右側だけに感じられる背中のしびれは、ただの筋肉疲労ではないかもしれません。背中のしびれは、内臓の病気が原因でおこることもあります。 背中のしびれを感じたら、疲れによるものなのか疾患のせいなのかを、まずは自分で注意して見分けることが必要です。病気の疑いがあると感じたら、早めに内科等を受診しましょう。 背中のしびれは、ふだんからこまめにケアすることが大切です。セルフケアの習慣があれば、いつもとは違う異常なしびれにも早めに気づくことができます。 右側の背中のしびれがおきる原因 背中の右側はしびれがおきやすい場所です。 もっともよくある原因は、長時間のデスクワークやパソコン作業による血行不良です。 長い時間座って仕事をしていると、前かがみの姿勢が続きますし、右利きの人は右腕を人一倍酷使します。 このため右の肩甲骨周辺の筋肉がつねに緊張した状態になり、血行不良によるしびれが背中右側におきます。 一部の内臓の異常が、背中の右側にしびれとなって現れることもめずらしくありません。とくに肩甲骨周辺の臓器に疾患があるときは、背中の皮膚に痛みやしびれがみられます。 右側の背中のしびれや痛みをひきおこす病気 右側肩甲骨の近くにある臓器は、胆のう、肝臓、心臓、胃、肺などです。これらの臓器に疾患があるとき、背中右側にしびれや痛みがおきます。 比較的強い痛みが右側背中に現れる疾患は、胆石症や胆のう炎です。それに対し肝炎などの肝臓疾患の場合は、背中の右側にしびれやだるさがみられます。胃や肺に腫瘍がある人も、病巣の場所によっては、背中の右側にしびれを感じることがあります。 ただの疲労か病気かを見分けるポイント 背中のしびれという症状が、筋肉疲労が原因か内臓疾患が原因かを判断するのは簡単ではないので、病院に行って判断するのが一番ですが、自分で見分けるには、まずはしばらく安静に過ごしてみるといいでしょう。 筋肉疲労が原因であれば、背中の筋肉の緊張が解けると背中のしびれは次第に消えていきます。 休養しても背中に同じ違和感がある場合は、内臓の病気の可能性を疑いましょう。 内臓疾患がある場合は、背中のしびれ以外にも異常がみられます。全身の体調を観察することも、疲労と病気を見分けるうえでは大切なポイントです。肝臓障害のときにみられる黄疸や発熱、胆のう疾患でみられる白っぽい便やみぞおちの違和感などの有無にはとくに注意しましょう。 背中のしびれを解消するためのセルフケア 筋肉疲労が原因のしびれは、セルフケアでも緩和することができます。 ぬるめの湯でのゆったりとした入浴や、肩甲骨を動かすストレッチなどを毎日の習慣にしましょう。デスクワーク時やふだんの姿勢を正したり、十分な睡眠をとったりすることも、背中の疲労回復としびれ解消に効果があります。 しかし内臓に疾患があるときのしびれは、こうしたケアでは消えません。普段から体の状態に関心をもってケアをすることが、体の異常に気づく早道だともいえます。
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