首や肩を動かしたときに、パキッと音がすることがありますね。 関節を鳴らすと、身体に悪いという説がありますが、本当のところはどうなのでしょうか? 「パキッ」は、何の音? 手や首で音がするとき、詰まっていたところが伸びたような感じがしませんか? そこに、音の秘密が隠されています。 関節を包む関節包や、靭帯。 ふつうは滑らかに動いているのですが、コリやむくみで体液の流れが悪くなると、組織どうしが貼りついてしまうことがあるのです。 そこで関節を大きく動かすと、貼りついた部分がとれ、動きが回復します。 動画レントゲンで見ると、このとき関節内に気泡が発生し、消えるのが観察できます。パキッというのは、その気泡の音だと考えられています。 つまりあの音は、貼りつきで動きにくくなっていた関節が、元に戻るときの音なのです。 音を出すのは危険って本当? 気泡の衝撃で関節が傷つく可能性がある、という説もあります。しかし気泡の衝撃はごく狭い範囲のものです。組織を大きく損傷するほどの力はないので、心配はいりません。 むしろ、音を出さないようにと、動かさないでいる方が、身体には良くありません。 長い時間、動かさないでいると、関節の貼りつきは強くなり、靭帯も固くなってしまいます。 「動かしてはダメ」という意識で筋肉も緊張しますから、肩こりや腰痛を起こすことも。関節は、時々は動かして、リフレッシュすることが必要なのです。 でも、無理に鳴らしてはいけません 関節が鳴るのは心配いりませんが、無理に鳴らすのはお勧めできません。 癒着による音は、一度鳴ったら、しばらくは鳴りません。癒着が発生するまでにはある程度の時間がかかるからです。 音が出ないと、つい力を入れすぎてしまうことが多いのですが、強すぎると靭帯や関節包を傷めてしまいます。 関節を鳴らすのは、あくまで軽い動きの範囲にとどめておくようにしてください。 軽い力でとれない貼りつきがあると感じる場合は、無理をせず、専門的な治療を受けるようにしてください。 筆者プロフィール 池浦 誠 八起堂治療院長院鍼灸師・マッサージ師 臨床経験の中で、関節で生じた癒着(貼り付き)が、不調の原因となっていることに気づき、2005年に「TAM手技療法」を考案。癒着による身体の歪みや固さをとり、自然な動きを取り戻す治療を行っている。 田舎町の個人治療院ながら、他府県からの来院者も多い。
筆者プロフィール
池浦 誠
八起堂治療院長院
鍼灸師・マッサージ師
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