肩こりに悩む人は、腕がだるい、しびれると感じることもよくあります。 肩と腕はつながっているので、肩の筋肉や神経の緊張が腕にまで伝わるからです。 しかし肩と腕に同時に症状があらわれる場合、ただの筋肉のこりではなく、別のものが原因となっていることもあります。特に中高年女性は、胸郭出口症候群、変形性脊椎症、頚椎椎間板ヘルニアなどに注意しましょう。 見逃しやすい肩こりと腕のだるさをともなう疾患 今は肩こりと腕のだるさを同時に訴える人はめずらしくありません。 現代の生活習慣では、肩と腕の筋肉を長時間緊張させることが多いからです。デスクワークでパソコンを長時間使う人、スマホを日常的に使う人は、肩こりと一緒に利き腕のだるさを感じることがよくあります。 また、肩こりと腕のだるさがあたりまえになってしまったことで、病気の兆候が見過ごされることも増えました。首の骨や胸の筋肉、または神経の疾患の場合、肩と腕にひどい筋肉疲労とよく似た症状がでるからです。 何かしら改善を試みても少しも症状が改善しないときは、なにかの疾患があるかもしれないと疑ってみましょう。 女性によくみられる胸郭出口症候群 胸郭出口症候群とは、鎖骨の下にある神経と血管の通り道が、胸の筋肉で圧迫されることで起こる疾患です。肩こり、腕がだるい、ピリピリとしたしびれを感じるなどの症状があげられます。 この病気を患う人はほとんどが女性です。その理由として、女性にはなで肩の人が多いからだと考えられます。 なで肩の人は鎖骨の位置が下がりぎみで、神経と血管の通り道である胸郭出口が狭くなっています。なで肩の人が猫背や巻き肩の姿勢をとると、胸骨出口がさらに狭くなり、神経と血管が圧迫されます。これが肩こりと腕のしびれをひきおこす原因です。 なで肩の上、姿勢にゆがみのある人は、がんこな肩こりや腕のしびれが続いたら、この疾患の可能性を疑ってみるといいかもしれません。 中年以上の人に多い変形性頚椎症 肩こりと腕の痛みやしびれのほかに、首こりなどがおきれば、それは変形性頚椎症の症状かもしれません。 変形性頚椎症とは、首の骨である頚椎やその関節が変形する疾患です。頚椎の歪みのせいで、中を通る神経が圧迫されることで痛みやしびれが起きます。 変形性頚椎症の主な原因は加齢だと考えられています。 骨がもろくなってくる中高年の年代の人なら、誰でもこの病気を患う可能性はあります。ホルモンバランスが崩れ、骨密度の下がってくる更年期の女性は、この疾患に特に注意する必要があるでしょう。 首を倒したときに痛みが強くなれば頚椎椎間板ヘルニアの可能性も 首の骨が椎間板ヘルニアを起こしたときも、肩こり、腕にだるさやしびれ、首の痛みやこりといった症状があらわれます。頚椎椎間板ヘルニアとは、首の頚椎から椎間板がとびだし、神経を圧迫する疾患です。 男女ともに中高年になってこの疾患を発症する人が多く、原因として首の骨の老化が考えられます。 初期の頚椎椎間板ヘルニアの症状はひどい肩こりによく似ているため、重症化するまで気づかない人も多いようです。 見分けるポイントは、顔を上にむけて首を後ろへ倒したときに、痛みが変化するかどうかです。これで痛みが強くなるなら、その症状は椎間板ヘルニアが原因である可能性もあることを覚えておくといいでしょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 肩こりだったと思っていたものも、腕のだるさなどもあればただの肩こりではない可能性もあります。 辛い症状が続く場合は、病院や治療院で様子を見てもらい、早めに自分の身体に異常がないか見てもらうことが大切です。 辛い症状は放っておかず、積極的に改善していけるといいでしょう。
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