普段から背中を丸めている人のなかには、胸骨が後ろへ出ている方がいます。 猫背を続けたために、背骨がゆがんでしまったことがこの骨の出っ張りの原因です。胸骨がゆがむと、からだに深刻な不調があらわれます。 背骨のカーブを元に戻すには、日常の生活習慣を見直し、姿勢を正すことが何より大切です。 1日の終わりに背骨を伸ばす体操を行えば、日中のデスクワークによる骨へのダメージもリセットすることができます。 背中の骨が出てしまう原因 背骨の一部が出てしまう原因は姿勢の悪さです。 猫背や巻き肩の癖がついている人は、肩甲骨の間の胸骨のカーブがゆがみ、外にむけて飛び出すことがあります。 胸骨が後ろへ飛び出すゆがみは、長時間背中を丸める習慣によって引き起こされる症状です。 デスクワークで前かがみになることが多い人、スマホを頻繁に使う人などにこの歪みはよくみられます。 気分が落ちこみがちで背中をよく丸めている人も、気づかないうちに胸骨の歪みが始まっているかもしれません。 背骨が出ていることでおきる症状 胸骨が後ろにゆがむことで、様々な不快症状があらわれます。代表的な症状は、息苦しさ、からだの冷え、肩こりなどです。 胸骨が後ろに飛び出していると、姿勢がいつも前のめりになるため胸が圧迫されます。これにより肺を十分にふくらませることができず、呼吸が浅くなります。 これが息苦しさや胸の痛みの原因です。 また十分な呼吸ができないことで、からだへの酸素供給量も不足しがちになります。特に毛細血管には必要な酸素が行き渡らなくなり、手や足の筋肉に冷えを生じます。 足のむくみや肌荒れも毛細血管への血流不足が原因です。女性のなかには、生理痛がひどくなる方もいます。 背骨が出ている人は、バランスをとるために頭を前に突き出します。この姿勢では、肩の筋肉に大きな負担がかかります。 頭の重さを首と肩だけで支えているからです。筋肉への負担が大きくなりすぎると、強い肩こりや頭痛を慢性的に生じます。 背骨が出ることを防ぐ生活習慣 背骨が出ることを防ぐには、正しい姿勢で生活することが大切です。 デスクワークの人は、仕事が一段落したときに上体をかならず起こすようにしましょう。 前かがみの姿勢を続けていても、背骨と筋肉を定期的に正しい位置にリセットすることで、猫背の癖を少しずつ矯正することができます。 椅子に座るときに、足を組んだり、デスクに肘をつく習慣も改めましょう。いずれも背中を丸めやすい習慣です。 重いショルダーバッグはできるだけ持たないようにしましょう。ショルダーバッグは肩に負担をかけるだけでなく、背骨のカーブをゆがめる原因です。 どうしても使うときは、左右交互にバッグをかけるようにしましょう。 出ている背骨を元に戻す体操 すでに背骨が出ている人でも、胸骨と周辺の筋肉を毎日伸ばすことで骨のカーブを矯正できます。 背骨は癖のつきやすい骨組織です。軽い歪みであれば、自宅での体操でカーブを矯正することもできます。 背骨のカーブを元に戻す効果のある2つの体操をご紹介します。 まずは胸骨を伸ばす体操です。 椅子に座り、顔は真正面に向けます。両ひじを曲げた腕を肩の高さにまで上げます。ひじを外側に張ります。 両ひじを背中方向へゆっくりと引きます。背中で左右の肩甲骨を引き寄せるイメージです。限界までひじを引いたら、息を吐きながら顔を天井へ向けます。 5秒キープして、息を吸いながら顔と腕を元の位置に戻します。 この体操を10回繰り返します。ひじを後ろへ引いたときに、胸の筋肉が気持ちよく伸びていることがわかれば成功です。 次ぎは、背骨全体を伸ばす効果のある体操です。 床にうつ伏せになり、両手を床について上体を軽く起こします。お腹は床にぴったりとつけます。 息を吐きながら両腕のひじをゆっくり伸ばし、腰をできるだけ大きく反らせます。腰を十分反らせたところで、顎をあげ、顔を天井へ向けます。 20秒間キープします。息を吸いながら上体を元に戻します。 この体操を10回くりかえしましょう。
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