腰椎すべり症は、手術で痛みなどの不快症状を大きく軽減できる可能性があります。 腰椎すべり症とよばれる疾病は、分離すべり症と変形すべり症に大きく分けられます。分離すべり症は年齢に関係なく現れますが、変形すべり症のほとんどの患者は中高年女性です。どちらも腰椎が前へすべることで、腰の痛みや下肢のしびれを起こします。 手術をしなくても腰椎すべり症は改善できる 腰椎すべり症は悪性の疾病ではありません。痛みがよほどひどくならない限り、医師は手術ではなく、保存療法を勧めるのが一般的です。 保存療法では、消炎鎮痛剤が使われるほか、コルセットで腰を保護して腰椎の動きを少なくするなどの疼痛対策が取られます。 腰部の軽い筋肉トレーニングも、腰椎すべり症の治療として有効です。インナーマッスルをうまく鍛えると、腰椎が筋肉で支えられるようになります。これで椎骨のずれが抑えられるようなら、その患者は症状の進行を早めに食い止めることも可能です。 どこまでひどくなったら手術を考えるべきか 生活や仕事に支障がでるほどの痛みがでるようになると、たいていの医師は腰椎すべり症患者に手術を勧めるでしょう。 それでも手術を避けたいと患者が希望する場合は、腰への神経ブロック注射で疼痛を抑える方法が選ばれます。しかし注射では、症状は根本的に解消できせん。注射のために定期的に通院しなければならないなど、この方法では患者の負担がかえって大きくなることもあります。 とくに変形すべり症で手術が勧められるのは、排便や排尿に支障が出始めたときです。変形すべり症がおこる第3、4、5腰椎周辺は、排泄に関係した神経が通っています。大きくずれた椎骨は神経を圧迫し、排泄障害をおこすこともあります。 痛みやしびれだけでなく、排泄に困難が出てくると、治療の選択肢はほぼ手術しかありません。 手術を受けたあとに気をつけるべきこと 腰椎すべり症の手術では、すべっている椎骨を正しい位置へ戻して安定させる固定術という方法が一般的に採用されます。術後は骨が神経を圧迫しなくなるので、しびれも少しずつ取れ、患者は日常生活を普通に送れるようになります。 ただ手術後に、健常者とまったく同じ動作を患者ができるようになるとは限りません。腰椎すべり症の術式は、腰椎同士をボルトで固定することで安定させるものです。骨粗しょう症で椎骨の骨密度が低くなっている女性は、ボルト付近に衝撃を与えるような動きは避けるべきでしょう。 まとめ 腰椎すべり症の治療法は、手術以外にも何通りもあります。症状が軽いうちは、保存療法を試してみるといいでしょう。手術をすれば、重症の腰椎すべり症でも病状が大幅に改善できますが、全快とまではいかないかもしれません。 とくに骨の弱っている中高年女性は、この点について、術前に医師としっかり話し合う必要があります。 また、手術しかない、と言われていた人でも腰椎分離症の治療を得意とする整体院で症状が良くなるケースもありますので、「手術はなるべく避けたい」と思っている方は一度、専門の整体院に相談してみることをおすすめします。
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