首に椎間板ヘルニアを発症すると、頭痛の症状があらわれます。 椎間板ヘルニアは、腰椎におこる場合と頚椎におこる場合とがあります。頭痛がおきるのは、頚椎のヘルニアのときだけです。頚椎は頭に直接つながっているため、首の異常が頭にダイレクトに影響を与えます。 この頭痛は、頚椎椎間板ヘルニアを治療すれば自然と解消します。疾患の治療に時間がかかる場合は、対処療法で頭痛のみをおさえることを目指します。 自宅でのセルフケアを加えれば、頭痛が早めにおさまるだけでなくヘルニアの再発も防ぐことができます。 頚椎椎間板ヘルニアを発症する原因 頚椎椎間板ヘルニアは、40代以上の人がよく発症する疾患です。第1の原因としては、骨と筋肉の老化が考えられます。年齢と共に頚骨自体がもろくなること、頚骨を支えている首の筋肉が弱くなることが原因で発症しやすくなります。 猫背やストレートネックで、首に負担のかかる姿勢が習慣になっている人は、中年になってから頚椎椎間板ヘルニアの発症率は上がります。 椎間板ヘルニアで頭痛がおきるメカニズム 頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨と骨のすき間でクッションの役割をする椎間板が飛び出す疾患です。 骨関節が滑らかさを失うことで、周囲の筋肉に必要以上の負担がかかります。 特に緊張を強いられるのは、首の後ろにある胸鎖乳突筋や板状筋です。これらの筋肉は頭の後頭筋と頭半棘筋につながっています。 筋肉のゆがみと緊張は伝わるため、首の筋肉と同じように頭を覆う筋肉にも負担がかかるようになります。 このために頚椎のヘルニアで頭痛がおきます。 首の骨のヘルニアでおきる頭痛をおさえる方法 ヘルニアが改善すれば頭痛もおさまります。しかし頚椎椎間板ヘルニアの治療には、長い時間が一般には必要です。 ヘルニア自体の治療とは別に、頭痛を抑える対処を行う必要があります。 頭痛をおさえるには、首の筋肉の緊張をゆるめることが大切です。ゆっくりと湯船につかる、蒸しタオルを首にあてる、首に温湿布をするなどの工夫で、首の緊張をほぐして頭痛を起こさないようにすることができます。 それでも頭痛が起きるときは、鎮痛剤を服用し、痛みを緩和するようにするといいでしょう。 ただし、鎮痛剤を服用するのは根本的な解決にはなりません。 鍼灸院や整体院などで首の筋肉の緊張を緩める施術を行うなどしていくことをおすすめします。 頚椎椎間板ヘルニアを改善するために自宅で首の筋肉強化 強い筋肉があれば、ヘルニアで歪んだ頚椎を外側から支えることができます。首の筋肉強化トレーニングと柔軟性を高めるストレッチを続けることが、頚椎椎間板ヘルニアの症状改善には大切です。 こうして強くしなやかな筋肉を作ると、ヘルニアの再発を防ぐこともできます。 短時間でできる運動なので、自宅でセルフケアの習慣をもちましょう。 首の筋肉強化に有効なトレーニング 首の筋肉強化に有効なトレーニングを紹介します。 左右の手の平を額に当て、力を加えて強めに額を押します。同時に頭にも力を加え、前へ倒すようにします。手と頭の力が釣り合うように、バランスよく押し合います。この動作を5秒間続け、10回繰り返してください。 次に左右の手を後頭部で組み、手の平で頭を後ろから押します。同時に頭は、後方へ倒すように力を加えます。この動作も5秒ずつ10回繰り返してください。 首の後ろの筋肉のストレッチ 次に首の後ろの筋肉のストレッチ法を紹介します。 顔を前へ向けてまっすぐに立ちます。あごを胸につけるようなイメージで、息を吐きながら頭をゆっくりと前方へ倒します。 首の後ろの筋肉が伸びているのを意識しましょう。息を吐ききったら頭を上げます。この動作を10回くりかえします。 頚椎を傷めないように、動きはかならずゆっくりと行うようにしてください。頭を後ろへ倒すストレッチは避けましょう。
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