Vol.3 良いアドバイスをもらえる人、もらえない人 皆様こんにちは、u-balからだ塾の上原です。 『治療家を本気にさせるための「患者力』養成シリーズ』、第3回目は「良いアドバイスのもらい方」についてお話しいたします。 治療や施術を受けるとき、施術は当然のことながら、日常生活における注意点や日ごろ行った方が良い対策などのアドバイスも受けることと思います。 もちろん症状にもよりますが、痛みや不調の原因は日常生活であることが多く、単純に施術だけで改善しないものも多いからです。 そして実はそのアドバイスによって、どれだけ治療家が自分のことを理解しているかが分かるのです。 良いアドバイスをする治療家は「なぜ○○ができないか」を追及する 例えば、肩こりに悩む、以下のような患者様がいたとします。 ・35歳 女性 会社員(デスクワーク) ・長時間同じ姿勢、運動不足 この方は長時間の同じ姿勢、さらには運動不足が災いし肩こりがひどくなっているものと推察されますね。治療側としては、施術に来てもらうのはもちろんですが、これらの環境面を改善してもらうことに越したことはありませんから、運動習慣をつけてもらえるようアドバイスをします。 ポイントはここです。 普通の治療家は、運動するよう指示します。どれだけ運動が大事か、運動しないことがどれだけからだに悪いかを説明します。 さらには体操の仕方などが書いてある紙を渡し、一日何回何セットやれば良いか、どんなやり方がより効果があるか、などを説明していきます。 しかし、良い治療家は違ったアプローチをします。良い治療家は、運動をすすめるのではく、『なぜ運動が出来ないのか』を追求していきます。 アドバイスすることはやった方がいいと本人も自覚しているもの 運動不足なのは誰よりも本人が一番自覚しているはずですし、肩こりがひどい人であればなおさらです。今さら、ひとこと運動をすすめられたくらいで始めるようなら、とっくに運動しているはずです。 という事は、運動をしない(できない)理由が何かしらあるってことですから、そこからまず解決しなければなりません。 私の経験上、 ・『過去にチャレンジしたけど、長続きしなかった』 ・『いろいろためしたが、どれも楽しいとは思えなかった』 ・『どうしても嫌い』 と言ういわゆる「わがまま」な理由もあれば、 ・『肩の脱臼ぐせがあって、すぐに外れそうになり恐怖を感じる』 ・『甲状腺の病気があり、運動することを医師に制限されている』 ・『親の介護があり、仕事以外の時間はほぼほぼそこに奪われる』 など、なるほど、だから運動できないのか、と感じるお話しも聞きます。 解決策を一緒になって見出していく 肩の脱臼癖がある方は、脱臼を起こしにくいトレーニングや体操をすすめ、時間が無い人にはそんな中でもできそうなものを一緒に考えていくわけです。 いずれにせよ、その運動が出来ない理由をまずは理解し、そうであればどのような解決策があるかを一緒に見出してくれるのが良い治療家ですよね。 適格なアドバイスをするには患者側の細かい情報が必要 これら適切なアドバイスをするには職業や趣味・家族構成や性格まで、あなたの細かい情報が必要になりますから、それらの情報をしっかりと聞いてくれることが、良い治療家かどうかの判断基準となります。 逆に言えば、なかなか自分のことを話したがらない(心を開かない)患者さんもいますが、そうなると治療側も理論理屈で作られたものをアドバイスするしかありませんので、効果に限界がある、という事です。 良いアドバイスを受けるためには、たとえ聞かれなかったとしても、日ごろから自分の情報を治療家に提供することがコツです。 まとめ 『治療家に出来るだけ多くの情報を与えよう』 『ちゃんとした治療を受けたい』 『手は抜かれたくない』『きちんと診てもらいたい』 患者側からすれば誰もが願うことですよね。 一方、治療家側から見ると、どれだけ公平に患者様に接しようと思っていても、1日何人、何十人と診ていると、知らないうちに実はお客様を選別しています。 そんな中、より先生を本気にさせ、より適切な治療を受けるための『患者力』をつける方法を、シリーズでお伝えしていきます。 【これまでのコラム】 Vol.1: 『治療院に通っても治らない・・・を防ぐためにできる、たった1つのこと』 Vol.2: 『より効果の高い施術を受けるために知っておくべきこと』 肩こりがスッキリ治る本 (中経の文庫) 著者:上原健志 出版社:中経出版 筆者プロフィール 上原健志 うえはら整骨院院長 セラピストの為の解剖生理学塾u-balからだ塾、 マジックハンズ・セラピストアカデミー代表 女子サッカー『INAC多摩川レオネッサ』チームトレーナー、<資格>柔道整復師、ケアマネージャー、米国NSCA認定パーソナルトレーナー、英国ITEC,CIBTAC国際ライセンス(解剖生理学)、上海中医薬大学短期研修修了(解剖学) 現場での施術はもちろん、プロ向けの指導にも尽力しており、難しい解剖生理学を現場目線で分かりやすく説明するスタイルは、プロ・アマ問わず多くの支持を受けている。 体に関する商品開発など、コラボ企画も多数。
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筆者プロフィール
上原健志
うえはら整骨院院長
セラピストの為の解剖生理学塾u-balからだ塾、
マジックハンズ・セラピストアカデミー代表
女子サッカー『INAC多摩川レオネッサ』チームトレーナー、
<資格>柔道整復師、ケアマネージャー、
米国NSCA認定パーソナルトレーナー、英国ITEC,CIBTAC国際ライセンス(解剖生理学)、上海中医薬大学短期研修修了(解剖学)
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