頭痛で一番多いのは緊張型頭痛 頭痛といえば、「片頭痛」というイメージがあります。 大阪心斎橋にある私の鍼灸院「天空」にも多くの頭痛患者さんが来院されていますが、そのほとんどの方が、「私の片頭痛は~」という感じです。 しかし、頭痛の調査研究では、頭痛患者さんの10%前後が、片頭痛という結果が出ています。 では、一番多い頭痛は、どのような頭痛なのでしょうか? 研究調査では、頭痛のうち緊張型頭痛が70%程度占めているとあり、緊張型頭痛が一番多いといえます。 緊張型頭痛とは? あなたの頭痛の症状は以下のようなことはりませんか? ・頭痛が比較的長く、だらだらと続く ・痛みの程度はあまり強くなく、締め付け感や圧迫感が主 ・歩いたり、階段を上り下りするような日常的な動作により、痛みが変化しない ・吐き気や嘔吐はない ・光過敏や音過敏はない、あっても、どちらか一方のみ 症状だけで、緊張型頭痛か片頭痛かを区別するのは難しいのですが、上の症状であれば、緊張型頭痛の可能性は高くなります。 緊張型頭痛が起こる理由 頭痛全般にそうなのですが、緊張型頭痛が起きる理由もよく分かっていません。 現在、分かっていることは、以下のようなことです。 ①頭の筋肉を押さえると痛みを感じる度合いが、正常な方と比べると、過敏 ②脳の神経において筋肉を収縮させることを抑える働きが弱い ①と②より、緊張型頭痛をよく起こす方は、頭の筋肉が収縮しやすい、また、痛みに過敏になりやすいことが分かります。 緊張型頭痛の痛みがあまり強くなく、締め付けるような感じになるのは、頭の筋肉が縮こまり、頭を締め付けるからといえます。 歩いたり、階段の上り下りで痛みが変改しないことや、吐き気や嘔吐がないのは、頭の中の問題ではなく、頭皮の問題ということを意味してます。 片頭痛は血管の問題がかかわりますので、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。 この点は、片頭痛の時に改めて、ご紹介します。 肩こりや筋肉の凝りと緊張型頭痛の関係 ここで、問題になっていますのは、肩こりや筋肉の凝りが、緊張型頭痛を引き起こすかのかということです。 現在のところでは、肩こりや筋肉の凝りが、緊張型頭痛の原因ではないとされています。 「私は肩こりがひどくなると頭痛になるよ」という声が聞こえてるようです。 これは、凝りという現象が緊張型頭痛を引き起こすのではなく、交感神経という自律神経のうちの一つの興奮・緊張が、引き起こしているからです。 緊張型というイメージは、肩こり・筋肉の凝りをイメージしますが、この緊張とは、交感神経の緊張を意味しています。 では、なぜ、肩こりから緊張型頭痛へと進むのでしょうか? それは、筋肉にも交感神経が入り込んでいるからです。 筋肉には運動神経と交感神経が入り込んでいます。 繰り返し作業など肩がこるのは、運動神経の緊張によります。 ストレスにより肩が凝ってくるのは、交感神経の緊張によります。 もちろん、両方の神経の興奮により凝ることも、よくあります。 緊張型頭痛が比較的長く、じわじわと続いたり、何度も繰り返すのは、この交感神経の興奮によるところが大きいです。 一度、頭痛になるとまたなるのではと、不安になり、その不安感がストレスとなり、落ち着いた交感神経を新たに緊張させ、頭痛を引き起こすからです。 このように緊張型頭痛といえども、なかなか簡単ではありません。 特に、マッサージや肩や首だけへの鍼治療で改善しない緊張型頭痛は、いろいろな区別を考え、治療する必要があります。 筆者プロフィール 夘野 裕樹 鍼灸院 天空院長(ポラリス株式会社 代表)資格:鍼灸師 所属学会:全日本鍼灸学会(認定鍼灸師)/日本線維筋痛症学会 鍼灸師になり30年以上が経ちました。 20代で一度、開業しましたが、阪神淡路大震災で閉院しました。 その後、整形外科や整骨院に勤務していました。 あなたが思っている以上に鍼灸はいろいろな病気に効果があります。 この鍼灸の良さをもっと広く社会に知ってもらいたいと思い、改めて、鍼灸専門の治療院を開業しました。 毎日、鍼灸治療と後進の育成に励んでいます。
筆者プロフィール
夘野 裕樹
鍼灸院 天空院長(ポラリス株式会社 代表)
資格:鍼灸師
所属学会:全日本鍼灸学会(認定鍼灸師)/日本線維筋痛症学会
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