正しいストレッチの方法を覚えれば、腰椎分離症のつらい症状を大きく改善させることができます。 腰椎分離症は誰にでも起こりうる疾患です。若いころに腰椎分離症をおこしていても、症状が出ないために気づかない人もたくさんいます。 中高年になってから痛みが出る原因のひとつとして、加齢による腰周辺の筋肉の衰えがあげられます。 老化で固く萎縮した筋肉を伸ばすにはストレッチが最適です。 腰椎分離症の症状改善には、背骨周辺の筋肉だけでなく、腰とつながっている骨盤回りの筋肉も伸ばすと効果があります。 腰椎分離症の原因と症状 腰椎分離症とは、腰椎の背中側にある椎弓という細い骨が折れる疾患です。決して珍しい疾患ではなく、10代の子どもから成人まで、幅広い年代でみられるのが腰椎分離症の特徴です。 この疾患は、サッカーや水泳など、腰をひねる動作の多いスポーツをする人によくみられます。しかしスポーツ習慣のない人がでも、いつの間にか腰椎分離症をおこしていたというケースもあります。 腰椎分離症の主な症状は、腰部の鈍痛です。腰を反らすときに痛みがあらわれたり、痛みが強くなったりする特徴があります。 症状が進むと、なにもしなくても腰全体が重くしびれるような感じになることもあります。 腰椎分離症を改善させるにはどの筋肉を伸ばすべきか 腰椎分離症の痛みを軽減するには、腰周辺の強い筋肉で背骨をしっかりと支えることです。腰椎を安定させるには、背骨の周囲にある脊柱起立筋と、腰と骨盤をつないでいる大腰筋を意識して鍛えるといいでしょう。 どちらも体の深部にあるインナーマッスルなので、これらを強化するにはストレッチが最適です。 ジムで行うようなハードな腹筋、背筋運動では、これらの筋肉に刺激を与えることはできません。十分なストレッチを行うと筋肉に柔軟性が戻り、コルセットのように骨をしっかりと支えることができます。 腰椎をささえる脊柱起立筋のストレッチ 腰椎分離症対策のためには、脊柱起立筋の特に下側を伸ばすストレッチが効果的です。 床にお尻をついて座り、膝をかるく曲げた両足をなるべく大きく左右に開きます。両腕は左右の足の間に置いておきます。 上半身をゆっくりと前方に倒し、手先から両肘までを床にぴったりと着けるように上半身をかがめます。顔はお腹を見るようにします。 背中の真ん中からお尻までの筋肉が伸びているのを意識してください。このポーズを30秒間キープし、ゆっくりと上体をおこして終了です。このストレッチを3回繰り返します。 骨盤周辺の大腰筋を柔軟にするためのストレッチ 背筋を伸ばし、立て膝の姿勢で左足を前に出します。左足の膝は90度に曲げます。 右足は膝下をぴったりと床につけておきます。前方に出した左足にゆっくりと体重をかけ、この姿勢を30秒キープします。 右足の股関節周辺の大腰筋が伸びていることを意識しましょう。 左右の足を入れ替え、左足の大腰筋も伸ばします。左右1回ずつのストレッチをワンセットにして、2、3セット行うと効果的です。 どちらのストレッチもかんたんな動作です。運動習慣のない人や、体力のない中高年の方でも、これならむりなく続けることができるでしょう。
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