肩こりでマッサージに行き、やってもらっている時はとても気持ちよかったけれど、肩こりは解消されなかったという経験はありませんか? テレビや雑誌の健康情報で、『肩こりの原因は僧帽筋の血行不良なので、首や肩のストレッチで肩こりが一発解消する』とか、『僧帽筋の筋膜によったシワを伸ばすようなマッサージで肩こりが解消する』といったものを目にします。 もしそうならば肩を集中的にもんでもらったら解消するはずですが、期待するほど解消しないのはなぜでしょうか? 植木が枯れるのはなぜ?で考えると分かる!肩揉みではコリが解消しない理由 僧帽筋の血行不良も筋膜のシワも、肩こりの「原因」では無く「結果」なのです! 例えば、植木の葉が黄色く枯れかけている時に、皆さんは葉自体に肥料を与えて水をやりますか?いやいや根に肥料と水をやりますよね。 葉の色が悪くなっているのは、日当たりや肥料不足などの様々な原因の「結果」おこった症状なのです。 根の状態が悪いから葉に症状が出てきているのと同じように、肩こりは葉の症状であり、僧帽筋の血行不良や筋膜のシワそのものが肩こりなのです。 だから「肩こりがひどいので肩を集中的にもむ」行為は「葉をもむ」に等しい行為なのです。 肩こり改善には根本的な原因を探り治療することも大切 肩こりの本当の原因は人それぞれ違います。 骨盤や脊柱など骨格的なバランスの悪さとか、細かい作業やパソコン操作が原因としてよく言われています。しかし実際にはそんな単純な原因の肩こりの人は少ないのです。 当院を訪れる患者さんのほとんどは頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ、不眠、慢性的な便秘や下痢、生理痛や不正出血など様々な不定愁訴を持っていて、肩こりもその中の一つの症状として捉えます。 だからこそ一つ一つの枝葉にとらわれることなく、それらの症状の原因となる根を正確に把握して、根から治療する必要があるのです。 局所治療と根本的治療を同時に行う 枝葉の治療と根の治療を同時に施すことで、肩こりが即効解消し再発を防ぎます 葉の色が悪いときには、葉の表面の汚れをとり日光に当てるのと同時に、根に肥料や水を与え、必要であれば土を変え環境を変えます。 これと同じように、肩こりの治療でも僧帽筋の血行不良を解消し筋膜のシワをとる局所治療と、一人一人違う本当の原因を解消する根本的治療を同時に施します。 中医学では、前者の局所治療を「標治法」、後者の根本的治療を「本治法」といいます。 どちらも大事な治療であり、両方施すことで即効性があり、肩こりを芯から解消することができるのです。 筆者プロフィール 梶村英男 梶村鍼灸整骨院院長国際中医師、鍼灸師、柔道整復師、ケアマネージャー、 チャイルドボディーワークセラピスト 高校時代に部活動の軟式テニスで腰痛症になり、整骨院へ通院した経験から治療家を志し、卒業後に行岡柔道整復専門学校へ進学、大阪鍼灸専門学校卒業時に大阪府知事表彰受賞し、平成2年に現在の大阪府藤井寺市に梶村鍼灸整骨院を開設。 25年にわたり地域医療に根ざした治療活動を展開。現在では中医鍼灸治療と極細鍼治療の普及活動を精力的に行っており、業界誌『鍼灸ジャーナル』に「心に残る症例」、『医道の日本』に「5分の置鍼で治った五十肩の症例と仮説」が掲載され論文やコラム多数執筆。来年1月発売予定の「腰痛解消!神の手を持つ15人」(現代書林)の一人に選ばれている。
筆者プロフィール
梶村英男
梶村鍼灸整骨院院長
国際中医師、鍼灸師、柔道整復師、ケアマネージャー、
チャイルドボディーワークセラピスト
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします