五十肩は自然に治るものだと思って放置した結果、重症化してしまうケースは多いものです。 「五十肩で肩が動かせないのは痛みが酷いから。」と思われがちなのですが、その考え方は違っています。 実は五十肩は肩の可動域が限られてしまうものなのです。つまり、肩が痛くなくても腕や肩が動かせない、それが五十肩なのです。 このことが分かっていないと、痛みばかりを気にして肩の可動域を治療することを忘れてしまうのです。 では、五十肩の重症化を防ぐためには、一体どうしたら良いのでしょうか。 五十肩の患者さんのうち2割の人が慢性期に痛みを残してしまう! 五十肩を発症すると、激痛を感じる急性期が数ヶ月続きます。 この時期は基本的には薬や湿布などによって痛みを軽減しながら、安静にすることが基本的には求められます。場合によっては痛みが生じない程度にリハビリを行う場合もあります。 そして、慢性期に入って痛みが落ち着いて半年以上肩の動かしにくい慢性期が継続し、回復期が来ます。 しかし、回復期に入ることなく痛みを残したまま慢性期を過ごしている人が五十肩の患者さんのうち、2割程度いるといわれています。 こうした人たちは、肩の拘縮が重症化して、腕を上げたり横に広げたりする時に痛みが起こりやすくなるのです。 拘縮肩が重症化すると肩甲骨の先端にトゲが発生する! 五十肩の中でも重症化したものを拘縮(こうしゅく)肩と呼びます。重症化すると肩の可動域が狭くなることは、何となく聞いたことがある方は多いでしょう。 拘縮肩になるのは、肩甲骨の先端にトゲが発生して、肩の隙間が減ってしまうことに原因があります。 肩の隙間がゆったりしていれば肩を動かした時に腱板を傷付けてしまうことはないのですが、隙間が少ないとどうしても腱板に当たりやすくなります。 さらに、腱が肩で癒着することで、肘や腕まで痛みが及ぶこともあります。 重症化した五十肩には関節鏡を使用した手術を行うことも! 拘縮肩はまずはヒアルロン酸注射で治療することが多いのですが、あまりに重傷化していると効果が実感できないことがあります。 そんな時には、手術を行うことがあります。 例えば関節鏡を使った手術では、肩関節辺りに関節鏡やメスを入れるための7mmの穴を4箇所開けて、骨に発生したトゲを削って骨に癒着している腱を剥がしていきます。 パソコンを長時間使用していると肩甲骨にとげができやすくなる 最近ではパソコンを長時間使用する方が増えており、どうしても腕が前に出やすくなります。 このままの生活を続けていては、肩関節の前面が狭くなって肩甲骨にトゲが発生しやすくなります。 五十肩を予防するには、パソコンを使用している中にも、適度に休憩をし、肩関節を大きく動かすようにしたり、腕を広げてみたりするなど、意識的にしていくことが大切です。 まとめ 五十肩は痛くて肩や腕が動かないのではなく、痛みがたとえなくても、肩や腕の可動域が狭くなってしまうことのことをいいます。 通常は急性期、慢性期を経て回復期に向かいますが、全体のうち約2割の人は慢性期にとどまり、辛い状態が続きます。 五十肩が重症化した拘縮肩になった場合はヒアルロン酸注射で治療をすることが多いですが、状態が酷い場合は手術が行われるケースもあります。 なかなか改善しない五十肩は整体や鍼灸院、整骨院といった治療院で回復するケースもありますので、一度治療院で治療を受けてみることを選択肢のひとつに入れてみるのもいいでしょう。
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