こんにちは、国際中医師の梶村です。 今日は当院でよく相談をうける肩こりについてお話しをさせていただきます。 ところで皆さんは揉んではいけない肩こりがあることをご存知でしょうか? 肩こりと思って揉んだり叩いたりしていてどんどん悪化して、大変なことになるものもありますので、揉んではいけない肩こりの簡単な見分け方をお教えしたいと思います。 肩こり改善には強い刺激!と安易に考えるのは危険 昔から肩こりでしょっちゅうマッサージや整骨院へ行っているが、今回の肩こりはとてもひどくて首が回らないで困っている。 どんなに揉んでもらっても、ストレッチしてもらっても逆に痛みがひどくなり、首が回らなくて朝も起き上がることもできないほどだ。 このような患者さんが、マッサージでダメなら鍼をいっぱい打って、もっと強力に刺激してもらおうと鍼灸治療に来られます。 診察すると、その多くは頸椎の可動域不全が認められ、寝ている時でもジンジンと激しく痛む状態であり、これは頸椎のどこかの靭帯や健、もしくは筋肉などの組織に炎症が起こっていること示します。 どこかの組織が傷ついて炎症を起こしているので、患部に外力を加えることは傷口を広げることになるので、揉んではいけないのです。 そのことに気付かずに揉んで治らないのなら、もっと強い施術をと考える方が本当に多いのです。これは非常に危険なことです。 だから揉んでいい肩こりと揉んではいけない肩こりの見分け方が重要になります。 肩こりの見分け方の3つのポイント ポイントは3つあります。 1.患部に熱が有るか?無いか? 熱が有れば患部の炎症が激しいことを意味します。また、インフルエンザやノロウィルスのような感染症や内臓疾患の可能性もあり、全身症状を観察する必要があります。 2.自発痛(安静時の痛み)が有るか?無いか? 自発痛がある時の症状は運動時に痛い症状とは炎症のレベルが違います。寝ているのにジンジン痛い時には筋肉や靭帯以外に骨や骨膜に損傷があることもあり、ヘルニアや後縦靭帯骨化症などの危険な疾患が潜んでいる可能性がありますので、特に注意が必要です。 3.押さえて気持ちいい痛さか?触れられたくない痛さか? 中医学用語で押さえて気持ちいい痛さを「喜按」、押さえて耐えられない痛みを「拒按」と言い、按じて気持ちいい喜按はマッサージが効果的です、按じて拒絶する痛みのある拒按の時は、ただの肩こりでは無くポイント1やポイント2でのリスクがあるので、安静にしなければなりません。 まとめ いろいろ難しいことをお話しましたが、押さえてとても痛いときは拒按です。これは単なる肩こりでは無いので、患部を安静にすることが重要なのです。 単なる肩こりと思っていても危険な疾患が潜んでいることがありますので、おかしいなと思ったら3つのポイントを思い出してください。 筆者プロフィール 梶村英男 梶村鍼灸整骨院院長国際中医師、鍼灸師、柔道整復師、ケアマネージャー、 チャイルドボディーワークセラピスト 高校時代に部活動の軟式テニスで腰痛症になり、整骨院へ通院した経験から治療家を志し、卒業後に行岡柔道整復専門学校へ進学、大阪鍼灸専門学校卒業時に大阪府知事表彰受賞し、平成2年に現在の大阪府藤井寺市に梶村鍼灸整骨院を開設。 25年にわたり地域医療に根ざした治療活動を展開。現在では中医鍼灸治療と極細鍼治療の普及活動を精力的に行っており、業界誌『鍼灸ジャーナル』に「心に残る症例」、『医道の日本』に「5分の置鍼で治った五十肩の症例と仮説」が掲載され論文やコラム多数執筆。来年1月発売予定の「腰痛解消!神の手を持つ15人」(現代書林)の一人に選ばれている。
筆者プロフィール
梶村英男
梶村鍼灸整骨院院長
国際中医師、鍼灸師、柔道整復師、ケアマネージャー、
チャイルドボディーワークセラピスト
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