よく、腰痛のためのトレーニングや腰痛のための体操などを行うことによってかえって腰痛を悪化させるケースを耳にすることがあります。 これは実際、ある一定の確率で起こってしまうことは避けられません。 フォームが悪いから?やり方が悪いから? そうではありません。 そもそも、自分自身の脳からのコントロールを受け付けなくなってしまっている 強く緊張した筋肉があなたのお体の内部に存在していることが問題なのです。 脳のコントロールを受け付けないわけですからどんなに体を動かしても解決にはなりません。 そう考えると、そもそも自分の努力でなんとかできる腰痛というのは、もともと、原因がそれほど根深くない軽度の腰痛に限られるといえます。 筋トレが腰痛に効くという固定概念 鍛えることが腰痛を改善する方法だという根本的な固定観念。 これは、世間一般に流布されており如何ともしがたいものがあります。 先ほども述べたように、鍛えることによって改善する程度の腰痛というのはもともと軽度の腰痛です。 しかも、往々にしてよく聞くのが、鍛えている間は調子がいいのだが、ちょっと休むと、すぐダメになってしまうという話です。 もし、筋力が弱いことが問題なのであれば筋力を鍛えれば解決になるはずです。なのに、ちょっと休んだだけですぐに調子が悪くなるというのは明らかにオカシイ・・・と考えられませんか? 私はそう考えています。 体の動きは筋肉のバランスによって成立する 私の師匠はいいました。二本足で立って歩けている時点でその人には、十分な筋力が備わっていると。 体の動きというのは、無数の筋肉のバランスによって成立しています。 たとえば、ひじを曲げていくとき我々は力こぶが膨らむ方の筋肉ばかりを意識しますが、実際には、その反対側の筋肉も肘を曲げまいとする向きに力を発揮しているのです。 私たちの体は、常に逆方向の筋力も働かせることで、体の動きをスムーズに動かすことができているのです。 だからこそ「バランス」がものをいいます。 力こぶの側の筋肉を鍛えることよりもその反対側の筋肉と、うまく協力体制が成立しているかということの方が、より楽に体を動かすためのポイントなのです。 「バランス」を悪化させる要因は筋肉の緊張 「バランス」を悪化させる要因はほぼ確実に、筋肉の緊張です。 決して、筋力不足なんかではありません。 このようなバランスが正常に働いてない中で筋力トレーニングなどを行っていくと動いている間は、体もある程度順応してバランスをとってくれるのですが、ちょっと忙しい時などにトレーニングを休むとすぐに、バランスが崩れてしまい、筋力は十分についているはずなのに体が辛くなってしまうのです。 最初の1年と休んだ後の数カ月は腰痛に注意して 筋力トレーニングははじめたばかりの1年間としばらく休んでしまった数か月間の間は突然の腰痛に襲われる可能性があるので注意しながら行いましょう。 始め方も、休み方もできるだけ緩やかに段階を踏んでいくということが重要です。 また、このようなトレーニングに原因のある突然の腰痛というのは、軽い違和感を感じた後翌日以降の数日間の間に急激に強まるということが多いようです。 これはわたくしの整体院にご来院になったお客様からよく聞かれる体験談です。 ですので、ほんのちょっとした違和感というものが、翌日以降に悪化しないかどうか注意深く見守り、危なくなったら早くお近くの治療院に駆け込むということも重要だと思います。 筆者プロフィール 村山 俊介 中真整体院院長 1975年9月17日広島生まれ。 東大在学中に演劇の世界に傾倒し卒業後も芝居を続けるために、塾講師で生計を立てる。 しかし、そのころ慢性的に腰痛が悪化していき、自らの腰痛の悩みを解決するため、治療院を渡り歩いているうちに、自分で学んだほうが早いのでは?と、 整体を学ぶことを志す。縁あって碓井流活法創始者、碓井誠先生のもとにたどり着き、2011年入門。現在も週一回亀有で研鑽を続けている。
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筆者プロフィール
村山 俊介
中真整体院院長
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