こんにちは。吉川良介と申します。都内で小さな治療院を営んでいます。この度ご縁を頂きまして、こちらのコラムを不定期に担当させて頂きます。 私がこの道に入ったのは比較的遅く29歳の時でした。それまで勤めていた会社を辞めて柔道整復師(ほねつぎ)を養成する学校に入学したのでした。 10代の頃から思い描いていた道に軌道修正したのです。現在49歳なので、もう20年経つのですねぇ。でも人間の身体はとても奥が深い。 20年。まだまだ道半ばです。 さて、第一回目は「人間は歩く動物だから歩かなくてはならない」ということについて書いてみたいと思います。 人間は宿命的に腰痛を抱えている説は本当? 「人間は二本足で立ち上がった時から宿命的に腰痛を抱えている」といった説を耳にしたことのある方も多いと思います。 なんとなく説得力があるし医学博士の言うことなので、そんなものかなとも思ってしまいます。マスコミも繰り返し取り上げるので今や常識として通用するぐらいになってしまった理論です。 でも、と私達、一部の臨床家は考えます。人間はそんな欠陥品なのでしょうか。 100万年から400万年前にはほぼ現代人に似た骨格が形成されていたと言います。 “宿命的な腰痛”という欠陥を抱えたまま気の遠くなるほど長い年月の間、種を存続させることが出来るのでしょうか。1万年ほどで滅んでしまった種も数限りなくあるそうです。100万年続いた人類が欠陥品であるわけがないのです。 100万年歩き続けることにより手に入れた人間の骨格形状 「移動」は動物が動物たる一番大きな要素です。 地球上の全ての動物は移動することにより、その移動方法に適した形状に作り上げられると言っても言い過ぎではないと思います。 泳ぐことにより流線型を獲得した魚、飛ぶことにより翼を獲得した鳥、そして人間は二本足でてくてく歩くことにより現在の骨格を獲得しました。 100万年の間、毎日毎日歩き続けることにより手に入れた骨格形状です。 (歩かなければ物を食べることもできず、配偶者に出会うことも出来ないため子孫も残せなかった筈です) 私が教えを乞うたある先生は「機能は形を要求する」と言いましたが、この歩くという機能に要求された私たちの身体の形を維持するためにはやはり歩くという動作が必要なのだと思います。 腰痛は歩かなくなり骨格のアンバランスが発生することで起きる 腰痛や肩こりは現代病と言われる通りここ数十年で激増した疾患です。 ここ数十年で発達した交通機関により激減した歩行量との関係は否定できないと思います。 人間は二本足で立ち上がったから腰痛があるのではありません。二本足で立ち上がったにもかかわらず歩くことが少なくなったために、骨格のアンバランスが発生し、腰痛や肩こりが発症するのだと思います。 そして、これが腰痛や肩こり程度で収まっていればまだいいのですが、もっと深刻な疾患につながっていく可能性も十分あると個人的には思っています。 ウォーキングをすすめる理由。スポーツは体の形がいびつになる可能性が! 私の所へ見える患者さんには一部例外の方を除いてしつこいくらいにウォーキングをお勧めしています。 ジョギングやスポーツではなくウォーキングです。 運動やスポーツは趣味の世界なのでやりたい人がやればいい。 ただそこには身体を壊すリスクが内在されていることを頭の片隅に入れておかなければいけません。 あらゆるスポーツは上達すればするほど身体の形がいびつになります。どちらかの腕が長かったり、太かったり。首がどちらかに傾いていたり。 一方ウォーキングは唯一と言っていいくらいのバランス運動です。 軽度のアンバランスであればそれを補正してしまう力を内在しています。なので、機能的、構造的に歩くことが出来なくなってしまった方以外は多少どこかが痛くても歩いた方がいいのです。 これから寒くなり、雪も積もったりしてウォーキングには不向きな季節になります。それでも頑張って(工夫して)歩いてみませんか?最初は短い時間で構いません。徐々に時間を延ばし、1回40分前後のウォーキングを週に4~5日行なうようになればかなり体調が良くなった自分に出会えると思いますよ。 ※当たり前ですが、強い痛みがある時は安静が一番です! 筆者プロフィール 吉川良介 柔道整復師 吉川整体院長 昭和41年2月 東京生まれ 平成11年3月 「梅ヶ丘よしかわ整骨院」開院 平成17年8月 同院閉院 平成17年10月 東急世田谷線上町駅前にて「吉川整体」開院 現在、都内を中心に東北や、関西方面からも訪れて頂く患者さんの施術に忙しい日々 を送っている。
筆者プロフィール
吉川良介
柔道整復師
吉川整体院長
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