更年期にさしかかった女性は、何もしていないのに頭が急にクラクラするめまいの症状に悩まされることがあります。 これはホルモンバランスの崩れによっておこるものなので、更年期性のめまいを心配する必要はありません。 ただ、よく似ためまいはほかの深刻な疾患でも引き起こされます。症状が長引くときは専門医を受診し、原因を早めに特定しましょう。 更年期の女性にめまいがよくみられる理由 40代以上の女性はホルモンバランスが崩れやすくなっています。この時期に大きく減少するのは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンです。 エストロゲンには血管拡張作用があるため、これが減少すると体の血流が悪くなります。脳への血流量も不足し、めまいがおきると考えられています。 更年期が原因のめまいの特徴 更年期性のめまいの一般的な特徴は、頭が突然クラクラしたり、床が揺れている感覚になったりすることです。 このめまいにはとくに前触れもなく、急に振り向くなど、首に負担をかける動作をしない場合でもおこります。 体がほてる、汗をよくかく、イライラするなど、更年期特有のほかの症状が、めまいと同時にみられることもあります。 しかし個人差も大きく、症状だけでは更年期が原因かどうかを正しく判別することはむずかしいでしょう。気になるときは病院で受診し、必要な検査を受ける法が安心です。 更年期だからと思ってめまいを放置していると、ほかの疾患を見逃すこともあります。 更年期障害とまちがえやすい危険なめまい 首の骨の疾患である腰椎椎間板ヘルニアを患っていると、更年期障害性によく似ためまいが起きることがあります。めまいだけでなく、強い頭痛や手や下肢にしびれがみられる場合はこの疾患を疑いましょう。 子宮筋腫や子宮内膜症が悪化したときも、全身の血流不足から頭がクラクラすることもよくあります。 床がふわふわと揺れているようなめまいは、脳腫瘍、脳血栓、脳梗塞などの脳の病気の場合にもみられます。高血圧や自律神経失調症も、同じようなタイプのめまいを引き起こす疾患です。 めまいのほかに耳鳴りがおきる場合は、突発性難聴やメニエール病の可能性もあります。 めまいはめずらしい症状ではないため、原因の特定はかえって困難です。しばらく休養をとってもおさまらないときは、専門の医療機関で検査を受けるほうがいいでしょう。 更年期によるめまいの治療法 更年期自体は止めることができないため、このめまいの原因を取りのぞくことは不可能です。しかし自律神経を整える努力を続ければ、このタイプのめまいでも少しずつ改善させることができます。 睡眠不足や過労による体の疲れ、強いストレスによるメンタルの疲れなどを、なるべく溜め込まないようにしましょう。 自律神経を整える作用のある漢方薬の服用も、めまいを含む更年期障害の改善に効果があります。 更年期は40代半ばから始まり、10年近く続きます。女性特有の更年期のめまいには、根気欲つきあっていく覚悟が必要です。
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