ランニングをしていると股関節痛を感じることがあります。これはランニング障害のうちのひとつで、変形性股関節痛とよばれる症状です。ランニングを続けている人や中年女性にこの症状は比較的よくみられます。 中年期の女性の股関節痛には、加齢の影響が考えられます。 女性は更年期をむかえると、骨や筋肉の衰えや体重の増加など、股関節に負担のかかる条件が増えます。 からだの変化に気づかずに走行距離を伸ばしてしまうことが、股関節を傷めることにつながります。 痛みが長引くようなら、適切な治療を受けるようにしましょう。また、股関節に負担をかけないフォームやストレッチの習慣を身につければ、再発を防ぎ、その後もマラソンを長く楽しむことができます。 中年の女性ランナーになぜ股関節痛がおこるのか 股関節痛の直接の原因は、ランニングの着地によって股関節に繰り返し加えられる衝撃です。しかし中年期の女性の場合は、更年期障害という女性特有のからだの変化も原因のひとつにあげられます。 更年期になると、ホルモンバランスの崩れの影響でただでさえ筋肉や腱が弱っていきます。多くの中年女性が股関節痛を起こすのは、こうしたからだの衰えに気づかずに走行距離を伸ばしてしまうからです。 ダイエット目的でランニングを始めた女性は、股関節痛をおこすリスクがさらに高くなります。上半身が重いと、股関節に必要以上の負荷が加わるからです。 股関節痛がおきたときの対処法 ランニングが原因でおきる多くの股関節痛は、変形性股関節症によるものです。 痛みの原因は、股関節の筋肉や軟骨に生じた炎症です。この疾患の場合、最初は鈍い痛みやしびれを、お尻から股関節、太ももあたりに感じます。 ランニング中にこうした異常を感じたら、運動をすぐに中止しましょう。 走り続けていると、しびれや痛みがひどくなるときがあります。痛みが強いときは冷湿布をしたり、市販の鎮痛剤を飲んだりして対処することもできますが、できれば早いうちに病院に行くといいでしょう。 痛みがひいても、しばらくは股関節に衝撃を与えない生活をすることが大切です。炎症が完全に治まる前にランニングを再開すると、疾患の治癒が遅れることがあります。 股関節痛が長引いたときはどの病院へ行くのか? 股関節の痛みが長引いたり、何度も再発したりするときは、一度、整形外科で診てもらうほうがいいでしょう。 股関節の疾患は問診と触診だけでは判別が難しいのですが、整形外科へ行けば、レントゲンやMRI画像を使って、股関節の病状を詳しく診断してもらうことができます。 女性の場合、骨粗鬆症や生まれつきの股関節の形が、変形性股関節症の原因のひとつになっていることもあります。 治療に入る前に正確な診断をしてもらうことで、辛い股関節痛を早期に改善させていきましょう。 股関節痛をおこしにくいランニングとは 少し気をつけるだけで、股関節をいたわるランニングをすることができます。再発を防ぐためにも、関節に負担をかけないランニングを覚えましょう。 走りはじめる前に、股関節のストレッチは念入りに行いましょう。 股関節にはいくつもの筋肉群が作用しています。よく使う部位を意識しながらストレッチを行うと、必要な筋肉群を十分柔軟にすることができます。 足を踏み出すときに使う外転筋や、関節への衝撃を吸収する外旋筋はとくにしっかりと伸ばすことが大切です。 ランニング中は、上半身を左右に揺らさないフォームで走りましょう。 上半身のバランスがずれると、股関節に大きな負担がかかるからです。 最後になると疲れてからだが左右に揺れてしまう人は、走る距離を短くしましょう。 正しいフォームを無理なく続けられる範囲が、体力にふさわしい走行距離です。 走りすぎると股関節に疲労がたまり、炎症と痛みの原因になります。 1週間に1日はランニングを休み、股関節を安静にして過ごすといいでしょう。
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