鍼の話 鍼の太さは髪の毛と同じくらい 国内で使用されている鍼灸用の鍼の太さは、0.16~0.20mmくらいが多いです。これは髪の毛と同じくらいです。 注射のようなものを想像されているなら、びっくりするほど細いものです。刺入の深さは、流派や学派によってそれぞれ。一般的には数ミリから数センチ。 鍼灸師は国家資格を持つプロですから、危険なところに刺入することはありません。日本の技法は世界的に見ても繊細なものが多く、皮膚に接触させるだけで効果が得られる方法もあります。 鍼の深さは、深ければよい、浅ければよい、というものではなく、それぞれの利点があります。 使う鍼の本数は鍼灸院によって様々 使うツボの数、使う鍼の本数も鍼灸院でそれぞれ違います。少ないところでは数本。多いところでは100本近い数を使います。 鍼の数だけで施術の質を計ることはできませんが、初めての鍼灸院を選ぶ時は、行ってビックリしないように、極端に多いところは避けておいた方がよいです。 慣れてきたら、鍼の本数にこだわらず自分に合ったところを探してみましょう。 一本一本の効果を確かめながら施術を行う鍼灸院と、鍼をまとめて使ってから効果を確かめる鍼灸院があります。 お電話で「どこに鍼をするのですか?」という質問もたくさん頂きます。 でも、電話でお答えするのはとても難しいのです。 病院に「お腹が痛いのですが、どんなクスリを使いますか?」と尋ねるようなものです。よい鍼治療は、時と場合と人に合わせて行うライブ感のあるもので、そこが魅力の一つだと言えます。 灸の話 灸の種類は大きく2つある 灸には大きく分けて2種類があります。皮膚に直接すえるものと直接すえないもの。直接据えるものでも、火が接触するものとしないものがあります。ちょっぴり熱さを感じるものと温かさを感じるものに分かれます。 直接すえないものは、温かくて気持ちよいものです。リラックス効果で身心をとろけさせるような効果ががあります。大きなタバコのような形状をした棒灸、鍼とコンビネーションで使う、灸頭針(きゅうとうしん)もあります。 直接すえるもの …皮膚に火がふれる(ちょっぴり熱い) …皮膚に火がふれない(ポワ~と温かい) 直接すえないもの …体をポカポカ温める(棒灸など) …鍼とのコンビネーション(灸頭鍼など) 火傷の後を残ることがあるか確認すると安心 お灸の目的は熱でツボを刺激するわけですが、やり方は実にさまざまです。 いずれの方法でも、気を付けたいのは火傷です。 やり方によって火傷の痕が残る方法もありますが、最近ではほとんどないと思います。 気になる場合は「火傷の痕が残ることはありますか?」と事前に確認しておくとよいでしょう。 鍼灸院に行ったことありますか? 「鍼灸」と言っても、やり方は千差万別。鍼灸院によってコンセプトも得意分野も違います。でも、その違いは外からわかりにくいものです。 あなたの鍼灸院を選ぶ時、何を基準にすればよいのか、鍼灸院の腕の違いはどこに出るのかなど、2つの鍼灸院を経営する現役鍼灸師がシリーズでお伝えします。 【これまでのコラム】 Vol.1:『鍼灸でできることを知っておこう』1 筆者プロフィール 栗原 誠 鍼灸師 あん摩マッサージ指圧師 鍼灸養気院院長 はりきゅうルーム・カポス代表 ダイエットアドバイザー協会代表 活法研究会副代表 群馬に鍼灸院を構え患者さんと向き合う傍ら、東京の鍼灸院を経営。日本古 来の整体術「活法(かっぽう)」に魅せられ、その叡智を鍼灸の分野に導入。 新たに「整動鍼」を提唱し、プロ向けの技術セミナーを定期的に開催。 また、ブログや業界誌での連載を通じて、情報発信も積極的に行っている。
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筆者プロフィール
栗原 誠
鍼灸師 あん摩マッサージ指圧師
鍼灸養気院院長
はりきゅうルーム・カポス代表
ダイエットアドバイザー協会代表
活法研究会副代表
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