腰に激痛が起こる症状はいくつかあるため、適切な検査で原因を正しく知ることが大切です。腰痛はありふれた症状です。 症状が軽いうちに軽く見ていて放置してしまうと、症状が悪化し、治療が長引く危険があります。 まずは病院に行って検査を受けてみましょう。もし腰痛の原因が内臓にあると判断されると、内科や婦人科などを受診する必要がでてくることもあります。 腰痛で受診したときの検査法 整形外科では問診、視診、触診、画像診断などの方法で腰痛の原因を突き止めます。 骨に異常があるとおもわれる場合、レントゲンやMRIなどの画像診断を行います。 多くの腰痛は、脊椎の下部の腰椎という骨とその周囲で発生します。腰椎は脊椎の下部にある、連続した5つの骨です。これらの骨のどこかに異常が画像診断でみつかれば、椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症などの診断がくだされます。 問診や触診で腰の筋肉に異常があると思われるのに、画像診断で腰の骨に異常がみあたらないこともあります。この場合はぎっくり腰と診断されることが多いようです。 整形外科でのすべての検査で異常がみられない場合、内臓疾患が原因の腰痛だと判断され、内科や婦人科へ行き、血液検査や尿検査などで病変のある臓器を特定することをすすめられることがあります。 整形外科での診断に基づいて治療をしていても、なかなか改善しないというときには、セカンドオピニオンを求めることも大切です。 中には4件目の整形外科で正しい症状名が分かり治療を受け回復に向かったケースもあるということなので、なかなか回復に向かわないときには別の専門家に相談することも大切です。 セカンドオピニオンに関する詳しいコラムは上原先生のコラムを参考にしてみてくださいね。 >>【セカンドオピニオンの本当の活用法<前半>】 腰の骨の異常からおこる椎間板ヘルニア 激痛が腰にみられる代表的な骨の疾患は、腰椎椎間板ヘルニアです。 この疾患の場合は、腰に電気の流れるような強い痛みがあります。どの椎間板でも問題はおこりますが、第4、5腰椎の椎間板の異常がもっとも多いといわれます。 腰椎椎間板ヘルニアの症状が進むと、腰からお尻や太ももにかけてしびれるような、坐骨神経痛により痛みも加わります。 腰に負担をかけない生活を心掛けることで、このつらい腰痛は軽減できます。しかし完治させることは難しく、初期のうちにしっかりと治療をすることが大切です。 骨周辺の筋肉や神経に原因があるぎっくり腰 腰に突然激痛がはしる症状として、ぎっくり腰もあげられます。 ぎっくり腰の痛みは、腰痛周辺の筋肉や神経の異常でおこります。骨に異常がみられないことが多いため、レントゲン画像診断では問題はみつかりません。この場合は、問診と触診が診断の決め手となります。 ぎっくり腰の痛みは最初の2、3日がもっとも激しいという特徴があります。このあと痛みはしだいに和らぎ、1週間ほどでゆっくりと歩くことができるようになります。腰以外には痛みなどの不快症状はみられません。 近くにある内臓疾患が原因となる腰痛 腰痛があっても、原因は腰そのものにあるとはかぎりません。付近の内臓疾患が腰の機能に影響を与えてつらい痛みをひきおこすこともあります。 整形外科の検査で異常がみつからない場合は、内科や婦人科で精密検査を受けましょう。 胃、すい臓、胆のうなどの消火器系の疾患では、腰痛があらわれることはめずらしくありません。 また子宮や卵巣など、婦人科系の内臓疾患によっても腰痛は引き起こされます。 内臓疾患による腰痛の特徴は、動いたときだけでなく、寝ていても腰痛を感じるという点です。さらに、ぎっくり腰とは違い、時間が経過しても腰の痛みは和らぐことがありません。 たかが腰痛とおもって痛みを長期間我慢しないようにしましょう。深刻な内臓の病気を見逃し、治療の適切なタイミングをのがす危険があります。
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