良い姿勢とはどんな姿勢でしょうか? あごを引いて胸を張り、背筋はピンと伸ばして骨盤を立てて、ひざを伸ばして…と、どうでしょう? 一見、キレイで良い姿勢に見えるかも知れませんが、どこか不自然で窮屈。 妙に主張の強い姿勢になっていないでしょうか? 1つ1つの工程ごとに身体がどんどん緊張していくのを感じられる方もいるでしょう。 この状態で思う様に動けますか?動くどころか、その状態のままいられますか? ほとんどの方が「No」と言うでしょう。 これでは、良い姿勢を成しません。良い姿勢を続けるにはどうしたらいいのでしょうか。 前後の筋肉がバランス良く緊張し合い姿勢はつくられる 姿勢はカラダの前後の筋肉がバランス良く緊張し合って作られています。 例えば、ふくらはぎの筋肉とすねの前の筋肉、ももの裏の筋肉とももの前の筋肉、お尻の筋肉とお腹の筋肉、背中の筋肉と胸の筋肉、首の後ろの筋肉と前の筋肉、つまり前後の筋肉が程よく緊張し合っています。 そして、前後の筋肉が、80%の力同士で緊張し合って姿勢を作っているのと、30%の力で緊張し合っているのでは、同じ姿勢を取っていても、全く異なります。 前者は、同じ立ち姿勢でも頑張って立っていることになります。 後者は、無駄な力を使わず、楽に立っています。 緊急の場合などの例外を除いて、誰もが後者の様な楽な姿勢を好むでしょう。 カラダの重さを感じて、無駄な緊張を取り除くことが大切 身体の重さを感じようとしてみてください。カラダの無駄な緊張が抜けて、脱力することが出来ます。 例えば、肩を耳たぶに近づけるように挙げてみてください。 すると肩から首にかけての筋肉が緊張するのを感じます。 つまり重力に抵抗すると筋肉は緊張することがわかります。 それでは次に、緊張させた肩から首の緊張を抜いて、その部分の重さを感じてみてください。 上手く脱力することが出来ます。 続いて、今と同じように自分の腕の重さを感じてみてください。無意識に自分の腕にも緊張があったことに気付くことが出来ます。この様にして、カラダの重さを感じて、無駄な緊張を取り除くことが出来ます。 ムダな緊張が無い姿勢をつくる それでは、冒頭で触れたような“良い”姿勢になってみてください。 まずは良い姿勢で立ってみる あごを引いて胸を張り、背筋はピンと伸ばして骨盤を立てて、ひざを伸ばします。 1つ1つの工程で、カラダに緊張が生まれるのを感じるかと思います。 脱力しながら、ムダな緊張がない姿勢をつくっていく では、その状態からムダな緊張が無い良い姿勢を作ります。 先ず足部の重さを感じて、それを地面に預けるように脱力してみてください。 次に、足首から膝までの下腿部の重さを感じて脱力し、足部の上にしっかりと重さをのせます。 膝から脚の付け根までの大腿部の重さを感じて脱力し、下腿部、足部の上にしっかりと重さをのせます。 同様に体幹部の重さを感じて脱力し、下の大腿部に下腿部、足部の上にしっかりと重さをのせます。 最後に腕と頭の重さを感じて脱力してみてください。 無駄な緊張を使わず、重力に身を任せた楽な姿勢の完成です。 まとめ いかがでしたでしょうか?? 立っている姿勢だけでなく、座っている姿勢でも、寝ている姿勢でも、地球上にいる限り重力の影響を受けています。 それはつまり、カラダの重さを感じて、無駄な緊張を取り除くことで楽な姿勢を取ることが出来ます。 ぜひ取り組んでみてください。 筋膜ボディセラピー著者:大久保圭祐 出版社:三栄書房 筆者プロフィール 大久保圭祐 全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト 米国Rolf InstituteR卒業し、世界三大ボディワークのロルフィングRを修得する。トレーニングやエクササイズ、ランニング等の運動処方、ストレッチングや筋膜リリース等の手技を使って、クライアントの要望に応える。各種メディアにてボディメークの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活躍中。
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筆者プロフィール
大久保圭祐
全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
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