重いものをもっているわけでもないのに、長時間立っていると腰が痛くなるという人がいます。 このタイプの腰痛をおこす人の多くは、立っているときの上半身の姿勢が歪んでいる可能性があります。 腰痛を防ぐには、正しい立位の姿勢を意識して身につけることが大切です。 姿勢改善のために大腰筋をのばすストレッチを毎日の習慣に加えるだけでも、腰痛予防に十分な効果があります。 立っているだけで腰痛がおきる理由 人の背骨を横からみると、なめらかなS字曲線をえがいています。この背骨のカーブのおかげで頭部と上半身の重量が分散されるため、腰は大きな重量を支えずに済むのです。 しかし上半身の姿勢のわるい人は、背骨のこの曲線が歪んでいます。猫背ぎみで上半身が前傾している人や、骨盤が前に倒れている反り腰の人の背骨は、上半身の重量を十分に分散させることができません。 姿勢の悪い人は、腰だけで上半身のすべての重さを支えることになります。そのため、腰の筋肉がすぐに痛くなり、立っていられなくなるのです。 特に更年期にさしかかった女性は姿勢に注意しましょう。 ホルモンバランスの崩れで、更年期には体重の増加がおこります。体重が急に増加すると腰への負担が増えるため、少し立っているだけでも腰を傷めやすくなります。 腰に負担をかけない理想的な立ち姿 上半身を正しい姿勢に保つと、長時間立っていても腰が痛くなることはありません。 頭、肩、骨盤が縦一直線のライン上にならんでいる状態が、腰に負担のない理想的な立位の姿勢です。 正しい姿勢をつくるには、骨盤の角度と肩の位置を意識することが大切です。 尾てい骨がからだの真下にあるようなイメージで立つと、骨盤は自然と正しい角度に整います。 胸をしっかりとはり、巻き肩にならないように気を付けましょう。 大腰筋を効果的にほぐすストレッチ 腰痛が気になる人は、大腰筋をしっかりとほぐすストレッチを就寝前に行うと効果的です。 ヨガの猫のポーズには、大腰筋の柔軟性を高め、脊椎のカーブを整える効果があります。 ポーズをつくるだけでもストレッチ効果はあります。 最初は呼吸のタイミングを気にせずに行ってもいいでしょう。 床に四つんばいになり、目線は床に向けます。 両腕と両ひざは肩幅程度に開きます。息を吸いながら、背中を丸めて天井へ突き出します。 両足の間から後方を見るように頭を下げます。ふつうの呼吸をしながら30秒間ポーズをキープします。 息を吸いながら、背中をできるだけ反らせます。このとき、両腕と両足は動かさないように注意しましょう。 普通の呼吸を続けながら、30秒間ポーズをキープします。 腹筋と背筋運動は姿勢の改善に役立つ? 立つときに姿勢がくずれる原因のひとつは、腰の前後の筋肉の弱さです。 骨盤を正しい角度で長時間立てるには、腰まわりにしっかりした筋肉をつけることが必要です。 しかし腹筋運動と背筋運動は、姿勢改善や腰痛予防には効果がありません。骨盤を支えているのは、体の深い部分にあるインナーマッスルだからです。 インナーマッスルを動かし、柔軟に保つには、ストレッチやヨガが効果があります。
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