです。実はこの当たり前に行われている症状説明に、治療家を本気させるコツが潜んでいるのです。 問診の時、身体の状態だけを説明していませんか? 皆さんは症状を説明する際、どんな風に説明するでしょうか?風邪を引いた時を例に考えてみましょう。 『先生、頭が痛くて』 『喉が痛いです・・』 『体がだるくて、今朝計ったら39度ありました』 こんな感じが一般的でしょうか。 しかし、実はこれでは治療家は本気になりません。 良く見ると、頭・喉・熱・・上記はすべて『体のお話』ですよね。体に関しては、むこう(治療側)の方がプロです。従って、痛み→鎮痛剤、熱→解熱剤と言ったように、すぐに解決法が頭に浮かんでしまい、患者側がいくらひどいと訴えたつもりでも、『ただの風邪』と言う風に捉えられてしまう訳です。 「どう困っているか」を伝え感情に訴える しかし、仮にこんな言い方してみてはどうでしょう?? 『喉が痛くて、飲み込みに困っている。もう3日間も硬いものをほとんど食べていない』 『頭が痛くて、朝が起きられない。通勤中も、痛くて立っていられず、電車を降りるときもある』 少し極端な例ですが、上記のような言い方だと、「どう困っているか」が伝わってきますよね。 そうなんです。症状はもちろんなのですが、本当に訴えるべきなのは、それでどのように困っていて、どのような不便があるか、と言うところなのです。 「なんとかしてあげたい!」という気持ちになってもらう 先日、トレーニングにお越しになった「体幹の筋肉をつけたい」と言う60代女性の患者さんの話です。体幹の鍛えたい方はたくさんいるので、特に珍しいとも思っていませんでしたが、こう話は続きました。 『定年を向かえるにあたり、尿漏れが激しくなってきまして・・泌尿器科にも相談して、薬ももらっているものの、なかなか効果が出なくなってどうしたら良いか、路頭に迷っている気分です』 『実母を介護していて、抱えて力むときに漏れてしまうことが多い。抱えたままズボンが濡れていくのが悲しい・・このままだとオムツを履かないといけない・・それだけは本当に嫌なんです』 繰り返しになりますが、体幹を鍛えたい人は山のようにいます。ただ、このように、背景を聞くことで、より『なんとかしてあげたい!』と言う気持ちが強くなります。 私は、体幹は体幹でも骨盤底筋やお尻周り、下腹部と太ももの筋肉を鍛えるメニューを作りました。さらに、日ごろ家で出来る体操や注意点を紙にまとめ、渡しました。 ご本人のまじめさにも助けられ、嬉しいことに、少しずつですが効果が出て来ました。 『苦しみから救いたい』という気持ちで治療家になった人が多い 治療側も、そもそも「からだのプロになりたい!」と思って目指す人はあまりいないと思います。むしろ、『人の役に立ちたい』『苦しみから救いたい』と言う人助けの目的でなる人が多いんですよね。 という事は、患者側はからだの状況ではなく、どれだけ苦しんでいるかの方を伝えることによって、先生のやる気に火をつけたりすることが出来るわけです。 あなたはいつもどんな風に症状を説明していますか? 少し考えてみてください。 まとめ 『からだのことではなく、あなたの人生を訴えよう』 『ちゃんとした治療を受けたい』 『手は抜かれたくない』『きちんと診てもらいたい』 患者側からすれば誰もが願うことですよね。 一方、治療家側から見ると、どれだけ公平に患者様に接しようと思っていても、1日何人、何十人と診ていると、知らないうちに実はお客様を選別しています。 そんな中、より先生を本気にさせ、より適切な治療を受けるための『患者力』をつける方法を、シリーズでお伝えしていきます。 【これまでのコラム】 Vol.1: 『治療院に通っても治らない・・・を防ぐためにできる、たった1つのこと』 著者:上原健志 出版社:中経出版 筆者プロフィール 上原健志 うえはら整骨院院長 セラピストの為の解剖生理学塾u-balからだ塾、 マジックハンズ・セラピストアカデミー代表 女子サッカー『INAC多摩川レオネッサ』チームトレーナー、<資格>柔道整復師、ケアマネージャー、米国NSCA認定パーソナルトレーナー、英国ITEC,CIBTAC国際ライセンス(解剖生理学)、上海中医薬大学短期研修修了(解剖学) 現場での施術はもちろん、プロ向けの指導にも尽力しており、難しい解剖生理学を現場目線で分かりやすく説明するスタイルは、プロ・アマ問わず多くの支持を受けている。 体に関する商品開発など、コラボ企画も多数。
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筆者プロフィール
上原健志
うえはら整骨院院長
セラピストの為の解剖生理学塾u-balからだ塾、
マジックハンズ・セラピストアカデミー代表
女子サッカー『INAC多摩川レオネッサ』チームトレーナー、
<資格>柔道整復師、ケアマネージャー、
米国NSCA認定パーソナルトレーナー、英国ITEC,CIBTAC国際ライセンス(解剖生理学)、上海中医薬大学短期研修修了(解剖学)
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