ゴールデンウィークですね。 ゴールデンウィークにはのんびりと温泉に入って日頃の疲れを癒す計画を立てている方もいるかと思います。 温泉は、熱を外から補い、代謝を高め、熱を作り出し、体の熱の巡りを改善して、血液を含む体液の循環を改善し、また老廃物の排出を促進しますので、冷え性を改善するには、最適な改善法の一つです。 でも、冷え性の方にとって間違った温泉の入り方をすると、かえって冷えを増強させてしまいます。 せっかく温泉に行ったのにかえって冷え感がもっと強くなった、冷え症に伴う体調不良が悪化したことになったら、せっかくの癒しの旅も台無しになってしまいますね。 そこで、冷え性の人が気を付ける温泉の入り方3つのポイントについてお話しします。 【正しい温泉の入り方1】冷え性に高すぎる温度の温泉はNG 冷え症だから高い温度の温泉に入ることは、いい事かと思われるかもしれません。 でも、熱い温度の温泉は、自律神経の交感神経を刺激します。 交感神経は、外部から身を守るために働く神経で熱い温泉の熱を敵とみなし、皮膚の血管を収縮させます。 そのため、温泉の熱を取り入れる事よりもむしろその熱に対して防御姿勢をとり、温泉の熱を体に浸透させることができません。 交感神経が高ぶったまま、温泉から上がると体は、高い温度の温泉の熱である敵から解放されたことを認識して、副交感神経の働きによって血管を拡張させます。 すると体は、温泉で熱を浸透させるどころか逆に自身の熱を放出してしまい、湯冷めしやすく体が冷えてしまいます。 【正しい温泉の入り方2】冷え性の人は、長時間温泉につからないようにする 長い時間温泉につかることは、温泉の熱が体の芯まで浸透し冷え症によいと思われるかもしれません。 でも、ここにも注意すべき点があります。 時間をかけて体をじっくり温めると自律神経の副交感神経が優位になってきます。 副交感神経は体をリラックスさせる神経で、血管を拡張させます。 血管を拡張させることで、温泉の熱が体に浸透しやすくなります。 温泉は通常のお風呂と違い、温泉の浸透圧や含有成分のため、温泉の熱がより体の深部に浸透しやすい状態にあります。 長い時間温泉に浸かっていると体は、熱の過剰と感じ、皮膚の血管を拡張させ汗をかかせます。 長湯から上がると体は、熱が過剰にあると思い、皮膚の血管を開いたままで汗をかき続け、熱を外へ逃がし続けます。 特に冷え症の人は、自律神経の働きが鈍っているので自律神経が支配する血管の拡張、収縮がうまく働かず、熱を放出し過ぎてしまい、体力を消耗し、体が冷えてしまいます。 【正しい温泉の入り方3】冷え性なら、浴衣の下に何か着よう! 温泉へ行くと浴衣を着る機会が多いと思います。 日頃は洋服ばかり着ている人にとって浴衣は情緒もあり、ちょっとした旅行気分に浸れますよね。 せっかく温泉にきたのだから浴衣を着なければもったいない気持ちはわかります。 でも、冷え症の方にとっては、冷えの原因になる要チェックの一つです。 温泉での浴衣は、湯上り着・寝巻きであり、肌着としての着物である性質上、生地が薄く、また肌の露出が多いものです 。せっかく温泉に入って体に熱を取り入れたのに、生地の薄い浴衣を着て肌を露出することで体の熱が逃げてしまいます。 また、温泉のある所は山地に多く、ゴールデンウィークではまだまだ気温が低いため、温泉の温度と気温との差が大きいため、ちょっとした時間のうちに体の熱は奪われます。 また、素足でいることも地面から熱を奪われます。 まとめ さて、いかがでしたでしょうか?温泉は体に熱を補うことで代謝が高まり、冷え性の方にとっては最適な改善法の一つです。 でも、間違った温泉緒入り方をすると、かえって冷え性を悪化させてしまう危険性があります。 熱すぎる温泉は交感神経を刺激し、温泉の熱を取り入れることを妨げてしまいます。 長い時間温泉に入っていると、体は熱の取り入れの過剰に対して発汗による放熱を促し、自律神経の働きが鈍い冷え性の方は、体力を消耗し、かえって体を冷してしまいます。 また、浴衣姿は、肌の露出が多く体の熱が逃げやすく、また気温によって熱が奪われてしまい冷えやすくなります。 冷え性の方でゴールデンウィークに温泉に行く予定のある方は、上記の点に気を付けて楽しんでくださいね。温泉の入り方次第で、冷え性が悪化するので注意が必要です。 筆者プロフィール 川添 登 伝馬町鍼灸院院長はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師 平成5年に国家資格を取得して以来、臨床歴22年以上。「冷え」を体調不良の根本的な原因として捉え、鍼灸でツボを刺激して、体を温め、自律神経のバランスが回復する施術を行っています。一人治療院として、個々の患者さんに丁寧な施術、安心感を持っていただけるよう心がけています。当院では、施術を受けていただくだけではなく、自宅でできるお灸や呼吸法、自律訓練法、運動法などのセルフケアも指導しています。
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筆者プロフィール
川添 登
伝馬町鍼灸院院長
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師
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