1.頭痛は大きく2つに分類される 頭痛には心配のない頭痛と命に係わる頭痛とがあります。 心配のない頭痛は、俗に「頭痛3兄弟」と呼ばれています。 頭痛3兄弟とは、緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛です。 今回は、命に係わる頭痛の見分け方について書いていきます。 約95%以上は命の心配のない頭痛 頭痛の約95%以上は、頭痛3兄弟とされていますので、あなたの頭痛が危険な頭痛である可能性は低いです。 とはいえ、非常に危険ですので、どういった場合に命に係わる頭痛なのかを知っていることは、大切です。 頭痛が長引きますと、脳に何か起きたと考えますが、頭痛3兄弟の頭痛は、脳の病気ではありません。 頭の中ではなく、頭の外の血管や神経の興奮、異常な働きにより引き起こされています。 詳しくは、改めて、ご紹介します。 危険な頭痛は、脳の中の病気により引き起こされていますので、いかに早く、頭痛外来や脳神経外科、神経内科を受診するかが大切なことになります。 2.危険な頭痛を見抜くポイント 危険な頭痛を引き起こす代表的な病気には、くも膜下出血、脳腫瘍があります。 これらの頭痛かどうかを判断する簡単な方法があります。 専門医でも用いられている確かな方法です。 大阪 心斎橋の鍼灸院 天空でも、頭痛の患者さまが来院された場合は、必ず確認しています。 ポイントはたった3つです。 ①いつ頭痛が起きたか、はっきりと分かる 例:会議でプレゼンをしている最中に頭痛になった 頭痛が起きた時に、時計を見たら10時35分だった ②今までに経験のしたことがない頭痛 例:頭痛持ちだが、今回の頭痛は、いつもと違う 50歳以上で、初めて頭痛を経験した ③頭痛が、徐々にひどくなっていく 例:先週より今週はより痛い 以上の3つのうち、どれか一つでも当てはまれば、すぐに、専門医を受診してください。 夜間であれば、救急車を呼んでください。 救急隊も上のようなことは知っていますので、すぐに駆けつけてくれるはずです。 そして、上の3つがすべて当てはまると、命に係わる頭痛である可能性が100%というデーターもあります。 3.緊急を要する危険な頭痛とは? ①くも膜下出血 危険な頭痛の中でも、特に緊急性が高いものは、脳卒中により起こるくも膜下出血です。 くも膜下出血による頭痛の特徴は、「突然、起こる」です。そして、頭痛が起きたことをはっきりと自覚できています。 気づいたら頭痛をしていたということはありません。 家庭医学の本などには、痛みの特徴を、「ハンマーで殴られたような痛み」、「耐えられない激しい痛み」と書かれていますが、「ぼんやりとした痛み」も40%ぐらいあると言われています。 片頭痛持ちの方は、いつもと違う頭痛と感じることもあります。 痛みの感じより、いつ起きた分かるということが重要になります。 軽い痛みであっても、いつ頭痛になったかはっきりとしている場合は、すぐに、専門医に行きましょう。 これは、時間が経つとCTスキャンを撮っても、出血が吸収され写らなくなり、診断に誤りが生じる可能性があるからです。 くも膜下出血が怖いのは、その多くが24時間以内に再出血をし、それにより死に至る可能性が高いからです。 ②脳腫瘍 脳腫瘍の特徴は、くも膜下出血と反対で、「徐々に痛みがひどくなる」です。 何日か、あるいは、何か月かけてだんだんと頭痛がひどくなります。 また、朝、起床時に頭痛になることが多いので、「朝の頭痛」と呼ばれたりしています。 朝に頭痛になった際に、吐くこともあります。 吐くことにより、脳圧が下がりますので、一時的に頭痛が楽になります。 片頭痛でも吐くことがありますが、片頭痛の場合は、まず、吐き気があり、その後に吐きます。 脳腫瘍の場合は、吐き気がなく、突然、吐くという違いがあります。 このほかにも危険な頭痛はあります。 上の危険な頭痛の見分け方に当てはまれば、危ない頭痛と判断して、専門医を受診してください。 頭痛学会では、その中でも、特に「いつもと違う頭痛」かどうかに注意してくださいとしています。 筆者プロフィール 夘野 裕樹 鍼灸院 天空院長(ポラリス株式会社 代表)資格:鍼灸師 所属学会:全日本鍼灸学会(認定鍼灸師)/日本線維筋痛症学会 鍼灸師になり30年以上が経ちました。 20代で一度、開業しましたが、阪神淡路大震災で閉院しました。 その後、整形外科や整骨院に勤務していました。 あなたが思っている以上に鍼灸はいろいろな病気に効果があります。 この鍼灸の良さをもっと広く社会に知ってもらいたいと思い、改めて、鍼灸専門の治療院を開業しました。 毎日、鍼灸治療と後進の育成に励んでいます。
筆者プロフィール
夘野 裕樹
鍼灸院 天空院長(ポラリス株式会社 代表)
資格:鍼灸師
所属学会:全日本鍼灸学会(認定鍼灸師)/日本線維筋痛症学会
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