肩こりの原因のひとつとして、肩甲骨がうまく動かなくなっていることが挙げられます。肩甲骨が固まってしまうと、背中上部の筋肉だけでなく、肩や首の血流までわるくなるからです。 デスクワークや家事で忙しい女性は、肩甲骨が外側に開いたまま固まっている可能性があります。 慢性的なひどい肩こりに悩んでいる人は、肩甲骨の動きをスムーズにするストレッチを試してみましょう。 肩甲骨にアプローチすることで、肩こりがすっきりと解消することもあります。 肩甲骨が固まることで肩こりのおきるメカニズム 背中の皮膚の下には、首から背中の真ん中まで広がる、僧帽筋という大きな筋肉があります。首の部分は上部僧帽筋、肩の部分は中部僧帽筋、それより下は下部僧帽筋という名称です。3つの筋肉群はそれぞれ肩甲骨とつながっていて、この骨を開閉させたり上下に動かしたりする働きがあります。 肩甲骨の動きが少なくなると、僧帽筋の3つの部位もほとんど動きません。この結果、僧帽筋全体の血流がわるくなり、萎縮してこりをひきおこします。中部僧帽筋の血行不良が肩こりという症状といわれています。 なぜ肩甲骨の動きがわるくなるのか? 肩甲骨が固まってしまう原因のひとつは、腕を大きく動かす機会が日常生活の中にほとんどないことです。腕を肩より上にあげたり、肩より後方へ引っぱったりする動作はとくに少ないといえます。 デスクワークや車の運転など、同じ姿勢を長時間とり続ける機会が多いことも、肩甲骨を固めてしまう原因です。 肩甲骨を動かす方向が限定されたり、いつも同じ姿勢を続けたりしていると、僧帽筋への血流が減り柔軟性が失われていきます。 肩甲骨が張り付いたように動かなくなるのは、僧帽筋が衰えて萎縮しているからです。 現代の女性に多いのは外側に開いたまま固まった肩甲骨 オフィスワークや家事で忙しい女性は、気づかないうちに肩を丸め、前かがみの姿勢をとっています。このとき肩甲骨は外へ開いた状態です。前かがみや猫背の姿勢が続くと、僧帽筋はそのままの状態で固まり、肩甲骨も開きっぱなしになります。 女性のブラジャーも僧帽筋の血行不良の原因です。きついブラジャーを身に着けていると、締め付けられた肩や背中の僧帽筋にますます血が流れなくなり、肩甲骨を動かす筋肉が萎縮します。 これらが原因で、現代女性の多くは肩甲骨が開いたままフリーズしています。 肩甲骨の動きをよくするストレッチ 両足を肩幅に開き、顔を正面にむけながらまっすぐ立ちます。両腕をうしろに回し、左右の手の平を合わせて指をしっかりと組みます。ひじを伸ばしたまま、両腕をできるだけ上へ引っぱり上げます。両腕を元の位置にゆっくり戻します。この動作を10回繰り返します。 左右の肩甲骨が内側へ引き寄せられているのを意識し、腕をゆっくりと上げ下げするのがコツです。 顔を前方へ向けたまままっすぐに立ち、両手を腰にあてます。息を吸いながら両肩を思いっきり上へあげ、3秒キープします。息を吐きながら両肩をゆっくりさげ、脱力したまま3秒キープします。この動作を10回繰り返します。 肩甲骨が上下に動いていることを意識して行いましょう。巻き肩や猫背にならないように、胸を張って動作を行うようにしてください。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします