老若男女を問わず頭痛でお困りの方は多いと思います。 私も過去に数えきれないほどの頭痛患者の方と接して来ました。 その経験から頭痛に関する私なりの考察を書かせて頂きたいと思います。 頭痛の種類は大きく分けると2つ 頭痛を大ざっぱに分類すると 1、頭の中に問題があるもの(腫瘍等) 2、頚椎のずれによるもの になります。 痛み方が激しいものや長引いているものは先ず専門の病院で診てもらうことをお勧めします。 そして、画像診断等で頭の中に何も問題が無い場合、乱暴なようですが、それは頚椎のずれが原因だと言い切ってしまってもいいかと思います。 偏頭痛であるとか、緊張型頭痛であるとかの分類は不要です。 頚椎のずれについて簡単に説明します。 頭痛の原因は首の骨のずれ 頭痛に直接関わってくるのは、首の骨(頸椎)です。 首の骨は7個の頸椎で構成されていますが、そのうち主に頭に近い上から1番目と2番目の頸椎が関わっています。 写真の骨格模型で赤く塗ってあるのが頚椎の1番、青く塗ってあるのが2番です。 写真で1番上に青い部分が飛び出て見えているのがお分かりでしょうか? 2番は軸椎(じくつい)とも呼ばれ、棒状の軸(=歯突起)が一本立っています。見えているのは軸の先端です。 1番は環椎(かんつい)とも呼ばれ、リング状になっています。 1番と2番は椎間関節のみならず、この軸でも繋がっています。この部分を環軸関節と呼びます。 両肩を動かさず、顔だけを左右に振り向く動作をするときに主に働くのがこの環軸関節です。 1番は軸を支点にして回旋運動をします。頭蓋骨は1番に乗っかっているので1番と一緒に回旋します。 小さな衝撃でもずれる可能性がある頸椎 1番(環椎)と2番(軸椎)の間には緩衝材である椎間板が存在しないので他の頚椎に比べてずれやすくなっています。 道を歩いていて誰かとぶつかった、頭をどこかにコツンとぶつけた、勢いよく振り向いたといった程度のことでもずれることがあります。 1番が2番に対して軸(歯突起)を中心に左右方向に多少の回転を伴ってずれてしまうのです。 高度なものだと2番の軸そのものがずれてしまっている場合もあります。 ずれと言っても本当に微小なものなのです。日常生活の中で自然に正常な位置に戻ることも十分に想像できます。 しかし、戻らなかった場合、この環軸関節の微小なずれが頭痛を引き起こしてくると考えられます。 頸椎のずれを正すと9割の頭痛が激減・完治する 何故ならここのずれを正すと頭痛患者の90%以上は症状が激減、もしくは完治するからです。 理論的な裏付けの無い経験値のみの話で申し訳ありません。 しかし、何年も苦しんだという頭痛が一瞬で無くなることを何十例も経験して来たので私は確信に近くそう思っています。 環軸関節のずれを正しても改善しなかった頭痛は僅かです。 問題は正すことが出来ない方が一定数いらっしゃることです。 もちろん私の技量不足もあるのでしょうが、ここのずれを整復出来ない方のお話を詳しく伺うと、歯科診療を多く受けてきた、歯列矯正の経験があるといった歯科関連の共通項があるように思われます。 あごの開閉には頚椎の3番と4番が深く関わってくるのでここのバランスを狂わせ、ひいては1番、2番にも影響をもたらすのでしょう。 不適切な歯科診療、不適切な歯列矯正は頚椎を複雑にずらし、ひいては深刻な頭痛をひきおこす可能性があるようです。 また、前回のコラムでも書いたように首を鳴らす癖をお持ちの方も上手に整復出来ない場合が多いです。 さいごに 頚椎のずれが頭痛を発生させることに関して理論的な裏付けが無いと書きましたが、私が密かに思っていることはあります。 1番から6番までの頚椎には横突孔(おうとつこう)と呼ばれる穴が二つずつ開いていてその中を椎骨動脈という血管が縦に貫いています。 椎骨動脈は最終的に脳の中に入っていくのですが、頚椎のずれによってこの動脈が歪み、血流量に変化が起き、それが頭痛を引き起こすのではないかということです。 しかし、本当に申し訳ありませんが、今の私には裏付けを取る術がありません。 以上、ほぼ私見になりますが、そう大きくは間違っていないと思います。 ご参考まで。 筆者プロフィール 吉川良介 柔道整復師 吉川整体院長 昭和41年2月 東京生まれ 平成11年3月 「梅ヶ丘よしかわ整骨院」開院 平成17年8月 同院閉院 平成17年10月 東急世田谷線上町駅前にて「吉川整体」開院 現在、都内を中心に東北や、関西方面からも訪れて頂く患者さんの施術に忙しい日々 を送っている。
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筆者プロフィール
吉川良介
柔道整復師
吉川整体院長
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