猫背の原因は体だけでなく、心に由来することもあります。 年齢を重ねて行くにつれ、腹筋背筋や首を持ち上げる様々な筋肉が弱って、猫背になることがあります。 子供や若い方の猫背には、筋力や体力の問題に限らず、別な原因が潜んでいることもあるといいます。 そこで今回は、様々に考えられる猫背の原因についてみていきたいと思います。。 1 心因性の猫背は、心が窮屈なせい・・・? よく身長が際立って大きい子供に猫背がありますが、集団でいるときに周囲から飛びぬけて目立つことへの引け目が原因にあるようです。 自分よりも小さな仲間たちに対して下を向いて話すことが多かったり、目上の人まで見下ろすために、知らず知らず首をすくめてしまうという事も考えられます。 スポーツ選手やモデルみたいでカッコ良いと思えたらいいのですが、周囲の人の心無い一言がコンプレックスに繋がるケースも見られます。 また身長に関係なく、子供の緊張や力みや、それらの疲れが猫背として現れることもあるでしょう。 いつもは姿勢の良い大人でも疲れて気が沈んでいると、背骨も曲がり肩も落ちているときがあります。 子供なら尚更、小さな心に抱える大きな抑圧や期待や責任に疲れて、肩の荷に押しつぶされそうになっているかもしれません。 子供の猫背を叱る前に、大人の過大な期待の重圧が子供を猫背にしていないか、よく観察してみるのも大切です。 2 姿勢が悪いわけではなく、肩の位置が前側な猫背 肩の位置が前寄りにあるために首の後ろの比重が多くなって、猫背に見える人もいます。 多くは背筋や腹筋よりも、胸と肩の筋肉が未発達で硬いために、肩を後ろに引いて胸を張ることができなくて猫背になっているようです。 このような例では、ストレッチで胸筋をほぐして延ばすことで、かなり改善できるはず。 矯正ベルトで胸を張らせることも出来ますが、ベルトをはずすと元に戻ってしまいますから根本の解決にはなりません。 ラジオ体操でも良いので肩を後ろに引いたり胸を張ることで、少しずつ胸・肩・首の筋力をつけていくほうが猫背解消になるでしょう。 例えば、猫背になるときはあごが前に出ていますから、あごを引いて歌を歌うのも胸を張るための矯正に繋がりそうですね。 猫背であごを突き出して肩を落としながら歌うほうが難しいですから、歌うことで自然に楽しみながら筋トレになりますよ。 3 長時間同じ姿勢で座っている生活が猫背を作ります 大人は汗水たらして働き、子供たちが自由に原っぱを駆け回っていた時代と違い、テレビや机やパソコンの前に長時間座っていることの多い現代。 スイカ並みに重い頭がのしかかってきて、気がつくと挫(クジ)けて猫背になっていませんか? もちろん、しっかりと支えられる胸筋や背筋や首・肩の筋肉がバランスよく強かったら負けないのですが、子供は特に体や首の割には頭がとても重いから大変です。 大人でも首が細くて長い人は、同じように負担が大きいですね。 同じ姿勢で長時間、顔を上げ続ける首への負担は途轍もなく、それを支え続けると肩も背中も首も疲れきってしまいます。 そう考えると、重たすぎる頭でも責任でも投げ出さずに一生懸命重さに耐え続けている人ほど、猫背になってしまうのかも知れません。 4 内臓の病気が猫背の原因であるケースもあります 現代は生活の便利さと引き換えに、様々に不自然なストレスの多い時代です。 夜でも電化製品の電磁波や騒音が飛び交い、体をしっかりと休ませることが出来ません。 そのために体を修復する成長ホルモンを必要なだけ作り出せずに、細胞がきちんと修復されないまま重篤な病へと進んでいくことになります。 体が電磁波や光を感じ取って、お日様と勘違いすることで昼型から夜型の神経のリレーがうまく行かずに、不眠症になる人も多いようです。 日本人は特に真面目で従順な人柄なためか、ストレスが引き金の胃潰瘍や十二指腸潰瘍の疾患にもなりやすく、それが猫背を作ることもあります。 みぞおちの痛みを和らげるために手胡坐(テアグラ)でお腹を温めて前かがみになっていると、嫌でも猫背になってしまいますよね。 そうなると筋トレよりも、ストレスを作らない工夫や解消する方法を探すほうが重要と言えそうです。 5 心が体に表情を作り出すことがあります スポーツ選手のように筋肉がしっかり付いているにもかかわらず、気を抜いて座っていたら猫背になってしまう人がいます。 大人も子供も関係なく、猫背の人が座っていると、なんだかとっても疲れていて、何かの重圧に耐えているかのようにも見えます。 それは体だけの問題ではなく、むしろ心の疲れがそのまま肩や首にのしかかっているからではないでしょうか? 動物のように自然な流れで適度に緊張と緩和を繰り返していたら、肩こりも腰痛も胃潰瘍も起きないでしょう。 しかし私たち人間には社会や集団の中で、責任と言うものに縛られて緊張ばかりを強いられ、無理をせざるを得ないシーンが多くあります。 怒りを抑えているうちに肩に力が入ってイカリ肩になったり、我慢しているうちに拳を握り締めていたりするように、心は体に表情を作ります。 猫背も心が作る体の表情のひとつだとしたら、その奥にある心の有様を解きほぐしていくことが改善の近道とも言えます。 まとめ 筋力不足・内臓の不調・長時間同じ姿勢のストレス・そして心の疲労。 このように骨や筋肉や腱など体に起因すると思われる猫背にも、様々な原因が隠されています。 人間が二本足で立って歩き始めて知能の発達と共に大きな脳を持ったための、首への負担の現われともいえる猫背。 もしも大切な家族や友人が猫背でしたら、のびのびと空を見上げる時間を共に過ごし、彼(彼女)の心の荷を軽くしてあげてみてはいかがでしょう。 知らず知らず重責から開放されて、胸を張ってハツラツと歩く彼(彼女)の姿を見ることが出来るかもしれません。
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