猫背は何が悪いのか?と聞かれたときに世間での答えは 「見た目が良くない」とか、「肩こりや腰痛の原因になる」とか、「胃を圧迫しているので消化不良になりやすい」というのが多いのではないでしょうか。 果たして、世間で考えられていることは正しいのでしょうか? 今回は、猫背に対する東洋医学的な見方から解説するとともに、猫背の持つ機能や特性についても説明していきます。 そして、タイプに合わせた改善法をご紹介していきます。 猫背は脱力した姿勢。負担が軽くなる場所がある まず、東洋医学では悪い姿勢が存在するとは考えません。 姿勢によって、有利なことと不利なことがあるからです。 もっと言うと猫背は脱力した姿勢なので、負担がかかる場所もありますが、負担が軽くなっている場所もあるのです。 具体的に言うと、首の筋肉や胃には負担がかかりますが、背筋を伸ばす筋肉は緩んでいるし、膝を上げる筋肉も緩んでいます。 なので、背筋を伸ばす筋肉や膝を上げる筋肉が疲れている人は猫背を楽に感じるのです。 胃が圧迫される姿勢は考えるときに適している でも、負担を強いる筋肉や胃が圧迫される事は悪いことなんじゃないの?それは、もっともな意見です。 それは否定しませんが、実は胃が圧迫される事で、有利になることが一つだけ・・・ 人間は胃が活発に動くと空腹を感じ、それが強くなると考える力が低下する。 逆に頭に血が巡っているときは空腹をあまり感じなくなるように出来ています。 だから、何かについて深く長考しようという時はやや猫背気味の方が考えやすいのです。 芸術家ロダンの”考える人”を思い出してもらうと、猫背でうつむき加減の姿勢ですよね。 (さらに、負担のかかる首の筋肉はひじ杖することでカバーし、さらなる長考を可能にしている!)(驚) これは、偶然でしょうか? いや、昔の人は内臓の心の関係に早くから着目していたのです。 胃は思い悩む・考えるといった感情と関係がある 実際に東洋医学では2000年前から胃は思い悩む・考えるといった感情と関係があるとしていました。 ここまでで、眉唾だと思う人にはぜひ試してみてほしい事があります。 読んで納得してくれている人はなおさらです。 次は、姿勢と心の関係について 姿勢と心の関係 まず、やって欲しいのがうつむいた状態で楽しく前向きなことが考えられるかどうか? 逆に空を仰いだ状態でくよくよしたり、後ろ向きな事を考えられるかどうか?これが、案外難しい。 胃は思い悩む考えるといった感情と関係することは先に述べましたが、内臓には対応する筋肉が存在し、胃なら首の筋肉に胸や肩、腕の筋肉が対応する。 だから、うつむいている、上を向いているという動きの違いで胃に関係する感情にも動きが出るのです!!!(驚) それこそ、両手を広げて空を見上げて深呼吸をすれば、胃の対応筋肉である首の筋肉に胸や肩、腕の筋肉が伸ばされるので、くよくよした思いが吹き飛びます!! "うつむく"とは"鬱に向く"と言うように、身体の動きが心の動きに作用するのです!! 猫背によるこころの動き 話は猫背から反れましたが、では、猫背によってどんな心の動きが起きてくるのか?最初に述べた通り、まず、深く長考するのには向いてます。 そして、副交感神経を刺激して心をリラックスさせる効果もあります。しかし、猫背がクセになっている人は交感神経への刺激が足りず、どこか集中力が失われた状態になります。 つまり、猫背が悪いというよりは、いつも同じ姿勢でいることは、同じ筋肉にばかり負荷がかかり、胃も圧迫され続ければ機能が落ちてしまい、心の動きは単調になり、結果として猫背による悪影響が目立ってしまいます。 じゃあ、やっぱり直したほうが良いの?いいえ、要は猫背との付き合い方が大切なので、次は自分に合った猫背との付き合い方を紹介していきます。 猫背との付き合い方 まず、猫背はリラックスした状態であること伝えました。半面、胃は圧迫されたり、首に負担がかかったりと悪い面もあります。 ですので、大切なのは自分の状態を見極めて、何を直すべきかの判断をすることからになります。 例えば、気を抜くとすぐに猫背になってしまう方は、胃に注目してみましょう。 暴飲暴食で胃が疲労して、重くなってしまうために猫背になっている可能性があります。 このタイプの方は肩こりや首コリもあり、食事は不規則で食べ過ぎたり、食べなかったりを繰り返している事が多いです。 この場合、直すべきは猫背ではなく、食生活ということになります。まず、朝はなにか口にする。 夜寝る前3時間以内の飲食は控える、甘いものの過剰な摂取は控えるなどの改善が効果的です。 他に、普段からくよくよと思い悩みやすいという人は知らず知らずのうちに、うつむき気味になっている事が多いので、両手を伸ばして深呼吸したり、少し汗を流して、ゆっくり休むことを心がけましょう。 逆に、常に緊張し、イライラしやすく、心が休まらないという方には少し猫背になって脱力した状態で物思いにふけることをおすすめします。 まとめ いかがだったでしょうか?猫背とは湯船のようなもので、つかり過ぎれば悪影響の方が多くなりますが、使い方次第ではリラックスをもたらしてくれます。 東洋医学からの一番のアドバイスは「過ぎたるは及ばざるがごと」しで、世の中に良いものと悪いものがあるのではなく、大切なのは自分に必要なものは何か見極める事で、必要なものであっても程度によっては身体に毒にも薬にもなるということを理解することです。 筆者プロフィール 福原 真一郎 ほのか整骨院 大阪府枚方市出身。整骨院・リラクゼーション・訪問マッサージの分野を経験し、今に至ります。 鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の資格を持ち、現在は東洋医学の五行色体表や相生・相克関係を応用した治療を行っています。 治療後にはストレッチや五行色体表を応用した食事指導、生活習慣のアドバイスも行います。
筆者プロフィール
福原 真一郎
ほのか整骨院
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