頑固な肩こりが片方だけに続くときは病院で診察をうけましょう。 それはただの筋肉のこりではなく、内臓の病気が引き起こしている症状かもしれないからです。 病気による肩こりは、ストレッチをしたり安静にしたりしても、症状が一向に改善しないという点が特徴的です。 しかし初期の肺がんや軽度の脳梗塞など、普通の肩こりと区別しにくい症状がでる場合もあります。 近ごろ増加中の片方だけの肩こり 最近は利き腕側だけの肩こりに悩む人が増えています。これは今までになかった新しい肩こりの傾向です。 この大きな原因として、スマホを使う習慣が広まったことがあげられます。 スマホの画面を操作するときに、だれでも利き手だけを集中して使いがちです。 しかもうつむきがちになるため、首、肩、片腕に大きな負荷がかかり、片方だけの肩こりをおこします。 またパソコンを使用するときに、右手を多めに使うなど、キーボードタッチに癖のある人は右肩だけの肩こりをおこす傾向があります。 一昔前までは、片方だけの肩こりといえば病気の可能性を疑うのが一般的でした。生活習慣の変化で、今はただの肩こりと病気による肩こりとの区別がつきにくくなっているといえるかもしれません。 片方だけの肩こりをおこす病気とは? 左右どちらかだけに肩こりの症状がでる内蔵疾患はたくさんあります。 右肩だけが痛むときは肝臓疾患の可能性があります。肝臓は身体の右側にある臓器です。肝臓が腫れると、すぐ上にある横隔膜が押し上げられるため、右側の肩や背中にこりや痛みが生じます。 胃腸や胆のうの疾患の場合も、右肩にしびれや痛みがおきることがあります。 胃腸障害による痛みは、右肩だけでなく、右側肩甲骨から背骨までの広い範囲に感じられるのが特徴です。 左側だけの肩こりは、心臓病の前兆かもしれません。動脈硬化が進んで心臓の血管に負担がかかっているとき、左肩だけにがんこな肩こりが起こることもあります。 病気のサインとただの肩こりの見分け方 普通の肩こりと内臓疾患による肩こりには、大きな違いがあります。 それは肩の筋肉をほぐしたことで、肩こりが改善するかどうかということです。 普通の肩こりとは、筋繊維の緊張が続いたことによる筋肉疲労です。 ストレッチや入浴で肩の筋肉をほぐして血行を改善すれば、普通の肩こりなら痛みが多少でも和らぎます。 内臓疾患が引き起こしている肩こりの場合、肩の筋肉をどれだけいたわっても痛みは改善しません。 痛みの原因は筋肉そのものではなく、他の臓器の異常にあるからです。 肩こりが改善しないだけでなく、痛みが次第に強くなるときは、内臓疾患を疑うべきでしょう。 特に見分けにくい片方の肩こりを伴う病気 普通の肩こりと区別しにくいのが、肺がんによる肩の痛みです。肺は左右に2つありますが、この病気による痛みは、腫瘍のできている片側だけにみられます。 肺がんによる肩こりは重たく痺れるような痛みです。 しかも初期のころは、痛みがあらわれたり消えたりします。 痛みがなくなったので安心して肩こりのことを忘れていると、病状が次第に進んでしまうので注意が必要です。 脳梗塞がおきるときにも、片方の肩こりと頭痛がおきることがあります。軽度の脳梗塞の場合は症状も軽いため、ただの肩こりだと思ってそのまま何時間も放置する人もいます。 しかし脳梗塞の治療は一刻を争います。めまいや腕のしびれまであらわれたら、迷わずにすぐに病院へ行きましょう。
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