腰痛の原因は腰ではなかった?? 腰が痛い、腰が恐い、腰が、、と腰が痛いときに触れる場所は、当然ですが腰ですよね。 誰もが身体の後ろ側を、なでるようにさすります。 でも、腰痛の原因は、身体の後ろ側ではなく、前側にあるとしたら、どう思いますか? 「痛いのは腰なんだから、原因も腰にあるのは当然だろう!」 確かにそうです。 その”痛み”を発しているのは、確かに腰です。 しかしその腰痛の”原因”になっている場所は、腰ではなくてお腹のほうにあるといったら驚きますか? そうなんです。じつは慢性的な腰痛の原因はズバリ腰ではなくて、身体の前側が黒幕になっていることも、多々あるのです。 腰痛の黒幕は大腰筋 大腰筋は、お腹の奥、腸の後ろにあり、腰椎の横から出て骨盤の前を通り、股関節(大腿骨の内側=小転子というところ)に付いています。 形状はちょうどリュックサックの肩ひものような感じで、腰椎と骨盤を前側から支えています。 上半身と下半身とをつないでいる唯一の筋肉なので、大腰筋の筋力が低下すると、腰の支えが弱くなり、上半身が安定しなくなるため腰痛になります。 傾向として若年層(10~40代)は、大腰筋の筋力が低下すると、骨盤が前に傾きすぎてしまい、腰が反り過ぎた状態、いわゆる反り腰になります。 しかし高齢者の場合では、逆に骨盤が後ろに倒れてしまうため、後弯腰つまり腰の反りがまったくない状態=ストレートランバーになります。 腰は反りすぎても、逆に反りがなさすぎても、どちらでも腰痛が起きやすくなるのです。 痛いのはどこだ!? 腰痛の”原因”が大腰筋であるならば、実際に”痛み”を出している場所は、いったいどこにあるのでしょう? それは脊柱起立筋という、背骨の両脇にある後頭部にまで至る長い長い筋肉です。 脊柱起立筋とは、ステーキでいうところのロースにあたる部分であり、またロースのなかでも腰部はテンダーロインといって、ステーキ肉のなかでもっとも高級とされている部分です。 ちなみに大腰筋はヒレ(フィレ)といって、これもステーキのなかでは1~2位を争う高級部位として知られています。 人間の場合、この脊柱起立筋=ロースが常に引っ張られていたり、圧縮されてしまうことで、腰に痛みを感じるようになります。 自分はどっちの腰痛? 統計的に腰が反りすぎている若年層は、自分の上半身の重さで腰が圧縮されているため、脊柱起立筋が常に収縮してしまい、ちょっとした引っ張りや伸ばされによっても痛みが出やすくなります。 下にあるものを拾ったり、前かがみで数分作業をしただけでも、起き上がるときに「ズキン!」とくる激しい痛みを感じます。 反対に腰の反りがなくなっている高齢者は、脊柱起立筋が常に伸ばされているため、背中から臀部、ももの裏(ハムストリング筋)まで含めた背部全体が常に引っ張られてしまうせいで、腰にも慢性的な痛みや張りを感じます。 まとめ 大腰筋がゆるんでしまうことで、腰が反りすぎたり反りがなくなってしまうのであれば、逆にこの筋力がほんのわずかでもアップすれば、腰椎や骨盤が安定して腰がラクになります。 なので若年層では、大腰筋の筋力アップでたるみをなくして、前側の支えを強くするという目的で。高齢者は大腰筋を鍛えて、腰の後弯をなくす=前弯を増やすという目的で行います。 ここでは本質的な考えとして、原因の結果によって痛みが出ている腰ではなくて、そもそもの原因のほうに着目し、その原因のほうを改善させることで、結果として出ている腰の痛みを解決させることを目的とします。 さて次回はいよいよ、大腰筋の具体的な鍛え方や、簡単な筋力アップの方法などをご紹介いたします。 1日30秒足を振るだけでしぶとい腰痛が消える本著者:宮腰 圭出版社:サンマーク出版 筆者プロフィール 宮腰 圭(みやこし けい) 整体家。骨と筋代表。アカデミー骨と筋主宰。 1969年秋田県生まれ。50年代のアメリカに憧れ、テネシー州メンフィスでバンド活動に励んだのち、30才のときに音楽で生計を立てる道を断念。一転カイロプラクティックの道を志し、日本カイロプラクティックカレッジに入学。2001年より米国政府公認ドクター中島旻保D.Cのセンターに勤める。2006年より中目黒にて開業し、2010年にはスクールを開校、現在は神楽坂に拠点を移設し施術や整体家の育成に努める。誰もが自分で治せる療法の開発にも力を入れており、セルフメソッドの発明王!との異名をもつ。著書に「1日10分歩き方を変えるだけでしつこい肩こりが消える本」「1日30秒足を振るだけでしぶとい腰痛が消える本」などがある。
1日30秒足を振るだけでしぶとい腰痛が消える本
著者:宮腰 圭
出版社:サンマーク出版
筆者プロフィール
宮腰 圭(みやこし けい)
整体家。骨と筋代表。アカデミー骨と筋主宰。
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